2012年05月10日

出会い直す / ゴール

少しお久しぶりのTさんとのセッション。

「こんにちわー。」とはにかむように微笑む笑顔。

一瞬そこにインナーチャイルドや少女時代の面影を観るのだけど、この方は50代の立派な主婦。

今回間が空いた期間に色んなことがあったけれど、何とか乗り越えて来られた。色んなことを考えて試行錯誤したけれど、自分なりに答えを出して。20120509.JPG

ある晩、とっくに成人している娘さんに電話をして大声で「どうしてこんな時間まで帰って来ないの?」と怒鳴ったとき、普通に訊き返されたそうだ。

「どうして帰らないといけないの?私たちの行動によってお母さんの心はどうしてそんなに平静じゃなくなるの?」と。

投影を起こしているから真逆の性格に思えるものの、この母子はとても似ているところがある。

Tさんも50代にして柔らかくて素直な心を持っているものだから、率直にそう問いかけられて、はたと気付く。『ほんとだ。どうしてだろう?』と。

親ってのは幼い頃から自分の道徳観やイラショナルビリーフを武器にして子供を怒ることが多々あるのだけど、実のところ子供は幼い頃から既に一個の人格を持っている。

家族ばかりを見つめているうちに、そして家族のことを理由に自分のやりたいことをやって来なかった故に、子供たちが巣立つ時期になって寂寥感を味わうようになっている自分に気がつかれたのだと言う。

「自分の感情の現状は人のせいじゃないですよね。子供のせいじゃない。夫のせいでもない。自分を寂しい状態にして来たのは自分ですよね。」

出会って3年目くらいだろうか。

その昔、争いばかりだった親子は、この時期、対等に友情を結んだ。

それは互いに自分のことを考えるようになった新緑の頃のことだった。

******************

2012年5月9日。

Nさんとの心の旅が終わる。

この日が来て、改めて思う。つくづくわっかいなー!と思う。この若さでこんなことを成し遂げるなんて。

私なんか彼女くらいの頃、何の疑問も感じずサバイバルの真っただ中の鼻たれ小僧のしょんべん娘だったわ。

ほんとに偉い子だなあと思う。

この旅は二年前のまだ寒い頃、一つのカウンセリングからスタートした。

そう思うと、まだ二年か!という気もする。

色んなプロセスがあり過ぎて、長い長い年月だったようにも感じるから。

初めて会ったあの日、カウンセリングの終盤、もうすぐ二時間が経とうとしている頃に「実は看護師をしているんですよ。」と仰ったので、笑いながら「そうでしょ?」と答えた。

ナースばかりが居る職場では色んな人材が居るように感じるのだけど、その集団を離れると一種の特徴がある。

ので、飲み屋さんでもカフェでも「ああ、ナースの集団だな。」と思うことがあるし、この時のようにカウンセリング中に全く違う話をしていたり、何らかの理由で職種を隠しておられてもナースさんだなと分かることがある。あと、どれくらいの経験年数か?ということも。

でも、これはナースに限ったことではないらしい。うちの夫もそうだけど、ある程度一つの仕事をしていると「あ、同業者だな。」と勘が働くことはあるそうで。

彼女は当時は確かまだ京都から通っていらっしゃったように思う。

遠い道のりだったなあと思う。

物理的な距離だけじゃなくて、今にも死にそうで血をダラダラ流していたあの頃と今の距離。

初対面で傷ついた人生背景が反映されているオーラを観た。

でも、同時に大きな可能性を観た。

彼女は確かにボロボロだったけれど、自分を治したり癒したりする力も無限に持っていた。

彼女は当時、自分でも何をどうしたいのか?ということが意識の上では分からないまでも、とにかく一歩を踏み出したのだと思う。

一回こっきりのはずだったかも知れない。どうして申し込むのか?も当時の自分にはハッキリと分からなかったかも知れない。

でも、彼女自身が彼女を導いた。

それから彼女の周りに色んな出会いがあった。

うちの事務所を出入りする依頼人さんたちとも。

ある日、お一人が「どうしてそんな暗い顔しているの?」と仰ったそうだ。

人は時としてそういう質問を人に投げかける。

「どうしてそういう考え方するの。」

「どうしてそういう言い方するの。」

でも、それには必ず理由がある。

一言では答えられない理由が。

それはその人のオーラ体に刻まれているものの、その人がその人自身の言葉で表現して行くべきもの。

”どうして自分の現状は今こうなのか?”と、

それは、必ずしもそう問いかける他人にきちんと応えなければならないわけじゃない。

まず最初にその疑問に答えて行くべき相手は、自分自身に対してだから。そこが一番大事。それが出来て初めて他人にも自分というものを伝えて行くことが出来る。理解して貰えるチャンスが出来る。

でも、自分自身を受容していない人、あるいは受容し始めたばかりの人は、そんな相手の内側に過去の自分を観てついついはがゆくなってしまう。まだまだ不安な人を観ると一緒に不安になってしまう段階の場合は。
その人もまだ傷が痛いから心で泣きながら怒りで表現するしか術がないケースがあるのよね。

でも、そこに愛がある。

受け止めるのがかなり難しい愛だ。(笑)

けれども、気がつけば今日、彼女はその仲間の愛を受け止めていた。

「あんな私を観ていらついたんだろうなあ。今なら分かる気がします。思って言ってくれた!」と。

いつも自分の価値を低く見積もってしまうところ、卑下してしまうところ、色んなところを見つけて、今彼女は自分にふさわしい人生を選んで行こうとしている。

自分に合った環境。自分に合った待遇。

うぬぼれるでもなく卑下し過ぎるわけでもなく、客観的に世間と渡り合いながら、自分の願いを少しづつ叶えようとしている。

それがどんだけの成長を示すことか。

色んなことに光を照らし、自分が今の現状を作ったと気がつき、それを改善して行くことがどんなに勇気が居ることか。

人によっては、生涯他人のせいだけにして恨みと怒りと愚痴だけに満ちた人生を送る人だって少なくない。
(まあ、それも無駄だとは思わないのだけど。)

色んなことを思い出す。

色んなことがあったよね。

彼女はまだ若い。

でも、この二年間で何十年分もの成長を成し遂げた。下手すると、傷ついたインナーチャイルドの時代から始まって、既に今日この日の現状、発達段階においては30代や40代の人を追い越しているね。

これは不思議なことなのだけど、内面が成長すると、人って外見の年を取るのが遅くなる。

出会った頃よりも顔色が良くなって、むしろ若返ったかのように見えて、その実、色んなことを学んだ彼女が居た。

こりゃスーパーなことだなと思う。

先日もとある手塩ーーーーにかけて育てて来た方のゴールを目の当たりにして「どんな地点からでも歩き出せば、必ず未来は来るんだよなあ。」と感じたのだけど、今日もその輝かしい未来がやって来た。

それにしてもよくよく頑張ったよなあと思う。ほんとにこれ、人に言っても分からないのだけど、あの地点からよくぞ頑張ったよなあと思う。

彼女の涙ならば長い付き合いの中で幾度となく目にして来た。

でも、今日の涙は今までで一番正直で彼女らしい涙だと思った。

自分のために泣けるって素晴らしい。

そうして初めて本当の意味で人のために泣ける人になる。

*********************

「昨日こんなことがあったので、今日のメニューはどうしようか?と思って!」と出会いがしらに言うNさん。

よくあることだけど、カウンセリングもしたいが講座も受けたい、どうしよう!?というところなのだろう。

私はぼっさぼさの自分の頭を示しつつ「今日は17時に美容室を予約しているので、それまでに間に合えばギリギリ2セッションとも請け負えるかも!」ということを明かす。

本題とは別に「え?美容室?」と目を輝かせるNさん。

え?何のセッション使うか?ってことじゃなくて、そっちにも話題が行っちゃう?

「私も行きたかったんですよ!」という意外な展開で、たっぷり2セッション終えた後に一緒に美容室に行くことに。

昼に電話して予約したばかりだった美容室に「もう一人だいじょび?」と言うことでNさんの予約も入れて貰う。

私はカラーとカットで、Nさんはトリートメントとカット。

面白い展開だなーと思いつつ、席に通された際、「え?二人並べちゃう?」と少々躊躇したのだけど、考えて見ればあたりまえだよなあ。お店の人、気を使ってそうなさるわなあ。

断然カウンセリングルームで相対することが多かったNさんと、互いにてるてる坊主のようにケープかけられてオールバックな顔で並んでいる様は実に面白かった。

ちょっと恥ずかしかったのだけど、おかし過ぎる方が勝ってゲラゲラ笑ってしまった。

出会いたての頃、ノーメイクで疲れ果てた心と共に、疲れ果てた出で立ちだったNさんが、二年の間にどんどん綺麗になって行って、今日、素敵な春の服を着て、綺麗にシャドウとチークを入れて、可愛いヘアスタイルで、とても良い笑顔で帰って行った。

遠く出口の方から「それじゃあ、すみませーん!お先に失礼しますー!」と叫ぶのを聴いて爆笑した。いっぱい人が居るのに。何もかもが堂々として来ちゃったのねえ。

沢山人が居たので叫べなかったのだけど、心の中で叫んでいた。

おめでとう!おめでとうーー!よく頑張ったねー!輝いているよーー!と。

やり遂げたんだよー。そして、とても綺麗になったし、強くなった。

私は重ね重ね、彼女の出発地点を想うと、それがどれほどの偉業であるかと言うことが分かる。

良い意味で変わったね。

若いうちにこんなにすすんじゃったらどうなるのかね?

それは、言わずもがな、ますます自律的な大人に変貌して行くということだ。

そして、その先に必ず彼女を必要としている人が沢山待っている。

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今日もありがとうございました。

良い一日でありますように。

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posted by かおる at 06:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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