2012年09月06日

坊や / 荒野

深夜、洗濯物を畳んだり、時折ベランダへ出てタバコを吸うなど行き来していると、一瞬お隣の家の部屋が見えてしまう。

自宅は東京都と名がつくものの、のどかな田舎という雰囲気に近い。

10数年前までは家の前にブロッコリー畑が広がっていたし、少し歩いても至るところに畑や林があった。

そういうところが結構気に入っていたんだけどね。

それが段々周りにマンションや一軒家が増えて来た今日この頃なのだが、このお隣のおうちだけは当初からうちと隣接するかのように建っていた。

あたりまえと言えばあたりまえなんだけど、丁度うちの二階の部屋の真向かいにお隣の二階の部屋があるわけで、いくら見ないようにしようとしても10数年のうちには結構な回数でお隣の部屋が見えてしまっていた。

しかも、こちらの場合はピシッとカーテンを閉めているのだが、何故だかお向かいさんはいつも窓を全開になさっているもので。

特に夏ともなると、こちらのベランダをひょいと開けた瞬間に少年が机に足を乗せて漫画を読んでいる姿や、PCに向かっている姿が見えたりしていた。そして慌てて下を向いたり横を向いたりして灰皿がある位置や洗濯物を干す場所まで向かうのだった。

特に悪いことしているわけでも注意されたわけでもないけど、自分が逆の立場で観られたら嫌だからね。

で、それは本来は見ないことになっているし、普段はたいしたことないので忘れていたのだが。

とうとう、今日、普段から思っていたことを初めて口に出した。

何故ならば、丁度たまたまそこにTVを観ている夫が居たからである。

しかも、丁度夫も同じ瞬間に同じことを言おうとしていたらしく、二人同時に同じことを言ってしまった。

「隣の坊主が・・・」と夫が言うとき、私も「隣の坊やがさあ・・・」と言い、続けて、二人とも「デカくなっている!」という感嘆詞。

これもあたりまえのことなんだけど、年々「あらま、大きくなったわね。」なんて思っていたのだけど、いつの間にか青年みたいになっていた。

気が付けば夫婦というものはいつの間にか同じ光景を見、同じことを感じていることもある。

ええ、だから、多分同じことを言いたかったのだろうけど。

「いやあ、あなたもオヤジさんになるはずだよね。」とキッパリ言った後、目で殺して何も言わせない私だった。

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カウンセラーさんちのカウンセリング。要するに教育分析というセッションにおいて、よく「誰も私の話を聴いてくれない。」とか「誰も分かってくれない。」というクライアントさんに出くわすことが頻回だという話をお聴きする。

ところが、最近はちょっと様相が変わって来ていて、一般の方々でも普段の人間関係において同様の体験をして「重い。」とか「いくら付き合っても不毛だ。」と疲れを露わにしてやって来られるケースも増えているようだ。

かくなる私も多昔、まだまだカウンセラーになろうなんて思っていなかった頃から特定の相手に対して同様のことを感じることがあった。まあ、そういった時代には、何が起こっているのか?とか、この先どうなるのか?というようなことも無知故に全く分かっていたいなかったんだけどね。

人に話を聴いて貰うということは、あたりまえのことじゃない。

でも、それを理解出来ないその手の人のマシンガントークは終わらない。

何故ならば、相手に思いやりがないからだ。立場を想像したり思いやったりするという概念が育っていないから自分のことを分かって貰うということだけに必死になっている状態。

本当のところ、そういう自分は自分のことを分かっているのか?自分は人の話を聴いているのか?という振り返りが必要になって来る。

人はゴミ箱ではないのだ。

自分で作った心の穴を埋めて貰うために人を使おうとする人の場合は、その目的な成された途端、今度は相手を舐め始めるのでゲームも始まってしまう。何たって無意識的にゴミ箱として利用したり自分を優位に立たせようとして結局のところ前より依存的で、自分自身の中に何もない人になってしまうから。

知人も愛されていることの確認だけに執着して、結局のところ、相手を愛そうとしなかった。


まあ、セッションじゃなくてもプライベートで毎日相手に鬼電かけまくっては何かを確認しようとする人の狂気を思う。

自分が無い空洞に相手に入って来てしまったものだから、それ一色になるのだけど、そうなる前に何かやることはないのか?とよく思ってしまう。

重ね重ね、他者のみに自分の感情をどうにかして貰おうという心理には恐怖が付きまとう。

少しの思いやりと、相手も自分と同じように必死で生きているのだということを感じとる感性が無ければ、それは果てしなく続くし、心の世界でも現実でも貧しく乾いている。

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今日もありがとうございました。

良い一日でありますように。

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posted by かおる at 06:00| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
窓のことですが。

中が見えるほど密接した窓は「開けたほうの優位」なのです。
隣の家と窓が近いと、常識的な人は「見ちゃいけないなー」とか「こっちもあんなに見えるのかなー」と思ってカーテンを閉める。
相手がそう思って閉めてくれればこっちは開けたい放題の自由になる(笑)
だから先に開けたほうが優位なの。
見えるからといってジロジロ見るようなのは変態で、そう頻繁にいるもんじゃないのだ。

別に勝負じゃないけど(笑)かおるさんちの負け。
Posted by りんだーまん at 2012年09月06日 12:25
>りんだーまんへ
なるほどね。でも、私にとって自分が嫌だな―っていう感覚に勝ちも負けも優位も関係ないんだよね。
Posted by かおる at 2012年09月10日 22:17
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