2012年11月29日

不可解な人とかギャップとか

訪問入浴の世界で、かなり昔に遠方である某市へ応援に行ったことが二回ほどある。

この企業は結構正社員さんたちの異動が多い企業で、二度目に行ったときにはKさんがその営業所のセンター長になっていた。

で、初めて一日中同乗した日に、仕事が出来る上に何とまあ接遇の良い青年だろうかと感心したのを覚えている。もちろんどこのお宅へお邪魔しても厚き信頼を得ていらした。

その日、休憩時間に一緒にタバコを吸っているときに色々尋ねられたのだけど、彼と同期であるHさんやGさんとは面識がないとのことだった。企業が大きいのでエリアが違うと滅多に会わないらしい。

しかし、私が所属している営業所の元センター長さんのことはエリアが違っても元師匠である故にご存じとのことだった。

「ビッグネームなんですよ。あの人、凄いです。」と仰るのを聴いて、改めて新人の頃に彼に色々指導を受けたことをありがたく思ったし、同時に凄い人を凄いと認めるKさんのことをやっぱり好青年だよなあと思っていた。

それから半年以上が過ぎて、某市のセンター長で多忙であるのにも関わらず、Kさんが我が営業所へ応援に来て下さった。

その日はG君とKさんと私とで回ったのだけど、その頃には同期であるG君とKさんはとても親しくなっていたようで。

とてもすました顔で仕事をしているKさんに、G君がうるさいほどふざけて絡み続けているのを見て驚いた。

Gちゃんは、「尾崎さん、こいつに騙されちゃダメです。」と突ついては、Kさんのおかなしなところを沢山引き出していた。

負けず嫌いな人が多いが、頭脳派のKさんが滅茶苦茶突っ込み返したり、滅茶苦茶ふざけるので「そんな人だったのっ?!」と笑い転げながらビックリした。

KさんはG君の「ほんとは出来ないんだろう?」という言葉に弱い。

ああ、これ、よくよく考えてみればこの業界で長く生き残っているベテランさんたちに共通の特徴だ。

それが仕事上での負けず嫌いだったら良いのだけど、「ほんとは音楽なんて分からないんだろう。」とG君が言えば、信号停車中に激しくエアギターを弾きだすKさん。

そして、三人で駐車場からお宅へと向かう道すがら、「踊れないんだろう?」とG君が言えば、物凄いダンスをしながら歩き出すKさん。

ぶっそうな顔をしたガタイの良いおじさんも怖がって、踊り狂いながら進むKさんを避けて歩いていた。

Gちゃん!お願いだからKさんに謝って!と発作を止めようとしたのだが、結局Kさんは次のお宅へ訪問しても踊り続けていた。(利用者様を初めとするお宅の皆さんにもうけていたけど。)

それからというもの、2〜3か月に一度くらいの割合でKさんを見かけるのだが、偉い人なのでスーツ姿のことが多く、物凄く固い表情をしている。

のだけど、どこで出会っても挨拶もまともに出来ないくらい吹き出してしまうのだ。

立川で出くわしたり川崎で出くわしたり小平で出くわしたり、そうかと思うと登戸の方で面接をしていらしたり。

どんなに真面目な顔をしても笑いをこらえるのに必死になってしまう。

そして互いに「どこにでもいますね。」と言ってまた笑い出す。

そして、先日なんぞは、私の少ない出勤日数の最終日だったので、今月分の交通費を請求するべく書類を書いていたところ、”しまった、周りの席に正社員の皆さんが座って会議を始めてしまった!”という状況に陥る。

慌ててどこか違うところで書こうと立ち上がりかけたところ「ああ、大丈夫ですよ。ここで書いていて下さい。」と仰ったのがKさんだった。あ、Kさん、こんなところにも居る!

っていうか、あたりまえか。偉い人だからあちらこちらで会議したり面接したり指導しているのだ。

で、私の隣に座ったKさんがその営業所の責任者に色々指導をしている様子は威厳があって怖いのだが、急に声を潜めて「尾崎さん、この漢字、何て読むの?」と訊いて来る。

緊張感を持って参加していた皆さんがドッと笑う。

Kさん、小声で言っても皆に聴こえてますよ。紅斑(こうはん)って読みます。

そして、そのまま会議が進み、私が電卓を打つ段階になった頃、その時には他のセンター長さんが何やら発言していたのだが、真剣な顔で何かメモしている隣のKさんの書類をチラリとみると、物凄いモジャモジャ頭の女の人らしき絵を描いている。ら、落書きしているーー!しかも、物凄い下手くそ!

場の雰囲気上、精一杯笑いをこらえ、肩を震わせながら席を立った私だった。

どんだけのギャップですか。と耳打ちすると、結構大きな声で「あなたもですよ。」とありがたいお言葉をいただいた。

仕事が出来て頭が良いけれど、アホだ。

アホだけれど、物凄く賢くてキレる。

そして、怖いけれどおかしい。


いつぞや、ちょっかい出すのにも度が過ぎているG君が、Kさんに「顔が良いからって調子に乗んな!」と言っているのを聴いて吹き出した。

それで、G君、Kさんのことが好きなんでしょ?と言うと、「・・・・。うん、好き。」と素直に言うのでまた笑った。

「でも、こいつは俺らと同じでただの女好きに過ぎないんですよ!」と慌ててまたけなし出す。

すると、Kさんが「いやあ、僕はもう結婚しているので、女性はまた来世で。」と訳の分からないことを言う。

そこで「来世も人間だったら良いですね。」と言ったところ、「あ!そうか!バッタかも知れない!」と叫んでいた。

どうしてバッタが出てくるんだろう。

「いいや、それでも僕はくじけない。好きな女性にはどんな姿に生まれても向かって行こう。」

相手がカマキリに転生してたら?

「・・・・・・・・・・。」

沈黙の後、また激しく踊り出すKさんだった。

何で、こんなに固い業界の中でこの状態のままやって行けて、しかも出世しているんだろうか?不思議でしょうがない。

「いや、これだけのことをやらないとやってられないほど過酷だってことですよ。」

なるほど。。。これくらいのFCを発散してやっとバランスが取れるほど過酷だということなのか。

その時、G君がまた言った。「騙されちゃダメですっば。ただのアホですよ。」

・・・・・・・・・・。そうかも知れないと思わないこともないのだけど、何かあると思わずにいられない私は、多分、のぼう様を見つめる家臣の目のような目をしているかも知れない。

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今日もありがとうございました。

良い一日でありますように。


 

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posted by かおる at 06:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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