それで、まだ小学生の小さなクライアントさんと共に「あ、おばさんも恐竜は大好きだよ!」と恐竜の話で盛り上がっていた。もっと正確に言うと、恐竜を含めた進化論とか、生物の脳についての話が好きなんだけどね。
「脳?恐竜の脳?」
そう、そう。それは現代の草食動物とか肉食動物の脳、あと私たち人間の脳にも関係して来るヒントが沢山散りばめられたストーリーだから。
するとその男の子に「そんな話じゃないでしょう。先生にもっと大事な話をしなさい。」とお母さんが仰るのだけど。
彼に対してカウンセリングだと説明して連れて来ていないでしょ。よくあるケースなのだけど、半ば騙し討ちのような形で連れて来られたケース。
大概の場合は親御さん自身がカウンセリングに取り組んで下さる方が何倍も早いのだけど、”カウンセリングとはおかしい人が受けるもの”という古い考えや偏見を持った人ほど「いえ、おかしいのは子供の方ですから。」と仰る。
で、子供というのは大人と同じようにちゃんとした脳を持った生き物。つまりは一個の人間なので、自分のことをおかしいと思っている相手に自分のことを話したがるはずがないというあたりまえの事実。
子供を自分より下だと思っている親が子供に信用されなかったり、生徒を馬鹿にしている教師が生徒に馬鹿にされて言うことを聴いて貰えないのはあたりまえ。
が、始末が悪いことに、そんな間違った心構えでいながら自分の思い通りにならない子供や生徒に憤怒するので悪循環。また大人ってのは、「この子のせいで困っています。私は将来この子が恥ずかしい思いをしないで済むようにと思っているだけなのに。」という悲劇のヒロインに見せる社会向けの顔や言い訳を駆使するのがうまいんだよなあ。
子供はそんなことすら見抜いている。肌で感じている。ただ、それを表現する方法や術をまだ持っていないか、あるいは言っても無駄だと知っているだけ。
そんなわけで「カウンセリングだとちゃんと説明して連れて来てくれなかったわけだし、しばし口を挟まないで自由にさせていただけますか?」というお願いをする。
ただ、もっとも、実はこの時点で既にカウンセリングに入っていて、どんな話からスタートさせようが行き着く先は同じ問題点なのだから。
「先生はどの恐竜が一番好き?僕はTレックス!」
ああ、おばさんもTレックス、大好き。
「え?女の人にも時々恐竜が好きな人っているけど、サウロポセイドンとかブラキオサウルスって言う人が多いけど?」
うん、おばさんも幼い頃はそれ好きだったんだけど、今は選ばないなあ。可愛いけどね。
「なんで?」
いやあ、昔はブラキオサウルスとかが肉食獣に襲われる映像とかを見るとかわいそうで仕方なかったし、今もそれは変わらないんだけど、現代にも通じることで、肉食獣も大変なんだよねえ。
Tレックスは物凄く脳が発達した恐竜だったけど、それはハンターとして必要だったからというだけで進化したわけじゃないんだよ。とても子煩悩で、生まれて間もない小さな小さな自分の子供を夫婦で子育てして守る母性の部分の脳も発達していたんだ。あ、聴いたことあった?
「ない、ない。」と身を乗り出して来る。
トリケラトプスとか、他の草食動物も防御とか攻撃のために対抗してどんどん体や脳を進化させて行ったので、肉食獣の彼らだって逆に殺されることが沢山あったらしいよ。
なので、さらに脳が発達した。
ところがブラキオサウルスちゃんってのは、Tレックスが地上に現れるよりずっと前から存在していた生物だったんだけど、あんな巨体なのにも関わらず脳はほとんど進化しなかったタイプ。
他の草食動物が工夫を凝らして体や生き方を進化させている間、彼らがとった唯一の方法ってのは、”ただ一刻も早く巨体になること。大きくなること。”だけだったんだ。まあ、彼らはそれを選んだんだね。
あんな巨体なのに大脳なんてほとんど無いんで数を多くして群れで生きることのみ。
山ほど卵を生み捨てては逃げて、ただただ毎日何トンもの植物を食べて沢山排泄して・・・それが彼らが選んだやるべきこと。
えーと、何が言いたいのか?と言うと・・・。
生きながらに食われるのは痛いし、怖いよね。二度とそんなことは嫌だと思うよね?
それを回避するために選択肢が沢山あったから太古の昔も今も沢山のユニークな生物が生息しているところが面白いんだけど、他の草食動物がツノや固い体に進化させて対抗している間、ひたすらただ食って大きくなることと、排泄すること、あと子供を産みつけたらさっさと逃げて、極め付け、な何の戦略も武器も知恵も持たない分を群れという社会で生きることでカバーしなければならなかった。
よくは分からないけれど、それ以外はほとんど考えなかったかも知れない。だって、脳にその機能がないんだもん。
仕方ないって考え方もあるけれど、進化ってのは、生まれつきのものだけでなくてそこに必ず意志や性質が働いている。それでDNAの配列が組み変わる。
何千年、何億年ともなれば脳も変わる。(というチャンスがある。)もっと小さなスパンで言えば、1個体の1人生の中でも小さな進化が起こる。
例えば一頭〜ごく少数の個体だけが別の行動をとり始めるとか。でも、群れはそれを許さないし、そのことに疑問を感じることが出来る個体も皆無だったか、少なくとも行動には移さなかった。
つまりは、一個の生命体としては戦略を立てたり考えたり出来ないから、群れで生きることを選んだ。
そんでも相当数の子孫を残せたのだけど、森で自分が産んだ子供の1万個のうちのたったの三頭以外は、みーんな一頭残らず肉食獣に襲われて悲鳴をあげている間、自分だけ巨体になって群れて草食ってるのも何だかねー。あ、あくまでこれは好みの問題点だよ。ほんと、良いとか悪いじゃなくて好みの問題。
「好みっていうか・・・嫌じゃね?」
うん、ほんと自由なんだけど、おばさんもそう思った。
Tレックスよりずっと先に誕生してたのに、一億年以上もの間、おまえはいったい何やってたんだ?って思っちゃうだよね。
痛いじゃねーよ。仲間がやられても自分の子供が食われても変わらなかっただろってのが私的な見解。
「肉食獣の方が草食獣より脳が大きいの?知能が高いの?」
ああ、それそれ。その比率って、白亜紀と現代とでもほとんど変わっていないの。
ライオンもシマウマに顔を蹴られて致命傷を負うこともあるし牛にツノでやられた傷が膿んで死んじゃうこともある。でも、少なくとも脳が複雑な学習や記憶力に対応しているから、そこから戦略を練る。
だから小さな群れで済むし、子供はやがて自立する。
白熊くらい強くなるともはや一頭で生きているよね。トラも確かそう。
脳が小さくてあまり複雑に機能していないほど群れは大きい。草食動物は可愛くて大好きなんだけど、ええ、肉食獣も大変だからまた考える。
ただ、ブラキオちゃんのことを悪く言っちゃったけど、彼らは皆、そんな方法を考える余裕も無かったとも言えるもんね。
でも、人間は、まだまだ眠っている部分が多い。退化しちゃった部分すらあるかも知れない。
ということは、ちょいとした転換で同じことを繰り返さないで済むように成長出来るはずだよね?少なくとも日常肉食獣に襲われるなんて究極のピンチにさらされているわけじゃないんだからさ。
辛いことや嫌なことがあったら、「辛いのは嫌だなー。もう、ほんとに嫌だなー。じゃあ、どんなふうな自分になれば良いのかな?」っていうときにも色んなモデルを観たり学んだりする余裕もあるでしょ?
「うん、そうだね。考えるな、僕。僕なら考える、嫌だもん。」と、そう言ったあと、「そうだ。で、草食獣より肉食獣の方が脳が発達しているんだよね?」とまた同じ質問を繰り返して来る。
あれ?なんで、また同じことを訊いて来るんだろ?と思いながら「そう。だって、動物性たんぱく質の方が栄養になりやすいの。プラキオちゃんたちは、シダ類とか栄養の少ない草が主食だったからそのせいで肉食獣の何倍もの量を食べる必要があったんだよ。毎日毎日一日中必死で食べた。それでも、脳が発達するほどの栄養じゃなかったのかも知れないよね。
で、何でそこにこだわるの?
そのとき、お子さんがお母さんの方をちらりと見た。
お母さんは目が泳いでいる。
?????
「僕ね。お母さんに肉は体に悪いからって、大豆とか豆腐とか野菜とか、あとは肉に似せて作ったものばかり食べさせられてるの。それがすごく嫌なの。肉が食べたい!」
がーんと来た。
同じような年頃のお子さんと比べて極端に体が小さくていじめられていると聴いてはいたが。そうだったのか。
それがどんだけ脳の発育を遅らせることか。アレルギーとかそういうのも無いってのに。
「私はナチュラリストでちゃんと専門の先生にかかっていて!!!!」と慌てて仰るのは良いのだけど・・・。ええ、きっとお子さんを思って身体に良いものを!とお考えになってのことでしょう。
でも、それ、1人でやって下さい。
「僕、皆と比べて凄く疲れやすいんです。小さいしさあ。お父さん、大きいほうなのになんでだろうなあ?って思ってた。で、なーんかすぐぼーっとしちゃうんです。いじめられても仕方ないけど、なーんかおかしいなーって。でも、そんなことお母さんに言えない雰囲気なの。肉食べたいって思ってもいいんだよね?」
いいと思うよー。ねえ、お母さん、好きなことくらい言っても良いですよね?息子さん、凄く気を使ってみたいですね。優しい子ですね。お母さんに似たんだ。
恐竜談義で一回目が終わっても良かったんだけど、こういうことってよくある。
何でもない場面だけどお母さんはうるうるして「太ってるのは私だけだから、私だけ肉食べないようにします。」
いやあ。。。それも諸説あるんだけど・・・少なくとも肉食べないと身体のエネルギーは燃焼しないし。あと、大人になっても脳は働いているよ。下手すると、いや、かなりの確率で寝ている部分が目を覚ます。つまりはそれも進化。
脳が変わると生き方も変わる。生き方変えて脳が変わるってこともありき。
うちでカウンセリングとかレイキに触れて、考え方が変わったり、聴覚や視野が広がって来たり、それまで使っていなかった部分の脳が動き出した人なんて、皆一様に「肉が食べたくなる。」って言ってますもん。
あと、もちろんホルモンバランスも関係あるだろうけど、脳も臓器の一つだから、栄養が行かないと妙に悲観的になったり、はたまた不安定になったりもするよ。(まあ、それは肉に限らず炭水化物や糖分や油もそうなのだけど、先述の史実の通り、今も昔も肉食動物の方が脳が複雑に発達していて色んなことに対処出来ているという事実。多分だけど雑食ならさらに良いのかも。)
あとは悲観的過ぎたり同じことしか考えないと脳は萎縮するし、萎縮した脳は人の話聴けないっていう悪循環もあるしね。
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余談だけど、「同じことを繰り返している。」と落ち込むべらぼうに鬱の時期が長い人や、何度も人間関係の同じところでつまづいてはヒスを起こしている人が、全部が全部ではないのだけど、少なくともごく一部にはいらっしゃる。
それは、やり方が変わっていないからというごく単純な理由だということが見つかることも少なくない。
辛い思いをして、「ああ、こういうとき人は辛いんだなあ。」とか「こういうとき、人に嫌われるんだ。」という脳の広がりを見せることもなく、進化&成長をさけているのだとしたら、それは多分誰のせいでもない。
脳の話に興味があるのはその辺り。
自らを治していく人の共通点の一つというのは”知”を持ってそれを用いている人ということでもあると思う。
そして、長引く人のごく一部の人の共通点というのは、自分は既に何でも知っていて、周りが悪いのだと勘違いしていたり、周りをなめてかかっている人だというケースも少なくない。つまりは考えないか、もしくは何十年も同じことしか考えないとか。
どこを進化&成長させるのか?それは生物の個体、それぞれの好みの箇所と方法を選ぶので仕方のないことでもあるとは思いつつも、人間には無限の可能性が与えられている。
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そっれにしても今夜は素敵な月だった。
月のオーラがいつもだったらすぐ周辺に広がっているのに『あれ?無い?』と思ったが。
いつもの十倍ほど遠くまで広がっていたからだった。つまりはいつもよりも大きく大きく照らしてくれていた。
そう言えば今月の新月に心理学を始められた方がいた。
あれからもう月が満ちるほど日々が流れたのだなあ。
この時間の流れのように。
変化しないものはない。
あとは変化の方向を自分で選ぶだけ。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。
今日が あなたにとって良い一日でありますように。

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