2014年02月14日

休日シュミレーションの崩壊

年末年始頃に体調を崩した方々も徐々に治り尽くしたかと思いきや、第二次風邪のブーム。←あくまで自分の近辺だけ。

キャンセルが四件続き。

いいのよ、いいのよ。無理しないで。私は久しぶりに寝倒すかなあ。それともコンディションが良いので溜め込んでいるオーダーメイドでも作ろうか、はたまた恐ろしい数の読み切っていない本を読破するか。20140213.JPG

なんてことを思っていたらまた訪問入浴の上司さんから電話で「ダメ元で!空いていませんか?」。

こんなふうに言われるときってのは大抵ナースさんが突然の体調不良だとか当欠だとかのとき。

そりゃそうだよね。この季節にあんなことやっていたら皆体調崩すわ。

もうこれしょっちゅうなんだけど、いつも堂々と「駄目です。」と言えるのは本当にダメなときだけ。

嘘が下手っぴなので、それ聴いた途端「うおっ?」と奇声を発してしまうのだった。

「ああああ!空いているんですね!良かった!奇跡だ!」

いや、待ってよ。まだ引き受けてないし。今これから嘘を考えるからさ。

爆笑された。

よって、頭の中は石油ストーブでぬくぬく汗すらかく一日から一転して、マンボウズボンで巷を走り回る女になりさがった。

さっむいっちゅうの。重いっちゅうの。きついっちゅうの。

**********

なのだけど、行って良かった。

よく訪問するお宅の昼間だけ独居のお婆ちゃんが何故だか車いすに座ってシクシク泣いていた。

ビックリして「どうしたの、どうしたの?」と背中をさすると「わかんないの。わかんないのよお。」と。

そうか、わかんないのかあ。わかんなくなることもあるよねえ。

でも、ほら、今日は週に一度のお風呂を抱えて来たよ♪思い出した?

途端に笑顔が戻った。「思い出した。あったかくて楽しいお風呂なのよね。」

そしてチアノーゼで青黒くなった冷たい手足がみるみるピンク色に変わって行った。

お体を洗いながら「お昼は何食べたの?」と訊くと「えーと・・・甘じょっぱい鮭。美味しかった!」とますます笑顔になられていた。

「あたしボケちゃったのかね?」

いいや、全然。ほら、エプロンに鮭が落ちてる。ぜんぜんボケてないよ。私はよくボケてるけどね。

四人で沢山笑った。

お風呂あがりは褥瘡の処置をしつつ「凄いねえ。もうほとんど治ってるよ!」と言うと「ああ、そうなの?自分では見えないからねえ。ああ、そうなの。」とさらに笑顔。

きっとちゃんと食べているから治りが早いんだよ。偉いと思います。

「お風呂のせいもあると思うんだけど。」

そうだよね。いつもちゃんと入ってしっかりあったまって下さるからそれも偉いと思うんですよ。

そんな会話しつつのほんの一時間にも満たない逢瀬を繰り返す。

精一杯話す。精一杯聴く。

泣いていても良い。でも笑うときには本当に笑いたいときに。

電気つけて行く?

「そうね。電気とラジオ、つけておいて。夜には帰って来るんでしょ?」

うん、夜じゃなくてまたこうして昼間に帰って来る。

「うん、わかった。気を付けてね。」

誰と間違えていても良い。それはきっと間違いじゃない。

うん、気を付けて頑張って来るよ。

またね。

またね って言える喜びを知っている。

それを何度も失った果てに行きついた今日があるから。

果たされない またね もある。

でも、その日のコンディションで出来る限りの力を振り絞って精一杯具体的に受け止める。具体的に愛する。

きっとまだマンボウズボン履かなきゃいけない時期のうちに帰って来るよ。風邪ひかないでね、○○さん。

*************

夜、管理者の方が「いやあ、今日はありがとうございました。」と仰る。

ただ喋っているだけでも笑いが出てくる面白い青年。出会ってから幾つかの季節が過ぎて今月出世して管理職になった方。

「○○ナースさんが脳梗塞にかかっちゃって。俺、ビックリしちゃって!」

って、今回は笑えない話題だな。

「凄く気を遣う人だったんですよね。もう来れないと思うけど・・・知っている人だけにショックです。」

それはショック。でも、充分あり得る。

若いヘルパーちゃんが「遺伝とかだけじゃなくて気を遣う人もなりやすいの?」ときょとんとして訊いて来るけど、あながち大外れとは言えない。

「じゃあ、俺は大丈夫だ。」

ううん。違うよ。Kさん、あなたは物凄く皆に気を使っているけれど、気を使っていないように見せるのが上手な人。

そして、G君は全然気を使っていないのに、気を使って見せるのが上手い人。

「うわあ、まさにその通り!ばれてーら!」

もうパパさんなんだから、きちんと休んでね。大事にしてね。

と、大事にしようがない企業の人に言うのも何だが。。。

「分かりました。尾崎さんもボケたふりして気を遣う人だから気を付けて。」

・・・・・・・・・。いや、これ、ふりじゃないんですけど。

それはともかく今日もお疲れさまでした。ふう。

**********

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2014年02月07日

手動のラピュタ的温泉宿

今月も4回ほどしか入れられなかった訪問入浴。

しかし、回って来るスパンがものすごーく早いような気がする。

早朝の寒さと外の暗さを見る度に「嘘だあああ。」とおののくのはいつものことなのだけど、一旦出勤してまわり出すと楽しかったり嬉しかったすることも多々あり。

最初は初対面から猫が「シャーーーっ!!!」って言っているような調子だった介護者様が月日や回数と共に語調が優しくなって行って「あら、早かったのね。」と笑顔で迎えてくれることや、褥瘡がグングン治って行く皮膚を見るときや、その他諸々。

笑いが絶えない現場は楽しい。

そこに隠れている病気の悲しみや苦しみや孤独を知ってはいるのだけど、互いに一生懸命ケアしたり一生懸命生きていることが嬉しい。

障害=悲しい

病気や死=悲しい

否。

決してそれらはイコールでは結ばれない。

そこには色んなことがある。

その中には密着した愛やすれ違う人々の愛が山積みになっている。

けれども人間の幸せというものに対する概念やその発想は、時に乏しく貧しい場合がある。

”きっとこうなったら幸せなのだろう”と思うモデルが固定されている人々があまりにも大勢いるし、それは今始まった歴史でもない。

つまり、せっかく年を重ねても、お金や名声や権力や、あるいはそういうふうに見えるものに執着してリアルを見たり感じられない人生や人間性もある。

健康であっても家庭があってもお金があっても、ずっと他者と引き比べて飢餓状態なまま生きるサバイバルは、欲張れば欲張るほど空しくなる。

ある裕福な人は「友達になって欲しい。親しくなって欲しい。」と思う相手を前にして自宅をごそごそ探し回って贈るものを探し続け、一度も目の前には座ったり相対することがなかった。

やがてお茶は冷めて行き、「いえ、要りません。」を言い続ける相手に、しまいには自分が履かなくなった靴まで贈ろうとする。

それは時には使い古したPCであったり現金であったり、新品のプレゼントであったり、手垢のついた手作りのものであったり。食べ物であったり。

そして、何も欲しがらない相手にとうとう怒り出し「生意気だ。」と言った。

モノを通して人を見たり肩書きや権威を通してしか人に触れられなくて、そういう人に会う度に何だか千と千尋の神隠しって映画に出て来た顔無しという怪物を思い出してしまう。

”これをあげる”と言えば愛されると思ってけなげに差し出す顔無し。千尋はブンブン首を横に振って要らないと言うのだけど、やがて怪物は膨らんで黒くて巨大な化け物になった。

そりゃあもう、いくら汚物や人の欲望を吸い込んでも足りなくて、ドンドンドンドン大きな化け物になって行った。

顔無しには自分というものがなかった。

だから人が喜ぶものを見て万人が喜ぶのだと単純に勘違いした。

一方で、ある神様はその温泉場に困って訪れた。余計なガラクタやゴミやヘドロがくっついて「御腐れ様」なんて呼ばれていたが、千尋はその神様をお風呂に入れて痛いトゲに値するものを引き抜くやら素敵なお湯に入れて浄化してくれた。

御腐れ様は御腐れ様ではなかったのだ。ただ余分なものがくっついていただけ。

洗うことで、つまりは浄化することで本当のお姿に戻った。

看護や訪問の世界にも物質や金品がある。普通の現実の暮らしがある。

けれども、どこの世界でも真剣に何かをやっていると、それらが単なる入れ物に過ぎなかったということを知る。

人はそれを人を通して知り、さらに自分の頭で考え自分の心で感じて知る。

中身のある誇りを積み重ねて来た普通の人が暮らしている普通の家。親子、夫婦、嫁姑、様々な関わりや、そこに費やして来た時間やその方々の両の手が愛の具体例。

入れ物が素晴らしいのは、それはそれで良いことだ。

でも、心という中身を忘れたら、その大きなごてごてした入れ物はどこまで歩いても走っても、広大な荒地でのサバイバル。

どこまで行っても悪臭と痛みしか無い。

誰かが誰かを倒そうとかコントロールしようとかいう無意識のサバイバルとは打って変わって。

その大がかりな浄化を続ける看護や介護やカウンセリングやらレイキやらの世界も全く違う意味ではサバイバル、闘いであるとも言える。

でも、そこには、誰かが誰かを思う心が、どしんっ!と真ん中に鎮座して笑っている。

甘えや自意識持っている場合じゃない。人のために考えるってところが違う。(そこで何かを学ぶ。)

熱めのお湯を作ろうとして手が真っ赤になったり汗かいたり人を抱えたり。そうかと思えば厳寒の外で一気に凍りつく身体。

なのだけど、行く先々にお風呂を運ぶ。傷を処置する。お話をする。

ああ、何だかこれってあの温泉場と天空の城を合わせたような移動作業だなあと思う。

で、天空の城ではないので現実的には三人で手と足を使って運んでいるパラダイス。

心がそこにある。

行く先々にも心がある。

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何てことはともかく、いやあ、今日も疲れたな。

そう。これはアニメではないので肉体には限りがある。

よって栄養つけて自分を熱い風呂に入れて癒すべし。

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2014年01月08日

真冬のバスタイム×ことの9

昨日、事務所でAさんとのセッション中に風の音がビュービュー鳴っていて暖房が効いて暖かい室内なのにも関わらず「いやあ、この音聴くだけで寒いですね。」と言い合っていた。ぶるぶる。あー、ぶるぶる。

で、その帰り際、Aさんが「先生、明日は訪問入浴?」とわずかに眉をひそめた笑顔でお訊きになったときには笑った。

かなり早くに先手を取って予約しては頻繁に通って下さっているので「そろそろだ。」とかいうのがうっすらお分かりになるのかも知れない。

そうなんです。今年初の訪問入浴の日なんです!寒そうーーっっっ!と。

あと、10日以上出ていないとほんとにちゃんと仕事できんのか?覚えてんのか?という不安や「ああ、また体力衰えているのに。」と技術などとは別の”できんのか?”という不安が襲って来るのである。

でも、あんまり不安だったり間違いなく大変だと分かっているものが待ち受けているともはや笑えて来るもんで「まーじ、寒そうですよ!でも、頑張って来ます!」と言うしかない。

そうすると帰り際の玄関先でますます心配そうな表情が見えるので「大丈夫、大丈夫!」と言うのだけど。

大丈夫なのか?いや、大丈夫じゃないだろうなあと恐れおののく前日。

で、早く寝れば良いのに、翌日に合わせて最低限のことだけやって終わらせたのにどうしても就寝が1時2時になってしまい、翌日起きるのはまだ外が真っ暗い状況の今日だった。まだ夜みたいやないかーいっ!

ええ、ベランダのバケツの水も分厚い氷と化して空には凍えたお月様が見える冬の朝である。

*************

スタッフの方々は既に3日から稼働していて、それでも年末年始にお風呂に入れなかったお客様が多い故、今日も何だか辛い工程になっていた。

しかも、行ったことのないお宅が三件もあって、これもおののき。

何故ならば病院と違って傷や気管切開部分や胃瘻の部分などの処置が一貫していない上に、大抵は各家庭独特のやり方をしているの全部覚えなきゃいかんというのが大変なわけで。

さらに言うと、大事な人を介護している方というのは見知らぬスタッフが来ると”誰?誰?あんた、誰?!”と不安になったり”がるるるる!”と警戒するものである。

付け加えて私はチビで、パッと見ひ弱な新人的な印象を持たれることが多く「まだ若いのに大丈夫?」と思われてしまう。← 化粧っっっ!が分厚いだけです!若くはありませんっ!とキッパリいうと「あ、ほんとだ。おばさんだ。いや、おじさんのようでもある。」と不本意な誤解の溶け方が達成できる。

そうすると本来ならば利用者様や介護者様の方に気を使わなければならないはずのオペレーターの青年が「おじさんとかおばさんじゃなくベテランと言って下さいっ!機嫌が悪くなると一番おっかないんだから!」と横入りして来るので”あわわわっ、余計なことを言うな。初対面なら好印象キャンペーンが出来るかも知れないじゃないか。”と思うのだが。

「好飲酒(こういんしゅ)キャンペーンならいつもやっているじゃないですか。」と、ええい、またわけの分からないことを。

そんなこんなで初めてのお宅でラポールを築くのは、かなり感じの悪い私にとってはとても大変なのだった

ただ、月日が解決して行く。自分の仕事を一生懸命やっていさえすれば

************

そのうちの一軒。

初めてお邪魔したお宅のお婆ちゃんは物凄く動き回れる人で、中々ベッドに戻って来てくれなくて、いったいいつになったら血圧測れるんだ?もうお風呂のお湯も溜まって来たから早く準備したいんだけど!と内心イライラしていたのだが。

何とかお風呂の準備までには間に合って無事に入ることが出来た。

うにゃうにゃ、ごにょごにょという発音で何を言っているか分からないし、気が向かないと返事もしてくれない。

ところが、帰り際、お誕生日が近かったその方に「これ、私たち皆からです。」と小さな干支のぬいぐるみとメッセージカードを渡すと、「うにゃあああ!可愛い!めんこい!ありがとう!ありがとうねえ!」と、何度もその可愛い小さな馬を撫でている。

そしてメッセージを何度も何度も読み返している。

片づけしている間の数十分間、「え?まだ喜んでんの?」とビックリするくらい満面の笑顔で涙浮かべて幸せそうになさっていたので、胸をぶち抜かれた。

来て良かったなあ・・・・。お誕生日近い人全員に会社で渡しているぬいぐるみに過ぎないのに、こんなに綺麗な心を向けられると、もうほんとに感無量になって来て良かったと思ってしまう。

****************

いやあ、しかし、期待を裏切らずやっぱり寒かったよ。薄い既定のユニフォームの下にヒートテックを重ねたり、カイロを貼ったり、コンビニに出るときには必ずダウンを羽織っていたものの、繰り返される湯冷めの恐怖だった。

でも、やっぱり多分また行くだろう。

この手を使いに。

少しでも役に立てるように。

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2013年12月27日

クリスマスカード / ほんとの聖者は

今日は今年最後の訪問入浴の出勤日。

こんなしんどいこと、まだ続いとるよ。でも、その収穫が大きい上に、さらなる学びの日々でもある。

ところで、この営業所のクリスマス大作戦は大盛り上がりだったらしい。皆がサンタやトナカイの帽子を被ってクリスマスカードを渡したり記念写真を撮ったりすると、半端ない喜び方をして下さったとのこと。

それが分かるのは、クリスマスもとっくに過ぎた本日、行く先々のお宅で、それをお爺ちゃんやお婆ちゃんが物凄く嬉しそうに語って下さったから。

お爺ちゃん、お婆ちゃんというと何だか可愛い感じがするかも知れない。障害をお持ちの方と書いても何だか弱っている人のように聴こえるかも知れない。ええ、もちろん確かに可愛い。それにもちろんお辛い身体症状はある。

ところがどっこい、彼らや彼女らは相当な猛者なのだった。人生の酸いも甘きも知る知識人。さらに言うと認知症の方ですら大きな学びを私に下さる。

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中でも印象的だった午後二番手のお婆ちゃん。

昼間は独居で、車椅子に座らせられてひらすら庭を見ながらラジオを聴いている。

それ以外には何もない。

実はこの方、2〜3年前のある日、初めてお顔を見たとき「あら!」と内心叫んでしまった相手。

昔自分が勤めていた病院に入院していたことがある患者さんだったのだ。

しかし、私はたった二回の夜勤を共にしただけで、その後、その方は長期療養型の病棟に移されてしまった。

それまでの急性期の病棟にいらした二日間は、24時間三分置きほどにナースコールを鳴らして来るので正直辟易していた。

呼ばれて言っても特に用事はないと仰るし、両日とも大怪我で運ばれて来た人や、急を要する重病人の方々を含めておおよそ50人の患者さんをたった二人で看ていたからだ。

相方は「もういい加減にしてよ!」と切れるし、もちろん私も同じ気持ちだった。


ところが、今は分かる。

あの時とは全然違う顔をしているその人を見て。

とっても穏やかなのは、自宅に居るからだ。

そして、半狂乱でナースコールを押し続けていたあの日、認知症を抱えつつも彼女は、一生懸命一生懸命、誰かを呼んでいたのだ。

そして、数年後、訪問入浴で再会してからこの先、彼女が決して認知症でないということが分かった。いや、確かに認知症は認知症なのだけど、世間一般で思われているようなそれではないということ。

いつも庭の方に向けた車いすに一人ぼっちで座っている。

そして今日は、はっ!としたようにこちらを振り返り「あ、尾崎さん。この間、皆にクリスマスカードを貰ったのよ。」と尋常じゃない喜びの笑顔を見せてくれたとき、泣きそうになった。

***********

仕事関係ではなくて、プライベートでちょいちょい飲みに行く店で知り合った二人がいた。

職業は看護師さんと教師である。

まあ、最初のうちは話が面白かったのでこうしてちょくちょく飲み、忘年会をする運びとなったわけだが。

彼女たちは私の職業は知らない。まあ、もっとも飲み屋という場所で自分の肩書きの話なんてしても仕方ないだろうってことで。

そんで、お二方に共通するのは、どんなに苦労してその職種についたか?ということ。「親の期待に応えたのよ!」と。出たよ、これ。

期待に応えるまでは立派だなあーと思うんだけど、それも自分自身の選択なんだから40や50にもなって被害者ぶったり関係ない他人にやつあたりしちゃうのはどうかなー。

そんな折、ナース側の人が何を思ったのか私の職歴をお尋ねになったので正直に普通に答えたのだが、お二方とも驚いて「何で今まで言わなかったの?」と仰るのだけど、言う必要もないし。

回を重ねるごとに聴いていて「何だか、違うなあ。なーんか、どっかがつまんねーなー。」と思い初めていた自分の気持ちが分かった。

私が尊敬してしまうし愛さずにいられないのは自分の浪花節を押し付けて、自分が如何に偉いか?如何に自分が何でも知っているか?ということをひけらかす人じゃない。

自分の人生に責任を取れていなくて他人のせいにし続ける人でもない。

おそらくなんだけど、他の人も、胸にずしんと来るのは、肩書きの話でもなければ自慢話でもない。(まあ、損得勘定だけで人間関係を構築している人は別だろうけど。)

そうだなあ。私が好きなのは・・・、落ち込んでいる友人に向かって、ちょいとお願いしただけで、全身全霊で北の国からの物真似をしつつ、大切なことを、これまた全身全霊で伝えようなんてことをする人だ。

少なくとも自分は凄いんだぞー、苦労して来たんだぞーと無理やり不幸比べをする人ではなくて、満身創痍、捨身で物真似をしてくれるような人のことだ。(笑)

でもって、ここが大切なのだけど、その方と、辛いことに向き合えないための馬鹿騒ぎや大はしゃぎのみをしている人とは似ていて非なるもの。

がっつり向き合って真面目な話もとことん話す力もあるのだけど、たった一人の閉鎖的なカルチャーを振りかざすことのくだらなさも知っている人。そればかりやっていると相手や周りがどんな気持ちになるか?ということも学んで来た人。

だからこそ真面目なのだけど、プラス、物真似にも真剣にも手を抜かないまま大事なことを話してくれるとか。

笑うことと笑わせることの愛を知っている人。

私にとっての敬愛する人は、いつでも決して聖者じゃない。怒ったり泣いたり笑ったりと人間的で。

その上、自分の心を裏切らない努力をしている人のことなのだなあと思う。

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2013年10月25日

何故何故?は楽になってから / まさかの流血沙汰

長いこと闘病していた方が、このセッションで「こつん!と楽になった。」と仰った日。

しばしばあることなのだけど、やはり嬉しい。

こつん!と?と笑いながら訊きかえすと「はい。こつん!とから2週間。そりゃ全てが上手く行くわけじゃないし、これからも大変だとは思うけど、自分で躓くところが分かったから。」と仰った。

でも、その後すぐに「どうしてでしょ?」と仰るので”何が?”と訊き返したところ、「いや、だから楽になった理由。」と返って来たので笑ってしまう。だって、今ご自分で”自分の躓くところが分かったから”って仰ったじゃない。

「あ、そか。じゃ、何で自分のパターンが分かって楽になったんだろ?気が付き始めたのは一年くらい前だったのに。」

うーん、吐き出し切ったのかも知れないね・・・と目線が上に行ってしまうのは、繰り返して来たカウンセリングの日々を思い出すから。

そのほとんどがカウンセリングとレイキのセットメニューだったのだけど、色んな時代を一緒に行ったり来たりしていたなあ。

とにかく楽に自分らしくなれて良かったので、ツールは何でも良いのだけど、それでも。

良いことに関する何故何故だったらいつまで続けても面白いなあと思う。

****************

またレイキで思い出したのだけど。

そしてこれまた訪問入浴の工程中の出来事。

色んな条件のお宅を出入りするのだけど、その日の午後一番にお邪魔するお宅が、特にオペレーターさんだけが過酷な思いをするお宅だった。

時にはお宅の給湯を借りたり、時には車からホースを引っ張ったりと色んな条件下で作業をするのだけど、そのお宅はマンションの一階の端っこにあるので、そこに車を出来る限り近付けて駐車して、そこからホースを引っ張って来るという作業だった。

しかし、このお宅の場合は、このマンションと駐車位置との間に高いブロック塀があるという条件。

大抵ナースだけをマンションの入り口で降ろして玄関から訪問させ、オペレーターさんとヘルパーさんだけがもうちょい車に乗ったままで奥の塀のところまで進んでは、お二方がその高い塀を乗り越えて来るというスタイル。しかも、様々な重い荷物を背負ったままで。

でも、私はこの塀を越えることを面白がって、いつも一緒に奥の方まで乗って行く。

昇るときも怖ければ飛び降りる時も怖いのだけど、彼らや彼女らがやっていることを一緒にやってみたくて。

初めて一緒に同乗するオペレーターさんだとやはり一度マンションの入り口で止まって「降りて下さい。」と仰るのだが、「あ、大丈夫。私、いつもここ、一緒に行くの♪」と答えると「え?まじで?大丈夫っすか?」とチビのおばさんである私を気遣ってくれるのだが、やはり一緒に行く。

一番最初によいしょっ!と登って乗り越えて、向こう側からヘルパーさんのバッグや機材を受け取るのが好き。少しでも楽に登って貰えるから。

「重いポールを抜きたがるし、塀を越えたがるし、変わってますね。」

しかし、私なんぞはこの昇降を行きと帰りの計二回やるだけで済むのでお気楽なものだと思う。オペレーターの方々は利用者様がお風呂に入っている間、何度もこの塀を乗り越えて車とお宅を行ったり来たりするわけだから。

というわけで、実はこのお宅の、この塀のところで負傷したオペレーターさんを今まで沢山観て来た。

こんなお仕事している方々だから比較的身体能力が高い人が多いのだけど、あまりに行き来の回数が多い上に急いでいるもんで、時には肘を打撲したり足をくじいたり。

何せ相手はブロック塀だから皆『ぐわああああ!』と悲鳴をあげている。まあ、打撲が多いんだけど、時には擦過傷とかもあり。

しかし、今のところ、重症者は居ない。

一度「絶対、俺、腕が折れている!」ともがいている人もいたが、結局無事だった。

そして、その日は独り立ちしてから数か月の若いオペレーターさんとの同行で、お風呂も無事に終わったので、利用者様にお洋服を着せていたところだった。

こうしてナースがお洋服を着せさせていただいて血圧やお熱などを測ったりして記録している傍らでオペレーターさんとヘルパーさんが浴槽を外に出したりホースを巻いて片づけたり床を綺麗に拭いてくれたりしているのだが。

利用者様と和やかにお話をしながらこちらの仕事をしていると、何やら玄関の方で彼と彼女がヒソヒソヒソヒソ話している。

そのヒソヒソがいつまでも止まないので”どしたのかな?何やってんのかな?”と多少疑問に思っていたのだが、しかもそのヒソヒソが、何というのか・・・段々激しいヒソヒソになって行っている。

しいて言うならヒソヒソ声で叫んでいるような。

利用者様が「な、なんか言ってるよ。」と気になさるので、”ああ、大丈夫、大丈夫。さあ、こちらのお袖を通しますよ。”なんて答えていたところ、とうとう普通の大声が聴こえて来た。

「ダメだよ!やっぱり尾崎さんに言った方が良いよ!」と。

「ううううう。そうだな。お、お、尾アさんっ!」

すると利用者様が「やっぱり呼んでるよ。」。

ああー・・、じゃあ、途中ですみません。すぐ戻ります。と言ってお体を衣服で覆い、玄関の方へ行って見て、絶句。

一昔前のプロレスラーのように、頭から顔にかけて血をダラダラ流している青年が立っている。

ど、ど、どうしたのっ!?

「いや、あの、そこで頭をぶつけちゃって・・。」と言いながらもその手は一生懸命ホースを巻いている。

ダメだから!

すぐ座って!で、これでしばらく圧迫していて!すぐ戻るから!

そんなわけで慌てて戻りお洋服を着て貰ってバイタルを測って急いで記録して・・・なんてことをしていたのだが『だ、大丈夫?』と利用者様が首を伸ばしている。

ああああ、大丈夫です!見ちゃダメです!

それから急いでヘルパーさんと機材を運びだしお暇している間、「意識、しっかりしてる?すぐG君に連絡して、ここから先の工程は回れないって報告して。無理なら、これ、運び出してから私がする!」。

で、結局かなり遠方の営業所から他のオペレーターさんが来てくれてタッチ交代となったのだが。

「これは、その、例の気功の一種じゃしのげませんか?」と言われてずっこけた。

レイキで外傷をすぐにってのは無理ですから!

かと言って最寄に病院は無いし、何とか早く営業所へ戻って、運転手をタッチ交代して次のお宅へ行かなきゃならないし、それはそうと、包帯もガーゼも消毒薬も無い。スタッフ用の備品が無いってのはおかしいわ。今度から自前で持ち歩こう。

結局近くの薬局まで何とか頑張って貰ってそこで消毒薬やガーゼや包帯などを買ったのだが、その支払いをしている最中のレジのところへ財布を持った血だらけの男が「あ、すみません。僕、お金払います。」なんて言って駆けて来るものだから、薬局のおばちゃんが「ぎゃあああああ!」と悲鳴をあげた。は、走るな!動くな!車に乗ってろ!

何せその時には服まで血が達していたから。

でも、丁度そこに椅子があったので”すみません。ここで処置して良いですか?”と訊くと青ざめて「ええ、ええ、良いですよ、良いですよ。」と言ってくれたおばちゃん、ありがとう。

それから営業所へ着いた頃には無事に止血し、病院へも行って貰って事なきを得た。

しかし、あの混乱の最中とは言え、あの状況でレイキは?と言われたときにはビックリしたわ。

この日から私は仲間のために救急セットも作って持ち歩くことにした。

「お、大きな荷物ですね。」とよく言われるのだが、「うん。」と短く答える。

目に見える治療道具とレイキと両方あった方が良い。

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2013年10月23日

おいそれと触るものではない のだけど ついつい

数週間前、訪問入浴の仕事で人間様を抱えたり中腰で鬼のように連続で洗髪を行うという日々の中、とうとう腰を壊したMMちゃん。

それからコツコツと整体へ通って治癒したとのこと。

相当な日数を仕事に費やしているらしいのだけど、よくぞ勤務に穴を開けずして治したもんだ。若さって凄い。いや、若いとかそういう問題じゃなくてその根性が凄い。

とは言うものの、無理は禁物。

しかし、その治癒したての日、同乗したオペレーターさんがガタイが良くて力持ちのOさんだったので胸をなでおろしていた彼女。

実は私もほっとする。でないと、若い人の身体を痛めてはならぬ!と自分が代わりに力仕事をするはめになるので。

でも、Oさんなら大丈夫。少なくとも極端な力仕事の場面ではナースである私の出番は無い。

この、先日腰を痛めたMMちゃんだが、外見は芸能人ばりの凄い美人である。しかし・・・なんでなんだろ、周辺にこういう人が多いのは。こんなに美しいのに、中身はオヤジである。

Oさんと私と一緒で嬉しいと言っては、朝からテンション高く、ちょっとしたことでも爆笑したり多弁であったMMちゃん。

で、車の中で三人で昼食のお弁当を食べた後、隣のOさんに向かって「あ、ちょっと!割りばしに爪楊枝入ってませんでした?」と、わざわざOさんにゴミあさりをさせてまでシーハーしているし。

おまえというやつは。

そして、午後一番最初のお宅へ行ったときのことだった。

奥様は一階のリビングにいらして、二階の部屋のベッドで常時寝ている利用者様のお宅へ行ったときのこと。

色んな荷物をよっこらせ!と持って辿り着いたその二階の部屋で、お久しぶりにお会いしたN男さんが寝ているのは良いのだが、ギャッチアップしているベッドから身体が下方にずり下がっていて、首のところで折れ曲がっている。

な!大丈夫ですか!苦しいでしょ!?と駆け寄った次第。

この方も病状故発語は出来ないものの、昔かたぎのお爺ちゃんで始終しかめ面。で、時折、スタッフにパンチを食らわせるような人なのだが。

駆け寄ってベッドを平らにして、渾身のの力を込めてその巨体を上の方へと持ち上げてずらしたら、やっと楽な姿勢になられた。

大丈夫?楽になった?!いつからだったの?と尚もしつこく心配していたところ、次の瞬間、そのN男さんが物凄い満面の笑顔を見せてこくこく頷いた。ありがとうってことなのだろう。

確かに滅多に観れる顔じゃないので私もつられて笑ったのだけど、少し離れたところにシートを敷いている最中のMMちゃんが「ぎゃははは!N男さん!」と大爆笑した。

そして次の瞬間、MMちゃんの笑顔が凍り付き、そのまま床にうつ伏せに倒れてしまった。

な、何?今度は何?さっき、爪楊枝でシーハーしていたのに、何で、利用者様のお宅でいきなり寝るんだよ!

もう不可解なので放っておいてN男さんの血圧などを測ろうと思ったのだが、今度はそのうつ伏せになって動けなくなっているMMちゃんから「ぎゃあああ!痛い!笑い過ぎて腰がつったっ!ぎゃああ!」と騒ぐ声がする。

・・・・・・・・・。おまえってやつは。

こういう作業というのは色んなお宅を順繰り回らなければならないので制限時間が限られている。

患者さん側には色々やらなければならないこちらの仕事があるものの、せっかく敷かれた防水シートの上に、あのスレンダーな女がいつまでも直立不動の姿勢のままうつ伏せになっていたのでは、その上に浴槽が置けない。

O青年は「ど、どどど、どしたらいい?さすれば良い?さすってもダメか?」

「いや、放っておいて!触らないで!いたたたっ!」とMMちゃん。

ちょっと、Oさん、良いから!その女、足で横によけてから浴槽置けば良いから!と言いたいところだが、どう考えてもここから先が困る。

仕方がないので横にかがみ込むとOさんが場所を空けてくれた。

まったく腰痛めるほど笑うなよ。

と言っている間に、もうこの子のことがおかしくておかしくて、こちらまで爆笑してしまうところが悔しいのだが。

手のひらで触診してみると、腰は腰でも右寄りの方だということが分かったので、うつ伏せになっている彼女の右腹と床の間に右手の平を上に向けて入れて、そして右腰の上に左手を置いてレイキをあてた。急いでいるときには挟んで充てるのが一番効く。

深呼吸して。

すると「あつっ。尾崎さんの手、熱い。何してんですか?」と騒ぐので、いいから、息吐いて!一分で治るから!と答えた。痛めているから温かいというよりは熱く感じるのよね。

レイキと言うと色々な誤解を招いて面倒臭いので「外気功という気功の一種だよ。」と説明したところで「・・・。あ、治った、もう痛くない。」と起き上がった。「今の何?」。

だから!気功の一種だってば!痛くないなら早く浴槽準備しろいっ!


そして、その後・・・・用心のために結局私が抱えの係になった一日だった。またかよ。

しかし、色々ある珍道中なので、何かある度に「あ!待って!落ち着いて!静かに笑うんだ!後が面倒だから!」と何度も釘を刺した一日だった。

***************

とあるお宅にアルパカのぬいぐるみが置いてあって、介護者であるお母さんがMMちゃんとそのアルパカが似ているということで「アルパカちゃん」と呼びだした。

確かに、まつ毛が長くて優しげな美人でアルパカとかキリンさんとか、そんな感じ。

そして、やっと最後のお宅に着いた。

このお宅の女性は、先日お会いしたとき、とても悲しいことがあって訪問している間、ずっとずっと泣いていらした人だった。

大分前から流動食しか食べれていなくてガリガリで、特に先日などは肌が乾燥しきっていて皮がむけている状態だった。あきらかな栄養不足。

ところが、今日お会いしたところ、もちろんそんなに急に太りはしないのだけど、満面の笑顔だし、肌が艶々している。

あら!Fさん!どーしたの?今日、肌つるつるに戻ってるじゃないっ!

「いやあ、この間はありがとうね。私、このままではいけない!と思って、エンシュア飲むばかりじゃなくて、肉豆腐とシチューを食べたよ。あと、葡萄も食べたの。ほんとに、このままではいけないと思えたの。ありがとうね。」

確かに具合が悪いときに人に食え食え言われるのは辛いばかりだけど、自分で食べよう、何とかしようと思えないとこうは行かないものだよね。

まだまだ痩せ細っている身体だけど、それを聴いて、嬉しくてウルウルしてしまった。

そこへ、MMちゃんが重たいヘルパーバッグを持って登場し「F山さんー。こんばんわー。」と言ったその時。

何と、病人であるF山さんと私が同時に叫んだのである「なんだ!その裏声はっ!」と。←何度も訪問しているので、MMちゃんのキャラは既にF山さんにばれている。

そう叫んだ後、また三人で爆笑してしまったのだけど、「あ!思い切り笑っちゃダメだってば!」とまた制止した。

「え?どうかしたの?」とF山さんが仰るのだが、介護される側の方に腰を壊しているなんてことを言うと気を使われるので、「何でもないですよ。それにしても何かが憑りついているような声でしたね、この人。」と言ったのだが。

すっかりふざける元気が蘇ったF山さんが「キツネ憑きかね?」と追い打ちをかけているので、「いえ、どうやらアルパカに憑かれているらしいです。」と答えたところ、また爆笑。

「あ、アルパカってあんまり恨まなさそうに見えるけど?!」

ええ、その可愛いアルパカに憑依されるくらいだから、どんだけ弱いんだって話です!

そんなこんなで夜がふけてお宅を出る頃、「ああ、もうすぐ週末が来るから憂鬱だけど、また一生懸命食べるわね。」と言ってくれたF山さん。

アルパカやOさんと共に「また来ますからね。また来ちゃいますよ。」と繰り返し言いつつお宅を後にした。

****************

気になっても無理もないことだが、後にまたレイキについて尋ねられた。

そりゃ急に筋肉が柔らかくなったり痛みが取れたりするのは、凄く不思議に思っても仕方ないよね。

でも、レイキは、上手く使いこなせるようになると、ちょいとしたものなら痛みや炎症ですら押さえてしまう。

そして、突然、私の手をガっ!と掴んで来るので「今度は何っ?!」とまた怒鳴ってしまったのだけど。

「おかしい、さっきは熱かったのに、普通の手になっている。何で?」とやはり質問され続ける。

ネットで調べて見てっていうのが昔は簡単だと思っていたのだけど、昨今は誤解を招く解説も多いから何とも言えないなあと、少し困ったのだが。

とりあえず簡易的にアチューメントをして、「整体や整形にもきちんと通い続けて欲しいけど、これからは、それプラス暇があれば、自分の両手を腰にあてて過ごしてみて。」とお願いした。

すると、さっそく腰に手をあてていた様子が後ろからうかがえたのだが、「お、おお。何、これ?」と疑問は永遠に続くようだった。

まあ、楽になれば何でも良いじゃないっすか。

私も疲れたから帰ったら癒そう。(その方が今日のような緊急時にも効きやすいし。)

しかし、しばらくすると「あうー。尾崎さん、しばらくすると効かなくなっちゃったんだけど、どうして?」

丹田が落ちてないからだよ!と答えてすぐにしまったと思ったのだが後の祭りだった。また説明しなきゃいけなくなるじゃないか。

身体だけに効くものではない。そして、腰が痛くなるのは、実は重いものを持つからという理由だけではない。

そんなエネルギーの世界や気質のことを講座外で説明しよとすると、いつもこうなってしまうので出来れば避けたい今日この頃でもあった。

でも、重ね重ね、良くなればそれで良いじゃないかとも思う今日この頃。

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2013年10月11日

ぐきっ!と来る看護

いつぞや訪問入浴へ行った際、連続して共に同乗していたヘルパーの女の子が腰を痛めた。

いきなりぐきっ!っと行ったわけではなくて、時々ではあるものの、ずっとその仕事ぶりを見ているので分かる。あれはジワジワ、ジワジワ人間を抱える度に痛めて行った様子。

オペレーターさんはどう考えても普通の青年たちよりも力持ちなのだけど、やはり比較の差があって、一番最初にずば抜けて力があったり技術があるオペさんたちと仕事をしてしまうと、それより少しパワー不足の人と組んだときに「お、重い!」と感じる。

で、彼女は一週間ばかりややパワーの劣るお兄さんと共に人間を抱え続けていたそうなので、ついにやっちまって毎日整体に通っていると言う。

じゃあ、力持ちで技術があるベテランさんたちが壊れないか?というとそうでもなくて、知る限りでも恐ろしく怪力のベテランさんたちが一度はぐきっ!というのをやっている。

何が凄いのかと言うと、普通ぐきっ!となったら激痛で騒ぐと思うのだけど、必ず抱えている人をそーーっとベッドもしくは浴槽の担架に降ろしてから崩れ落ちたり「いてててっ!やべっ!やっちまった!」となっているところ。

女性の方はジワジワ痛めて、男性陣はいきなりぐきっ!と行くケースが多いのは、やはり力を過信してしまうせいなのか、思い切りが良いせいなのか。

で、彼女が腰を痛めた後は力持ちのベテランオペさんと同乗するようにシフトが組まれていたようだが、何と、そのベテランさんもぐきっ!をやってしまった。

この業界では珍しいことではないのでもはや驚かないのだけど、先日、ふと疑問に思った。ええ、朝から。

ちょ、ちょっと。何で腰を痛めているペアと同乗するはめになってんだろ?と。

おかげさまでその日とその翌週と、二日間頑張ったわ。久々に人間を抱えることの連続。

軽い人も居るのだけど、寝たきりの人やご病気の方って往々にして体格が良い人が多いのよね。

私が抱えに入る前に、腕まくりしたり、ズボンの裾をあげる動作をする度に「いいですって!私がやりますって!」と言うのだがそういうわけには行かない。

しかも、こういう日に限って、鬼のように重い石のポールが立っているマンションのお宅もあったりとか。

あの岩石みたいなもんを地面から引き抜けるようになるまでに確か私一年くらいかかったのよね。で、元に戻すのも大変なんだ、あれ。何もあんなに重い通せんぼうをしなくても良いのになあ。

前の座席の男女とも「いいですっ!ナースさんがそんなことしないで下さいっ!」とワーワー叫ぶのだけど、二人とも腰痛なので迅速に降りて追いかけても来れないという状況だった。

この夏、精神的に悲しいことがあって、そちらに気をとられていたのだが、「あら?そう言えば、この筋肉痛、一週間くらい続いているけど何だったかしら?」と思っていたアホな私だった。

「腰、痛めてませんか?」と後日メールをくれたのだけど、だいじょびみたい。不思議だわ。

いや?ちょっと痛いかな。

ヨガで伸ばしてレイキで流さねば。

******************

そして今日も覚悟して行ったのだが、やはり先日腰を痛めたベテランオペさんと同乗。な、なして私を選ぶか。シフトつけてるのあなただって皆知ってるよ。

しかし、本日はヘルパーさんが女性ではなくて男性だったので安心。痛がっている彼にとってもこの新人さんは非常に頼りになったと思う。

「僕、ずっとコルセットつけてるんでウエストがくびれて来ちゃいました。」と例のNさんという方のお宅でG君が言うと「気持ち悪りーな!おまえ!」と怒鳴るN爺ちゃん。

それで私が「あー、ほら。Nさんちに来るときには若いヘルパーさんじゃないと機嫌悪くなるからダメだってばさ。今日なんて男二人とおばさん一人だから、見てごらん、こんなに怒っちゃって!」と言う。

すると怒号が得意なNさんが「いやいやいや、美人の尾崎さんが来てくれて嬉しいよ。何言ってんの。」と吹き出すので

「Nさん?目を見て言って下さい。」と突っ込むと今日も爆笑して下さっていた。

それにしてもコツだけでもダメで力だけでもダメで。そして極限でも頭が働いていないとダメなこの仕事。よく続いているなあと自分にも皆にも思う今日この頃。

身体中が痛いNさんはただでさえ昔の日本男子なのに、あの歯の無いお顔でカカカカッ!って笑ってくれるのを見ていると凄く嬉しくなっちゃう。

で、不思議だよね。

この方は認知症なんて微塵もない方。

それなのに今日も不思議なことを仰っていた。

突然ベッドから頭を起こして「おいおいおいっ」と怒鳴るので「どしました?」と訊くと「玄関が開けっ放しじゃないのか?」と。

「いえ、ちゃんと閉まってますよ。」

「今、猫が通っただろう、猫が?」

もはや笑ってしまう。

白ちゃんはNさんちのお宅まで散策しているのかしら。

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2013年09月28日

天使の子

フラワーエッセンスの発送が諸事情によって遅れています。ほんと、すみません。

でも、是非ともやらせて下さいね。お待たせするのは心苦しいのですが、もう少しお待ちいただけるとありがたいです。

そして皆や皆のご家族やペットさんや色んな存在が楽しく人生を謳歌できますように。

結局のところ、白ちゃんに何か絶大なものを教わった私は。バージョンアップするのだと思う。

おまけに未だに手伝ってくれているような気もしたりして。

白ちゃん、ごめん。

****************

昨日、訪問入浴で訪れた女の子の家は二度目の訪問だった

確か一番最初は、小さな彼女がまだ訪問入浴を始めて二回目のとき。

でも、同行したオペレーターさんがその初回のときに行ったことがあるとのことだったので、車の中で詳しく前情報を教えてくれた。

人工呼吸器がついていて、指先のわずかな動きで文字盤に短い言葉ならば入力できる。

首がとてもぐらついているので、抱え時にも入浴の最中にも非常に注意が要されると。

訪問してみるととても可憐な可愛い子だった。

意識はクリアで瞬きや眉間に皺を寄せることでこちらの質問にお返事をしてくれる。

三人の中ではナースだけが終始利用者様の傍を離れない役目なので、体温を測ったり血圧を測ったり、ちょっとしたことを話しかけたりいていたのだが、何となく怖がっているような感じだった。

あれ、怖い?ごめんね。おばさん、よく怖がられちゃうんだよね。魔女みたいだって言われたこともあってね、あんときゃ、がびょーんっ!

すると後ろから「あ。Mちゃん。そのお姉さんね。僕らでも怖いから気にしないで怖がってて良いよ。」とか「でも、本当は優しいんだよ。」とか。

本当はって何、本当はって。と、後ろを振り返ると顔に冷たいものが触れてぶぶっ!という音が聴こえた。

観ると、Mちゃんが笑いを吹き出して物凄く素敵な笑顔になっていたところだった。唾飛ばしてくれたけどね。(笑)

そして、文字盤に”まじょじゃない ようせい”と書いてくれた。あらま。その漢字が妖性でないことを祈る。

でも、そのお宅を後にして車で走り出したとき、オペレーターの男性が「なんか、なんか、せつない。」と呟いた。悲しそうだった。

彼は基本口数の少ない子なのだけど、何が言いたくてどんなことを感じているのかがよく分かった。

私も一般病院ばかり勤めていたからこの業界に入って初めて障害のある子たちの実際に触れた。で、当初やっぱりビックリしたりせつなくなるようなこともあった。

でもね。違う。

彼女たち、とても幸せなのだと思う。

お母さんやお父さんの様子からして思う。

そして先日訪問した際には、帰り際、一枚の紙をお父様に渡された。

それは、Mちゃんが学校へ行っている間に付き添って貰うための看護師さんを急募しているというちらしだった。おそらくはお父さんの自作。

人手が減ってしまって、今、とても困っているというお話だった。

ああ、私が着いて行ってあげられたら良いのに・・・と思ったが、訪問入浴ですらたまにしか来れないんだから無理だよなあ。

お仕事は、学校で必要時に痰を吸引したりオムツを換えたり、一緒に給食を食べたりするような業務。

「そうですよね。他にお仕事している人には無理ですよね。」と仰った後、「でも、万が一お知り合いで週に一回でもやって下さるという方がいらしたら教えて下さい。お願いします。」。

このお父さんもお母さんも我が子のためにいったい幾たびこうして頭を下げて来られたことだろう。

しかし、私の知っている同僚たちは外科畑が多いし、障害のある方の付き添いを敬遠するだろうなあ。難しいなあ。

慣れてみれば、お子さんだから成人の着脱やオムツ交換や吸引よりずっと楽だし、意志の疎通も図れる賢い子なんだけどなあ。

「それでもいちおうお願いします。」

そして、後に知ったのだけど、この一枚のちらしから、彼女のことやご両親のこともよく知るきっかけになって。

なんとまあ、わが子のために強く雄々しく戦って来たご夫婦なのだろうか。

彼らは、人に何と言われようが気にしない。我が子のためならと、色んな活動を手広くやって来られた方なのだと帰宅した後、知って、涙が零れた。

ああ、時間が欲しいなあ。

ちょっとした助け合いで人は生きて行く力を得ることも多い。

色んなことをグルグルと考えた出来事でもあったのだけど、この可憐で強い、小さなファイター・Mちゃんのちらしを我が事務所にも貼っておこうと思う。

皆が愛する人と共に末永く幸せに暮らして行けますように。

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2013年09月27日

花の鎖で冠を

カウンセラーズトレーニングの会が24日で、既に感じ取ってはいたものの、その日の終了後の夜に悲しい現実を受け入れて。

そして昨日はパンパンに腫れた顔のままカウンセリングやコンサルテーションなどをして。

で、昨日の夜、ふと思ったのだけど。

稀に大号泣して眼や顔が腫れることはあっても、翌日の夜くらいには腫れが引くはずなのに、どうしたことか、そのまま浮腫みっぱなしだった。そして身体が地に沈んで行くかのよう。

と思ったら、PMSに突入かい。ズドーン。。。

で、今日は訪問入浴かい。出来るかっっっ。

もう、どうでも良いわと思いつつ前に進む。良いのか悪いのか怖いものがドンドン減って行く。よって出勤。

*******************

なのだけど、ずっと続けていることって、カウンセリングだろうが訪問入浴だろうが、こんな時にですら、それなりに出来てしまう。身体が覚えているし脳の回路が癖付いているから。まあもっともそうなりたかったから続けて来たわけで。

そしてやっぱりやって来て良かったなあと思う。

お体が不自由だったり気持ちが塞ぎこんだりするような病状で待っていてくれる人たちが、物凄く嬉しそうに話しかけてくれる。

重いナースバッグを肩から下げて部屋の引き戸を開けるなり眼が合い、ベッドに臥床したままニヤリと笑う人も居て、出会い頭に吹き出してしまう。

このお爺さんは、全身の中で肘関節の一か所くらしか動かせない上に常に身体中が痛いというのに、「お。ここのところ会えるスパンが短いな!三回連続で会えたよ!」と叫ぶので「まあ、そんなに嫌そうに言わなくても。」と言うとゲラゲラ笑って「イタタタッ!」と叫ぶ。「嬉しいって言ってんだよ。嬉しいって。」

最初はむすーーっとしていて怖くて感じ悪い人だなあと思っていた2年前。

でも、今では、突っ込み合いの連続。

今日は可愛いヘルパーさんを連れて来たよ!

「おお、尾崎さんの半分くらいの歳の子だな!いいね!」

半分以下だよ。って、こら。

そしてまた笑うと身体が揺れるので「アイタタタッ!」と。

お風呂上りには、綺麗なオムツや浴衣を着せさせていただいて、褥瘡の処置をしたりカテーテルの消毒などをした後、私はわざと可愛いヘルパーちゃんの名前を呼んで「ちょっと、Mちゃん、Nさんにリップクリーム塗ってあげてくれる?私、その間血圧測ったりするから。」と言う。

もう慣れているので自分でやっても充分間に合うのだが、そう言うと、この方がとても喜んで下さるし、楽しそうにふざけるので。

案の定、ヘルパーちゃんに向かって「Mさん、自分の口に塗ってから俺にチューしてつけるんだよ。」と言うので、すかさず、「あら、Nさん?おかしいわね。何で私には一度もそういうこと言わないの?」と突っ込みを入れると、また喜んでゲラゲラ笑ってくれる。

はい、どんどん言って。私、どんどんひがむよ。

「イテテテッ。Mちゃん、もうこんな仕事止めて午後は俺と一緒にディズニーランド行こうよ。あとは尾崎さんとG君の二人で回って貰えば良いじゃん。」

いいですよ。私、アトラクションの中のキャラに混じってますからね。あ、あと、何か食べ物買うときも気を付けて。売り子に化けてるの、私ですから。

そんなこんなで、痛がる人を大爆笑させたりしてワーワー言いながらも沢山の処置をして一時間弱もしないうちに去って行く私たち。綺麗にして、シーツも服もピーンと伸ばして、ご本人もピカピカになって貰って。

そして嬉しいことに気持ちも元気になって下さるなんて。

男の子たちは彼のことを元遊び人の師匠と尊敬している。ええ、多分本気で。

そして奥さんは、いくら広いおうちと言えどもドアを解放したままのこの大騒ぎの会話が聴こえて来るので、しばしばこらきれずに向こうの部屋でつられて笑っている。

人ってのは所詮肩書きではなくて人柄なのだ。

結構ヘビーな処置が必要で技術や時間がかかる方でも、そして労力がかかる方でも、例え肘しか動かない人でも、深く深く愛されていて、彼の名前が出ると皆がニコニコする。むしろ「あそこのおうちへ行きたい、会いたい。」と思わせる人なのだ。

最初からそうだったわけじゃなくて、彼にだって大変な入退院を繰り返した時期には青白い顔をして無口で憔悴しきった時期があった。怒鳴り捲りたくなるような時期もあった。

でも、人は結局、何があっても、最後の最後はその人の人柄なのだと思う。

奥さんが玄関で話して下さった。

沢山のお宅を回るし、ましてや時々しか出勤できないものの。

私たちが帰った後、しばらくはお部屋で一人思い出し笑いをなさっているのだと。

そういう奥さんは、入浴後、彼の身体に塗って欲しいクリームや、やって欲しい処置などのための道具を事細かに何種類も準備していて、変更があればこれまた詳しく教えて下さる。

彼がよく女性関係での昔取った杵柄のエピソードをお風呂に入りながら出して来る度に、若い人々が歯に衣着せずに言う。「そんな悪いことばかりしてたのに、Nさんの奥さん、よく今大事にしてくれてるね。」と。

そうするとまた彼は爆笑しながら「本当は白衣の美女が沢山居る施設に入れて欲しいんだけどな。」と言うのだが。

私には分かるので、つい口をついて出る「まったく嘘つきなさいよ。」と。

そしてまた奥さんの吹き出し笑いが聴こえる。

本当は奥さんのこと、凄く大事にして来たくせに。

******************

で、退出の挨拶をしてこの方の部屋を出て行くときに、「あっ!」叫ばれた。

え?何?と訊きかえしたのだが「あ、いや、気のせいか。今、白い小犬だか猫みたいなやつが先に出て行った気がして。」と仰った。201304235.jpg

でも、車に戻ってから思った。

きっと彼には見えたのだなあと。

******************

重ね重ねこの日はPMSだったので朝から「マジかよ。」と思っていたのだが、出勤してみたら、うちのチームの車の件数だけでも9件と言うので、さらにまじかよっ!と叫びたいくらいだったのだが。

その9件中のうちの2件のお宅のお婆ちゃんがそっくりなことを仰った。Nさんも含めると三人か。

お一方は「猫も連れて来たの?」と仰り、もうお一方は「あら、その子はうちの子じゃないわね。」と。

後者のお宅は猫さんが6匹も居るお宅なのだけど、皆、血族でそっくり。三毛ちゃんで可愛い子ばかりの猫ファミリーが居る。

それぞれ別々のお宅のお婆ちゃん、お二方とも娘さんとお嫁さんに「またあ、ボケちゃって。」とか「白内障なんだから見えないでしょ。何言ってんの。」とか怒られていたのだけど、違うのよね。

ボケていたり見えなかったりするのはきっと私たちの方。

いつぞや、ずっと前のことだけど、違うシチュエーションでも、同じようなことを思ったことがある。

浴槽にお湯が溜まる大きな音、そしてモーターが回る大きな音。

その音に紛れて人の声が聴こえなくなる瞬間がある。

その頃合いを見計らって、私はどちらのお宅でもお婆ちゃんに顔を近づけて訊いてみた。

その子、今、どうしてる?どんな子?どんな顔してる?

「ふんわ、ふんわの白い子だよ。目を細めてゴロゴロ言ってるよ。まるっきりあんたと同じ格好して今顔を近づけてるよ。ふざけてるのかね。ふふふ。」201304232-18a96.jpg

どちらのお婆ちゃんも白い子だと言ったが、片方は「大きな大きな立派な子だね。猫じゃんくて犬かね?キツネかね?ああ、やっぱりあたしはよく見えないからねえ。」と仰り、片方のお婆ちゃんは「うんまあ・・・、小さくてメンコイ子だねえ。。。赤ちゃんかい?」と仰った。

多分、どちらも本当なのだと、何故だかそう感じた。

夕方から少し冷え込んで来て、車の中で腰とお腹の痛みが増したとき、ある瞬間から急にお腹と膝が暖かくなった。

ああ、今、ここに居てくれているのかなあ?暖かいなあ・・・と思った瞬間、パシッ!とはじかれたような気がした。

”こら、生きている人を見ろ。”とか”やることをやれ。”とか。

そのパシッ!の瞬間とほとんど同時にオペレーターの男の子の「よろしくお願いします!」という声。次のお宅に着いたということだ。

白ちゃんは、ステージが一つあがったせいなのか、白ちゃんであって白ちゃんではないようだ。もう決して「私、私、私を観て。」とは言わないようだ。

それでいて、やっぱり、どの段階に行っても、白ちゃんは白ちゃんなのだなあとしみじみ思った今日だった。

***************

さすがに疲れ果てて帰る夜の電車の中でほんの一瞬のことだったの思うのだけど、長い長い夢を観た。

後から思えば、到底二駅では不可能だと思えるほど長い夢だった。

夢の中で双葉ちゃんが笑っている。

あれ?!双葉っち!?レスピレーター着けてなくて良いの?あれ?何?一人で立ててるの?

「はい、これあげるー。」と、手のひらに載せられたそれを観ると、実際に生前にいただいたビーズのお花の飾りが付いたヘアゴムだった。

双葉っち、喋れてる!手話じゃない!

「そうだよー。」

ああ、もう聴こえるようにもなったんだ。

「そうだよー。で、白ちゃんには、これ、あげるー。」

え?白ちゃん、どこ?

ふと見ると、双葉ちゃんが生前には決してあり得ない女の子座りをしていて、膝には白ちゃんがふくふくした姿で座っていて。

その白ちゃんの上にヘアゴムを載せている。

あ?白ちゃんにも作ってくれたの?

そう訊いた途端、その花飾りのヘアゴムだと思っていたものが、本物のお花の輪っかになった。

「はい、これもあげるー。」

双葉ちゃんはタンポポみたいな黄色い花やコスモスのようなピンクやオレンジの花を次々と出しては白ちゃんに載せる。

その花々が到底白ちゃんの額には載り切れないので、次々と零れ落ちて、辺り一面花畑になってしまった。

白ちゃんはゴロゴロ、ゴロゴロ言っていた。

そして、どれくらいの距離なのかも分からないのに、私と双葉ちゃんの間を何度も行ったり来たりしていた。

あの生前の近付いて来るときの様子そのものの歩き方で。ゴロゴロ、ゴロゴロ、嬉しそうに。

知り合いになったのか。

それとも元々知り合いだったのか。

お花のサイズも、あちらとこちらの距離も、全てにおいて原寸大ではない夢。

でも、不思議で幸せそうな夢だった。

駅の名前が耳に響いて慌てて立ち上がった瞬間に涙がポロポロ毀れたけれど、そのまま次のホームへの階段を上った。

幸せな夢だった。

進め、進め。泣きながらでも良いから 進め。

ああ、そうか、双葉ちゃんにも白ちゃんにも人工呼吸器はもう要らないし、距離や時間の制限も必要ないんだ。

それはきっと、生前を最後の最後まで一生懸命生きたからだね。神様からのプレゼントなんだね。

深い深い夢だったので、次の乗り換えの電車に辿り着いてからもボーーっとしていたのだが。

双葉ちゃんが次々と生み出していたあの花の輪っか。

何となく、フラワーエッセンスのロゴみたいだったなあ。

*****************

あの衝撃の日、カウンセラーの皆と何故だか気が付くと隣同士の人と両手と繋いで輪っかになっていた。

献杯がひとしきり終わった後も、実は私は自分が何を喋っていて、何をしているのかも分からないような状態だったのだけど、幾人かの人がフラワーエッセンスのボトルを差し出して「先生、こんなときにごめんなさい。無くなったから作って。」と仰って下さった。

嬉しかった。

「先生の方が一番必要な状態なのにごめんなさい。」と泣き濡れた顔で仰っていたのだけど、何かさせて貰えて嬉しかった。

わけも分からず心の中で子供のように「どうしよう、どうしよう。。。」という言葉ばかりが浮かんでいたので「これだよ、これ。」と導いて貰ったような気がして。

で、そのエッセンスを調合している最中にふと皆の座っているテーブルを振り返ると、皆、頬に涙の痕跡を残しながらも素敵な笑顔で手を繋ぎ合いまん丸いサークルが出来ていた。

「先生も入って。」

え?今?

フラワーエッセンスを採取していたスポイトを一旦おいて、その輪に入って繋がった。

多分、中心のテーブルに白ちゃんが居た。

レイキがビリビリ流れていた。

ショックで飛び飛びな記憶の中でそんな一場面を思い出したのは、双葉ちゃんが次々に出していたお花の冠が、あの瞬間、皆で繋いだサークルを彷彿とさせていたから。

とても暖かくて綺麗な形とエネルギーだったから。

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2013年08月27日

持っているものを使う / 何とかなってしまったり

他分野のセミナーへ行ったというのに、如何にチャクラやオーラをクリーンにしておくか?ということの重要性をひしひしと感じた。

なので、忙しさにかまけておざなりになっていたこともきちんとやって行こう。

まあ、一番簡単なのはレイキ。レイキの自己ヒーリングによる調整や、オーラクリーニングと言う簡単な動作。

単純に手を充てるだけ、そして、身体の周辺を拭いて行くだけ。

これだけも大分違う。

あと、オーラソーマもとどのつまりは、チャクラの活性化やヒーリングなので。

プラス、クリスタルヒーリングもOK。

どうせ横になるんだったらチャクラを活性化するストーンを該当チャクラ上に置いて寝るだけ。

毎日全部出来ないこともないのだけど、やはりレイキ一つでもOK。何故ならレイキは全ての感性の扉を開く。人生が好転する。(実行した方はって話だけど。)

このツールを入り口としてから引き寄せられて来たものは早かった。

そして、これは同席した同じくレイキを持っているマスターやティーチャーたちである仲間たちの態度や技術や着眼点、そして、その右脳が活性化していることを表す真っ赤な両手からも思った。

***************

あと全然関係ない話なんだけど・・・。

これ、セミナーの大分前から気が付いて、ずっと思っていたことだったんだけど。

・・・・・・・・・・・・。何故に二日間のセミナーの後に訪問入浴?

物凄く怖いスケジュールなんだけど、何考えてたの?

でも理由は明白。

何ヶ月も前から決まっているスケジュールやご予約もあるけれど、あとからその空いているところへ順番に入って行くスケジュールというのもある。

先月末は、個人的に物凄くビックリ&ショックなことがあって、オーラがばーん!と横にずれていたのだろう。「世の中にはこういう人も居るんだ。。。。」ってなことは今までにも何度もあったはずなのに、茫然自失で頭が働いてなかったらしい。

ああ、どうしよう、どうしよう。年齢を経てからやっと自分があまり体力のある人間ではないという自覚を得てから結構気を付けて来たつもりだったのに、おそろしや、おそろしや。

なのだけど、気が付いた後、早めに頼んで違う日にして貰おうと考える度に電話がかかって来たりメールが来たりして”いついつも看護師さんが居ないんですけど、やっぱ、そちらの仕事が入っていますかね?”なんて頼まれたり断ったりしているうちに、ついつい言いそびれていた。

でも、何はともあれセミナーに行くことだけを考えていた。

で、感動冷めやらぬ&疲労もさめやらぬまま今日の訪問入浴。

ところが、案外大丈夫だった。

この2〜3日同様、比較的あまり暑くなかったせいもあるかも知れないが。(そうそう。セミナーのときも炎天下じゃなくて良かったなあと思っていたんだけど。)

疲れないと言えば嘘になるが、何だかどこかが軽い気がした。

マオリさんたちとまでは行かないまでもそれなりに笑って頑張れた。

可愛いお婆ちゃんの嬉しそうな湯船に浸かっているときの顔。

初めてお会いした障害をお持ちの利用者様の大爆笑や、

四歳の娘さんの話を嬉しそうに話すオペレーターさんや、

拳のところに怪我している外見は可愛いヘルパーのN美ちゃん。

え?・・・・。っておい、N美ちゃん、それ、どうしたの?

「この間、D男君と喧嘩になって馬乗りになってボカボカ殴ったらこうなっちゃった。あははー♪」

・・・・・・・・・・・・・。おそるべし。D男さんというのは結構ガタイの良い男性だってのに。

*******************

成り行きだったとか、何も考えていなかったから・・・と思っていたのだけど、実は今日が訪問入浴だということには、幾つも理由があった気がする。

手放すものを手放したらこんなに行けるんだよってな気付きもあり、日常生活の困難な部分にどうやって学んだことを生かして行けるか?ってのも大事なんだよなあということ。

例えば、いつもいつも、あきらかにそれ、やつあたりでは?というくらい人格否定的な言葉をスタッフに怒鳴りまくっている介護者様のことを見つめていたら、色んな背景が見えて来た。

愛する配偶者さんが病になってから、きっと本当にご苦労なさって来たんだな。守ろう、守ろうとして必死で、そのうち、色んな辛い気持ちになって来られたんだろうな。

でも、本当はこの時間だけでも、プロに任せても良いんだよ。大丈夫なんだよってこと、誰もそう思わせてくれなかったのか、あるいはシャットアウトして来たのか。腹が立つことが沢山あったり、それが言えない状況や気持ちがあったり、色んな理由で蓄積してしまったのだろう。

それが分からなかったいつぞや、そう、確か、前回お会いしたとき、「え?」というようなことを言われて、そのまんまに見つめ返したことがあった。何の意図があってこの時間、この場面でそんなことを言うのだろう?と不思議に思ったのだ。

「どうしました?それは何故ですか?」ついついロジカルに訊きかえしてしまったのだけど、その後少し気まずそうな顔をなさり、今度は他のスタッフにまったく言われのないことで絡んでいらした。

そんなことがあった後の今日、違う表情を垣間見た。

けれど長年蓄積したものが数十分で変化するなんてことはあり得ない。カウンセリングでもあるまいし。

何かが変わるとき、氷解して行くときというのは、本人が気が付いたとき、心から望んだときでしかないから。

はたまたそういうときにこそ、何かのツールを選ぶ。

とにかく、正しいとか悪いじゃなくて、出来ることを一生懸命やって行こう。

その積み重ねが、大きな変化を生むということも、こちらの仕事で学んで来たことの一つでもある。

その場所で適切で正しいことをする。積み重ねる。ただ、それだけ。

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2013年08月17日

目に見えるかけがえのないモノもある

とある方が勤め始めた職場を辞めたということと、その理由も教えて下さった。

そして「また(新しいところを)探しますよ。」と。

私はその理由を聴いたとき、極端な話、自分を大事にしてくれてありがとうと思った。

そりゃあ、人は働かなくては身を立てて行けないし、願わくば自分に合ったところを見つけて長く勤めたり、あるいは多少苦しみながらも学べない類のこともある。

でも、程度問題なのよね。

こんな不況の世の中であろうと、実は仕事はある。

そりゃあ楽して儲けたいだとか楽して裕福な暮らしをしたいとか、色々な条件をつけ過ぎると難しいかも知れないし、はたまた自分にそれだけのスキルや積み重ねがないのに最初から高望みをするという自己不一致な心を持っていても苦しいだけかも知れない。

でも本気で働こうと思ったら職場は星の数ほどある。

けれども、その人はこの世にたった一人しかいない唯一無二の存在だ。

壊れてしまったり病気になってしまってはお話にならない。



最近、つくづく思うのよね。

私にとって大切な存在に元気でいて欲しいと。

元気ってのは、辛い事がないとか、怒らないとか泣かないってことじゃない。

でも、ただただその人らしく健康で幸せでいて欲しいと思うのだ。

本当に切にそれを願う。

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今日は石の講座やカウンセリングなどをやりつつ、若干涼しくなった時間帯にyちゃんが心理学の講座にお越し下さった。

いやあ〜、そうは言ってもまだまだ暑かったけどねー。

そして今日は人の無意識の中にある防衛機制の話をした。

自分がやって来たことや現在もやっていること、そして他人がやっているそれも、根本的なレベルで見え始めて来る時期なのではないかと思う。

「うわあ・・・・。へえ・・・・」と吸収して行く様子を見た。

そして、別件のとあることに関して互いに共感することもあり。

ありのままに感じたり表現したりすること。

これもまた元気で居る秘訣だと思う。

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色んなことがあった。

辛くないといえば嘘になるし、ドン引きするような出来事もあった。

けれども、やっぱり私は自分のすべきことを続けて行きたいと、そう思う。

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実は先日、訪問入浴の利用者様である一人の女の子が他界したということを聴いた。

三つ葉ちゃん、三つ葉ちゃん。

とても優しくて可愛い三つ葉ちゃん。

人工呼吸器をつけていて、なのにいつもニコニコ嬉しそうに笑ってくれて。

そして、自分なりの可愛い手話で”好き 好き 大好き”と表現してくれた。

手先が器用で、ビーズで作った髪飾りやマスコットをお邪魔する度に枕元の箱から自分で出してくれた。そしてそれをくれるときのわくわくしている笑顔。

そして、”あげる”と、それはそれは嬉しそうにプレゼントしてくれた。

三つ葉ちゃんに貰ったものはそういった物質ばかりじゃないよ。もちろんそれもかけがえのないものだけれど。

三つ葉ちゃん、三つ葉ちゃん。

私たちは、いつもあなたに色んなものを与えられていた。

私たちがお世話をしていたのではないし、私たちが助けていたのでもない。

私たちがあなたに与えられていた。

そして、お母さん。どうしていらっしゃることだろう。

”かおるさん、飲んでます?”と明るく気さくに話しかけながら我が子の痰を吸引していたお母さん。

人と人との繋がりは、必ずしも長いことべったり一緒に過ごすばかりのものばかりじゃない。

ほんの刹那、入浴介助という形を通して触れ合った、ほんの数回の逢瀬。

けれども私は多くのものを与えられていた。


たまにしか出勤しないものの、そのことをオペの青年が教えてくれたとき、本当は車の中で泣き崩れたい想いだった。

彼女は可愛そうな子じゃない。

ただ、身体の自由が利かなくて、人工呼吸器がついていて、唯一自由が利く手で髪飾りを作ってくれて、その手をそんなことのために使ってくれる三つ葉ちゃんに会えないのが寂しい。

本当はもっと何かしたかった。

でも、きっと彼女はニコニコ笑いながらそんなこと望んでないって手話をしてくれていそう。

彼女は決して不幸な子ではない。とても勇敢に病気と闘いながらも凄く優しかった。

でも、お湯が溜まる間、彼女の手をマッサージしてあげられなくなって、寂しい。

手のひらをマッサージすると、”何しているの?”とけらけら笑ってた。

いや、いつも何かしたくて仕方なかった。

神様に愛されたのだろうと思う。早く呼ばれたんだね。

数日経った今夜、色んな喧噪を過ぎて、今この時、やっと彼女の本名を何度も呼んで、呼んで、呼んで、やっと泣くことが出来た。怒涛のように涙を流すことが出来た。

三つ葉ちゃん、三つ葉ちゃんのお母さん、ありがとう。

またいつか、どこかで。

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2013年08月03日

白い夢

今朝は夜中からかけていた冷房のせいか、若干涼しいように感じられていたが・・・。

やはり猛暑だった。いや、訪問入浴だったから余計にだと思うけど。

数日前、私がまだ白ちゃんがてっきりどこかで命を落としているのではないか?という悲嘆にくれて探し回りながらカウンセリングの仕事を続けている頃のこと。

訪問入浴のスタッフの人が「ほんとにいつも急に言われても無理だって再三言われているんですけど・・・。ナースが一人熱を出しちゃって・・・。あの、明日来てくれるなんて・・・無理ですよね?」という電話をかけて来た。

いつものことながら気の毒に。かけたくてかけている電話じゃないだろうに、物凄く気を使ってくれちゃって。

しかも、この暑さの中で浴槽担いだり人間様をお風呂に入れて回ったりしているんだから、熱発するスタッフがゴロゴロいても不思議じゃないだろう。

しかし、カウンセリングがある。

なので、丁重に断ろうと思っていたその時、口をついて出た言葉が「白ちゃんが・・・、猫が居ないの。」だったので自分でもびっくりしたよ。

「ええっ?!・・・。ううううう。」という電話の向こうの声。

飛び飛びで不定期とは言え、二年以上この仕事をしているので白ちゃんのことは多くの人が知っているし、猫をこよなく愛しているスタッフさんも沢山居る。

なので、このアホな私の突拍子もない言葉に対しても「いや、それ、関係ないでしょ。」とは言わないらしい。むしろ、自分で口にした私自身が自分のことを「アホか。」と思っていた。

それで「ごめん、ごめん。関係なかったね。」と言おうとしたのだけど「上司に言っておきます。」と言って電話が切れた。

後から考えてみるともの凄くおかしい出来事だ。上司にそれ言ってどうするの。でも、ほんとに困らせてごめんなさい。スタッフが居ないだけでも一大事の大混乱だったろうに、余計混乱させてしまった。

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そして、やっと来れた訪問入浴。

事務所ではカウンセリングしていても、疲れて横になっていても、度々白ちゃんが入って来たような気配を感じてしまうので、こうして外で働くのも良いかもと思った。

そう。

白ちゃんは、私がインターバルの時間にぐったり横になっていると、開け放ったドアからいつの間にか春の雨よりも静かに入って来て、私の顔のところで「にゃん!」と声をかけていた。

ある時は「帰って来ないなあー。」と思いつつも懸命にメールカウンセリングを打っているといつの間にか隣の席に来ていたり。

はたまたある時は、クライアントさんとのカウンセリング中に黙ーーーって入って来るので「おう!おかえり!」と私が言い、それまでは深刻で悲しい話をしていたクライアントさんも「ああ!白ちゃん!白せんせい!」と叫びながら笑顔になっていた。

そうすると、白ちゃんは泣いているクライアントさんの居るテーブルの上に飛び乗り、顔をうーんと近づけたかと思うと、おでこにチューしてくれることもあった。

肉球でほっぺを触っているので何しているんだろ?と思いきや、なんと、涙を拭いてくれているというようなこともあった。

しばらく間が空いたクライアントさんには「どうしてただにゃー?」と走り寄っていた。

*****************

で、そうそう。訪問入浴。

案の定暑い最中、お風呂に入ってくれている利用者様を三人で囲んで談話しつつ体を洗ってあげていると、ヘルパーのN美ちゃんが言った。

「・・・・。今年は千年に一度の猛暑だって。」と。

私は難聴になることにした。

何も聞こえない。聴いてない。

しかし、それでいて、脅されたかのような気持ちだけにはしかとなる故、ベテランオペレーターの男の子に「どうする?きっと、もう古株のベテランの猛者のオペしか残らないよ。皆、倒れるよ。」と脅しリレーをする。


「僕も倒れます。」

いや、G君とKさんとHさんくらいしか生き残らないだろうから関東中、あなた方三人で回ることになると思うよ。

「だから。僕もそんなに強くはありません。」と、マジに青ざめていた。

お風呂に入っている方が大声で笑って下さった。「まあ、皆頑張りなさい。」と。

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日中お一人で過ごされている高齢の女性のお宅にお邪魔したときのこと。

彼女にあたるのはこれでたったの二回目だったのだけど、顔を見るなり話して下さったことが「もうダメだと思う。私、一人の時間が長いからすごくボケて来ちゃったの。」と。持病で痛みがある足をさすりながら涙ぐんでいらした。

整形外科にも居たから分かるけれど、大腿部のオペの後、骨は直して、あとは検査してもどこもどうもないと言われるのだが、何故だか痛みが何年も何年も続く方が居る。

先生方は「精神的なものだ。」で終わらせてしまう方も多いけれど、その精神が大事なんだよなあ。

「冷房つけると冷えちゃうから痛みが増すの。だから暑いのを我慢して過ごしていたら、私、ボケちゃった!友達にわけのわからない電話をかけちゃった!」と仰る。

私は、「大丈夫。私の方が大ボケなの、ご存じでしょ?」と言うと途端に大笑いして下さった。

そして、さらに聴いてみたところ、現在はゲル状の痛み止めを塗るだけで鎮痛剤の内服を頑なに拒否していて、その理由は「きっとボケちゃうから。」だと。

でも、違うのよ。

この方はもちろんボケてはいないけれど、もしも認知症が進むとしたら、それは痛み止めなんかのせいじゃない。

ストレスが一番良くないの。

楽に、安心して過ごせないということが、一番ストレスになって認知症を進めてしまうのだとしたら、たまの鎮痛剤くらい良いと思う。

まあ、何はともあれ、入浴が終わる頃までには色んなお話が出来てとても良い笑顔に戻られていたのが嬉しかった。

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とあるお宅で親御さんを介護なさっている方が「あははは!もう老々介護よ!」と豪快に笑っていらした。

しかし、「でもね。」と言って、とても良い話を聞かせて下さった。

「母は余命一年ですと宣告されてからもう10年も生きているのよ。」と。

同じ部屋に同じ癌の病名で、同じ年齢の方がいらしたのだが、その方は点滴が大嫌いな人だったのだと。

ましてや抗がん剤なんてとんでもない!と仰っている方だったのだと。

しかし、ご家族としては、どうしても何かしたい。医療従事者としても普通に治療を進める。おそらく昔の私だったら、同じく「点滴しなくちゃダメ。ちゃんと抗がん剤打たなくちゃダメ。」の一点張りだっただろう。

そしてどうしても何かしてあげたいご家族の意向で治療を始めたとのことだったが。。。

余命一年と宣告されていた方が毎晩「いやーー!いやだって言っているのにーーー!」と号泣し、突然認知症がひどくなり、わずか三日で亡くなったのだと言う。

同室でそんな出来事を目の当たりにしてご本人と介護者さんは本当にショックだったそうだ。

今の私もそう思うのだけど、もちろん治療はした方が良い。

けれども、もしも、それが本人にとって本当にやりたくないことだとしたら、決して効かないというのが医学を超えた神秘の世界、真実なのだと思う。

いや、神秘もくそもないか。あたりまえのことだろう。心があるのだから。

「それで、皆に非難されながらも母を退院させたの。で、10年経った今もこうして元気よ。」と言う娘さんの話に頷くばかりだった。

ただし、くれぐれもだけど、ご本人がやる気になっての治療ならば全く違う結果になっていたに違いない。

だからこそ、通り一辺倒ではなくて、本人の気持ちを考慮に入れて共に話し合う必要があるのだ。

そしてこれまた再三のことだけど。

本人が拒否していることは、例えそれが神の薬でも効かない。何億円かけた治療でも効くどころか死期を早めてしまうだろう。

娘さんが言った。

「あのさあ。世の中にはさあ。罪に問われない人殺しってもんがあると思うよ。あ、あら、こんなに怖い話してごめんね。」

いいえ。大丈夫です。仰っていること、よく分かりますと・・・そう答えた後で、分かってしまうこと自体が悲しかったが。これがこの世界でもあるのだと思う。

*****************

夢を見た。

それは夢だけど夢じゃない。

数年前の出来事。

部屋に入って来た半野良白ちゃんの背中を手でさすったら、ぶわっ!と毛が抜けて飛び散りビックリした。

それで、ベランダに来て貰って自分のヘアブラシでそっと撫でたのだけど、風に毛が舞って凄かった。

昔、猫を飼っていた頃のことを思い出して、そうか、そうか、綺麗にしてあげなくちゃな。そう思い、慌てて猫用のそれを買いに行ってドライシャンプーとブラッシングの習慣がついた。

風呂を試みたけれど、本人が嫌がるのでそれはやめておいた。

しかし、それからまたしばらくしたある日のこと。

またもや連日遊びに来ていたその白猫さんの尻尾に何か真っ黒で砂だらけな塊がついている。

夢ではっきり再現出来ていた。

その時のクライアントさんはMっつさんだったのだ。

テーブルの上に上がってきた白ちゃんのその尻尾についているものが怖くて怖くて、でも意を決して取ってあげようと触ったら、ぶにょっ!という感触だったので「ぎゃああ!」と手をひっこめた。

いったい何なの?蛾か何かの蛹じゃないのっ?!とブルブル震えながらも、でも、絶対取り除いてあげなきゃ!と中腰になって立ち向かっていた。

気持ち悪くて涙出ちゃってた。

ところが、そんな私を尻目にMっつさんがテーブルの上の白ちゃんの、その気色悪いものがついている尻尾をむんず!と掴み、さっさと取り除いている。

ひえええええ!何しているの?怖くないの?それ、何?!と叫んでいるばかりで意気地のない私。

するとMっつさんはそのぶにょぶにょしたものをほとんど取り去った後で「ガムですね。」とにんまり笑った。

「ガムに砂がいっぱいくっついていたんですよ。かわいそうに。」

なんだ、ガムだったのか。そう分かるや否や身を乗り出して濡らしたり拭いたり、絡まったところはカットしたりしつつ取り除き始めた私は、急にふてぶてしくなっていた。

Mっつさんが勇敢さにはビックリしたのと同時に自分が恥ずかしかった。

その時の尻尾をいじりまわされていた白ちゃんは「やめろ!」と言わんばかりだったが、綺麗になるとゴロゴロと喉を鳴らして、それはそれは可愛い顔でスリスリしてくれていた。

夢だけど、確かにあったこと。

何年も前の話。

でも、目が覚めてしばらくすると、やっぱり涙がこぼれた。

けれども、何でも知っている子、白ちゃんは今も頑張っている。

だから、私も頑張ろう。

色んなことを前向きに考えながら。

誇り高くて、優しくて、賢い白ちゃんに恥ずかしくないように。

あの子は決して可哀そうな子ではない。

可哀そうで哀れなのは、むしろ、時折、考えることを止め、頑なに同じことを繰り返し、自分が何やってんのか分かんなくなってしまう私たち人間の方だ。

白ちゃんは何もかも知っている。

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2013年06月11日

言わせてやれよ

訪問入浴でお知り合いになった利用者様でいつもヘルパーさんに怒っている初老の女性が居た。

もう知り合ってから3年目を迎えている。

壮絶な病と壮絶な手術を乗り越えて日々逞しく生きていらっしゃる。201306101.JPG

初対面の人はおろか慣れたベテランさんでも苦手に感じるくらいのキンキン声で怒っているのだけど、いつもその話を普通に聴きながら要望通りのこれまた難しい入浴方法を励行していると、帰り際にはとても素敵な笑顔を見せて下さる。

あるベテランオペさんは彼女の口上を聴いているうちに気が遠くなって来て、いつもやっている仕事の手順が分からなくなってしまうくらいの壮絶な口うるささなのだけど、何故だか最初の最初から憎めない人だった。

それである日、その方がぱたりと口を閉じて「うるさい婆ぁでしょう?ごめんなさいね。」と言うので目が点&口が貝。

そんなこと無いですよ。だって、私も同じようなことをよく思うもん。プロならちゃんとやれよ!って思うよね。
あ、そか。Tさん。私も口うるさい婆ぁだから普通に感じるんだ!と大真面目に気が付いたことを言うと、それはそれは大爆笑なさった。

「あははは!あいたたたた!お腹が痛い!」

この方は度重なる手術の末に沢山の管がお腹に入っている上に骨盤腔がほとんど空っぽなのだ。

痛いのに笑わせてごめんなさい。

「あんた、若いじゃないのよ。何がババァよ!」

いや、実はTさんと10も変わらないんだってば。

ただ毎朝3キロほどファンデーション塗ってるからさ。

ここでまた笑ってくれていた。

「クレンジングすると体重が減るの。ほんとは、顔、もっとちっちゃいのよ。」

「あー、もう、やめて。あんた、ほんとおかしいね。でも、あんた、優しいね。」と言った後、その人がポロポロと泣きだしたことがある。

泣かないでよ。こっちまで悲しくなっちゃう。泣かないでいっぱい文句言っていて!Tさんらしくないよ。
と言いつつ、自分が現場でつられて同じくらい涙が出て来ちゃうので”ああ、もう良いわ。泣いて良いよ!止めてごめん!”と言うとまた笑ってくれた。

それからもその方は不自由な身体でありながらも、本当にお元気でズバズバ文句を言っていてくれた。

それから二年三年と経って、先日訪れたときのこと。

一緒に同行したオペレーターの青年がTさんに「この間のカンファレンスのとき『あー、もう死にたい!死ねば良いんでしょ!』って言ってたでしょ!あーんなこと言っちゃダメだよ!」と彼女をいきなりしかりつけていた。

私はそのカンファレンスに出席していなかったのだけど、状況は想像つく。

でも、言わせてやれよーと思った。

とは言うものの、最近自分に第一子が出来たばかりのこの青年も、色んな思いがあって『死ぬなんて言っちゃダメだ!』と言いたいのだろう。

一瞬、ごらぁ!利用者様を叱るとは何事か!言わせてやれよ!と言いそうになった私だったが、言うなれば、この青年の想いも、言わせてやれよ!という状況だよなあと迷ってしまった。

なので、どちらも否定せず、Tさんに向かって「言いたくもなるよねえ。」と言うと、緊迫が解けてまた笑ってくれた。

「そうなのよ。言いたいのよ。ああ、お腹痛い!」

でもってまた余計なことを言う私。

何故ならアサーションして自分の気持ちを表現するには彼の叱るというスタイルがあまりに半端だから。

あのね、Tさん。この子、この間、お父さんになったのよ!で、毎日我が子をお風呂に入れてあげているんだって!命の尊さを感じる時期だわねえ。

そういうと、先ほどまでとんがり顔で臨戦態勢だったTさんの顔がふわーっと綿菓子のようにほころんで「あらまあ、そうだったの!それはおめでとう!」と言って下さった。

それから先は普通の会話が1とすれば、あとの9は、やっぱり文句だらけだったのだけど。

これで良いんだと思った。

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例えば自分の周りの人。

色んな関係の肩書きがあるだろう。

でも、言うも勝手、怒るも勝手。

ただ、それを封じることの責任を多くの人が忘れていると思う。

誰かの怒りを取り上げてはならない。

自分の感情を抑圧する人は往々にして人様の感情をも支配しようとしがちだけど。

怒りだろうが笑いだろうが、人のものを取り上げてはならない。

そしてまた、他人の喜怒哀楽によって自分の心が苦しくなり過ぎてしまうのだとしたら。

それは、相手のせいじゃない。自分の問題だ。

人の喜怒哀楽に囚われ過ぎている場合じゃない。

自分のそこを癒して行く必要がある人が、現代には存外に多いのかも知れない。

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2013年06月05日

大型新人と

あっちっちーの訪問入浴。もはや真夏日。既に朝の時点で汗だく。

先月あたりからちらほら見かけるヘルパーの可愛い女の子が新人さんのために、度々見学していたのだけど、本日、私と同じ車でのデビュー戦。

朝の時点で「今日はよろしくお願いします。」と挨拶されたときに、あら?今日は妙に両肩が縮こまっている?と思っていたのだけど、初の独り立ち故緊張していたのね。

が、三人で駐車場に向かうまでの間、この清楚で大人しそうなスレンダー美人をちょいちょい突くと、やはり良い感じに崩れてくれた。

”そんな感じだけど、Sさんって本当は絶対面白いでしょ?本当は何か被ってるでしょ?”と言うと「あははははっ!」と顔から先に崩れた。

で、まだ入って間もないし、今日初めての独り立ちだというのに上手に作業するので、車に戻ってから「上手だったよ。憶えるの早いよねえ。あ、朝よりまた身体が広がって来た!段々態度が開いて来た!」と言うと、「あははははっ!」が「わははははっ!」に変わり、一日が経過するごとに「がははははっ!」に崩れていた。

横のベテランオペさんは彼女にとって指導者で怖い存在だったのだろうけど、このG君にも度々突っ込みを入れているうちに、終いにはG君より大声で笑ったり、私に負けないほどの突っ込みを入れるようになってしまった。

「もうー、引き出さないで下さいよ!」と偉いG君が焦っているのだけど、「ごめん。でも、私、こうして後ろから上下関係崩して行くの、趣味!」と言うとまた爆笑していた。← ナースだけ後部座席なのでよくよく関係性が見える。

いやあ、でも、よくヘルパーさんって、(いや、もしかしてナースもそうだという話を聴くけど)皆さん、泣きながら覚えて行くけど、Sさんはさらりと出来るようになって凄いねーと言うと、「違いますよ!私も泣きましたよ!どーーーーして出来ないんだろうっ!って泣いたんですよ。」と大きく振り返って話してくれた。

そうすると、ますます偉いなあと思う。何かが出来るようになった人って、元々のセンス以上に皆努力している。

********************

昼休み、たまたまそういう道順だったので、涼しい営業所で昼食を摂ることが出来た。

ここに入ってからこれまでで何か面白いことあった?と訊くと「・・・・・・・。」と沈黙した後、「面白いこと?」と目を広げている。

いやあ、色々必死でやっていると、後からよくよく振り返ると凄くおかしかったことって出て来るじゃない?

「まだそこまでは・・・。割と皆緊迫していて真面目ですよね。皆、怖いくらいで。」

あ、そう。じゃあ、今日面白い思い出作ろう!と言って出発した午後だったのだけど、午前中に負けないくらい3人とも、そして利用者様やご家族の方々も笑って下さった。

決してふざけているわけじゃないんだけどね。私たちが笑っているとその何倍も良い笑顔を利用者様たちが返して下さるから。

*******************

一件、皆で調査に入った。

そりゃあもう大勢の人間が一軒のお宅に集う。

例えばターミナルで長いことは入浴できないだろうと思われるような方々でも「お風呂に入りたい。」という一言をきっかけにケアマネさん、訪問看護師さんも大勢、介護スタッフも大勢、お弁当屋さんに、ポータブルトイレや装具や杖を作り事細かに説明してくれる技師さんや我々訪問入浴のスタッフや・・・わらわら集って皆で話し合う。

一番最初にこの光景を見た際にはちょっと感動だったのだが、今でもやっぱり感動する。

普段は親子二人で住んでいた家に色んな不安を持ってポツンと退院した一人の方の元に皆がそれぞれの分野でアプローチするので、当人やご家族の方々もちょっとビックリするみたいで。

例えばお歳を召していてもいつまでも女子の心を持った利用者様が「男もスタッフに混じってるの?ぜーーったい嫌よ!そんならお風呂はあきらめる!」と拒絶なさるところへ息子さんが「そんな我儘言うな!何のためにこんだけ集まって貰ってるんだ!男じゃないと抱えられないんだよ!」と怒鳴るのは、もう、それこそ必死だから。

なのだけど、横から「あ。大丈夫ですよ。女だけでやります。」とさらりと言うとキョトン!とされる。

もう大丈夫。そんなの全然悩むことでも喧嘩することでもないの。何のために?と言われれば、むしろそういった要望を聴くためにお邪魔したようなもので。

「ええ・・・でも、女だけじゃ。」

出来るの、出来るの。大丈夫なの。ところで飲んでいるお薬の手帳見せていただけます?とポンポン話を進めている間に、終いには彼女が世界旅行をしたときの話を沢山して下さった。

隣の部屋では他の分野のスタッフが他の打ち合わせのために談合している間、彼女は世界中の話を聴かせて下さって、このエピソードの中にお子さんが何人いらっしゃるとか、既往歴も、人生もライフスタイルも入っているので、ただ聴いているだけで良い。

項目を問診しても良いのだけど、それよりも、こうして他の話を聴いているときの方が最も重要に思っていらっしゃることや、最も重要な情報が沢山乗っかって来る。

やがて最初は興奮していた声がゆっくりゆっくりになって、目が閉じて来た。

ああ、そのまま眠っちゃって大丈夫ですよ。退院して来たばかりで疲れたでしょう。訊かないといけないこと、もう訊けたから、このまま眠っちゃって大丈夫。

そう言うと、彼女は「ありがとう。」と口角をあげて、そのまま眠っていた。

こちらこそありがとう。世界の話もその他のことも、何でもかんでも、これからお邪魔する度においおいとゆっくりとね。

****************

結局現場は色んな意味で壮絶を極め、いつもより一時間くらい押したのだけど、皆、笑っていた。

疲れているだろうに、皆、クスクスと笑ったり、ぶぶっ!と思い出し笑いをしたり。

でも、本当に良い顔をしていた。

大型新人と本日命名した彼女も、最終のお宅の後片づけでは鬼のように重たい浴槽を立てて振り回さんばかりに勢いよく洗っていたし、指導者の背中をバーン!と叩いたりするようになったりとか。

「尾崎さん!俺、Sさんにぶっ叩かれた!」と爆笑するG君だったが、彼女、私のことも爆笑しつつ叩くようにまでなった。

「関係が変わってしまった!」と嘆くふりをする指導者も、そう言いつつ凄く嬉しそうで楽しそうなんですけど。

それにしても、今日一日で物凄く日に焼けてしまった。

でも、まだ例年のように湿疹出来たりはしていないなあ。

ああ、今年も暑い夏がやって来る。でも、その前に豪雨を体験するかも。

病院から出て在宅なる世界に入ったとき、その世界は狭まるのかな?と思っていた。その世界ではどんなことがどんなふうに行われているのだろう?と。

ところが、今や、この世界に入ってから。

学ぶことが多すぎて、一つ一つの季節のページが分厚い。

その1ページに「楽しかったです!面白かったです!」と言ってくれた笑顔があった。

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2013年05月31日

どこへ行き何をしてても

雨がしとしと降る中を皆で訪問入浴。

辛いのかと思いきや、カンカン日が照っている日より過ごしやすかったみたい。

梅雨という時期もまた浄化を感じる季節だなあと思う。

何かを洗い流しながらも草木や私たちに命や元気を与えている。

古いものを手放さなければ新しいものは入って来ない。

*********************

今日はおよそ一年半ぶりくらいの利用者様のお宅へお邪魔した。

色んなスタッフが出入りするのでもう忘れられているとは思ったけれど、私はこのMちゃんにお会いするのが楽しみだった。

そして、ここのお父様とお母様にも。

ところが、訪問したところを「あら!何よ!久しぶりだねえ!」とお父様も名前を呼んで下さり「もう辞めちゃったのかと思っていたよ!」と歓迎して下さったのでとても嬉しくなってしまった。

いつも表情がとぼしいMちゃんの口元も話しかける度に口角があがってにっこり。こちらも嬉しくなった。

あいかわらずご夫婦で一生懸命介護なさっているのだなあ。

そのチームワークは素晴らしいものがある。

「尾崎さん、もう良いよ。後はやるから血圧とか測って記録していて良いよ。」とご夫婦でお洋服を着せて下さる。

いくら長く時間をかけてお手伝いしてもストレスにならないお宅ほどこちらの状況を把握しては「いいよ、いいよ。ありがとう。早く次に行きなさい。急いでいるんでしょ?」などとお気遣い下さるこの不思議。

しかし、あらゆる場面でよくあることだなあと思う。

それはともかく、皆さんが心健やかにお過ごしになられていて嬉しかった。お久しぶりにお会い出来て本当に嬉しかった。本当にいつまでもお元気でいて欲しい。

*******************

急いで仕事をしているときと、どうしても時間をじっくりかけなければならないこともある。

全てのことには流れというものがある。

のだけど、どこに行っても一つのことに物凄く固執する人というものは居るもので。

今は進めなければいけないからとりあえずそれは後にしろよと思うようなことを躍起になってやっている。例えば今は使わないでも何とかなるモノを探し出すとかね。

新人さんも一緒に乗っていたので、いつもよりただでさえ時間がかかるというのにそのベテランさんは進めなければならない作業を止めて探し物をして少しヒステリックになっていた。

その人のことを前から知っている上司は自ら巻き込まれるように一緒に探し出す。

見つかるまでその人の頭には、次のことが入らないし、しつこく怒りっぱなしだというその人の性質を長年付き合う中で知っているからだろう。

エネルギーが強い人の孤独ってのは、他者に対して自分と同じときに自分と同じことにこだわり、同じことを考え同じことをやることをしつこく望む。その怒りのエネルギーの強さがポジな方に向けられれば良いのだけど、いかんせん、皆巻き込まれてしまう。

これは困ったなーと思いつつも、私は心中一本の木になっていた。

根を張り、頭を天に真っ直ぐ伸ばしている木。

一番やらなければならないことを利用者様と冗談を言いつつ共にゲラゲラ笑いながらやっているうちに、先の人々が作業に戻って来てくれたのでほっとした。

*****************

空き時間、「今はこういう時期だから友達たちに会わない。」と彼女がとある事情を話してくれた。

どうして?と訊くと「これこれしかじかで、あれに失敗した時期だから会いたくない。調子が良いときじゃないと会いたくない。」と。

はたまた他のスタッフがカラオケに誘っていると「歌が上手くなってからじゃないといけない。」と。

そして「かおるさん、いつか私が痩せたら、一緒にあそこに出かけようよ。」と色々と不思議なことを言うので、正直にそんな「不思議なことを言っているように感じるんだけど?」という疑問を投げかけたところ、すぐには返事は返って来なかったが。

その後の数時間、ずっと考えていたらしい。

一日の終盤になって彼女が「さっき問いかけて貰ったことの答えが分かった。私は歌は下手だったら歌っちゃいけないし、仲間と居るときは、その仲間の中で一番優れていないと一緒にいられないと思って来たみたい。何かのトレーニングを始めるためのトレーニングをしてから。そして、そこに行くのも劣等感を感じるのなら、トレーニングに行くためのトレーニング、さらにそこへ行くためのトレーニングに行きかねないみたい。」と。

それは疲れるねえ。周りにも伝わるだろうねえ。なんて、これまた正直なシェアをしたところ、「そうですね。私は悪い意味でプライドが高くて自意識過剰なんだって感じました。優越感を常に探して劣等感でいっぱいになっている」。

ここでいちいち「そんなことないよ」なんて言って問題意識を取り上げるのもよろしくないので、あれこれ言わなかったのだけど。

ただ一言だけ。

そんなに立派でいなくとも良いんじゃない?

私の知り合いにも「こういうふうにした方が優位だよ。」とか「あの人より自分の方が優位だよ。」という口癖が多い人が居るし、常に他人と自分を比較しては疲れ切っている人が沢山居る。

でも、そんなに比較しまくらなくても、そして、そんなに躍起になって戦わなくても、世の中はそんなに恐ろしいところではないよ。

しかし、自分という人間を見下している人ほど、いつも人に見下されることに過敏になっている。

そして、それが嫌だからもっと強く見下すという不毛なサバイバルのループ。

「何で、いつから、こうなんでしょ?」

いや、残念ながら今はそういうことを考える日でも時でもない。時間もない。ええ、既に介護という現場での仕事中だから。

ただ一つ言えるのは、介護や看護において(いや、そりゃ別の世界でもそうだろうけど)、人のハンディキャップや自分の劣等感を原動力にして動くってのは物凄く危険な行為だから。

今すぐこの場で止めて欲しいと伝えた。

「出来ませんよ。それが出来たら毎日一人の友達に電話して3時間も喋ったりしませんよ。でも、最近彼女も冷たくて。」

・・・・・・・・・・・。ううっ。それが時間を奪うゲームってもんなんだよ。

まったくもって人様の時間も人生も、誠意も好意もどれだけ湯水のように使っても、奪っても、感謝を感じ取れない病。

下手するとそれがあたりまえだから相手が冷たいんだと思ってしまう。”見て、見て、私を見て。”&”聴いて、聴いて、ただで聴いて!”の病。

しかし、やっぱり説明している時間もエネルギーの方向も無い。

頼むから今、見るべき対象を見てよ、ベクトルを相手という一人の人間に向けてよと願うのみ。

でも、多分、それをするにはある程度自分見つめをしないと不可能なんだろうなあということも嫌というほど分かる今だった。

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2013年05月22日

頭脳と体力と酷暑と

訪問入浴。

あ、暑い。この仕事はここから先の季節、滅茶苦茶暑い。

まだ五月だというのにいったい夏はどうなっちまうんだろう?と思った。20130521.JPG

先日、認知症の利用者様が不穏の折り引っ掻きまくってくれた腕はレイキとオーラソーマで翌日には結構綺麗に治っていたが、本日再び何度もお湯に腕をつけて作業していたためか悪化して痛痒い。そこへ紫外線。

私は痛いってのより痒いってのを耐えられないたちなので、これはなかなか辛かった。

言うなれば熱いとか冷たいってのは我慢出来るけど何かが生ぬるいということに耐えられない心理。

それはそうと先日復帰した女性上司。外見が天使で中身が不動明王みたいなあの人ね。

あの日私の腕を見た後ですぐに自分の部下に依頼してカンファレンスを行って下さったそうだ。

しかし、先方のご意向によりやはり男禁作業でやって欲しいとのこと。

あと、実はあの日の朝、不穏故に家人が安定剤を彼女に投与したところ、それが逆効果でハイになってしまったという事情があったそうだ。

まあ要するにこれまでと作業は変わらないということなのだけど、朝一番、まずはG君からその顛末を聴いて「すみません。」と謝られた時点で、物凄く感謝した。彼には”謝んなよ。”と思ったくらい。

後ほどデスクに座っているAさんに「先日のことにお忙しい中、対処して下さったそうで、本当にありがとうございました。」とお礼を言いに行った。

「いやあー。。。でも、結局ダメなんだったよねえ。」と仰るのだけど、もはやそんなことはどうでも良いのよね。安全を守ろうとして対処して下さったというだけで、後はもう「大丈夫です。現場で何とか工夫して頑張ります。」と深々と頭をさげる気持ちになってします。


・・・・・・・・・・。

まあ、それとは別に、数か月前の気楽に「辞めるね。」とG君に言った事件のせいか、営業所は大御所様たちの管理が沢山入り、Aさんも配属されたことだし、極め付け・・。

先日、一枚の見たことのない紙を渡された。

あら、これ、何かしら?と思いきや、要するに給与の内容や契約の内容が書いてあって”どうぞ向こう一年は辞めないで下さい。”という内容のものだった。

昨年はこんなの無かったよねえ。しかし、G君というよりは、上の管理体制への信頼を取り戻し、そこにサインをした。

********************

休憩時間、Gくんと、お久しぶりのK市のMちゃんとタバコを吸っていた際、真正面に居るG君という上司をじっーーっと見ながら「・・・。しばらく見ない間に、何、痩せてんの?」と言った次第。

「すみません。」

いや、謝ることじゃないっしょ。何で痩せちゃってんの?大丈夫なの?って訊いているだけっすから。

「もう、この営業所、落ち着いて来たのは、本当にごく最近なんですよ。これからもうすぐ太れると思います。すみません。」

だっから謝るなっちゅうのっ!

そんなやり取りをしながらも、久々に乗った面々であったから、あんなことにがあったのにも関わらず。一日中、ゲラゲラ笑いながら楽しく過ごせたよ。

**********************

最後に訪れた利用者さまはまだ30代くらい男性で、”ちょいと対応が難しいし気が難しいと言いうようなことを聴いていたが。

話に聴いていた人見知りもなく、挨拶して出会い頭に「ぼくは専門学校に行きたいんだ。」とか「ぼくはこういうことを考えているんだ。」ということを本当に出会い頭に色々と話してくれて、本当に人の良い優しい青年だった。

今日もせめて皆のフジィカル体を磨けたかな?

暑くてしんどいものの、楽しい一日になった。

*******************

どうすんべか?という状態ふらふら帰宅したところ、出くわした次女の君の顔がお疲れで。

「そりゃ仕事して来たからな!」と言われる。

「家は無くてはならないパワースポットだけれど、ワンクッション入れたくて一人ファミレスして来たよ。」というのを聴いてうけた。

お母さんもわざわざ帰宅する前のワンクッションあるんだよ。今度は、思い出したらいちお連絡して見てねと言う。

満面の笑顔が帰って来た。

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2013年05月17日

傷だらけの・・・

先日、知らない番号から着信がかかって来たのだが、『あ、これ、訪問入浴の誰かだ。』と何故だかそう思いつつ出たところ、ピンポン。正解。

「あ!どもすみません!Gさんから番号を教えて貰ってかけてしまったんですけど!」と、彼はつい最近本社の方から異動になって来られたベテランオペレーターさん。

ちょいと色々あって、初対面の朝っぱらから「はじめまして。今月からこちらに異動になりましたKです。昨日はすみません。」と謝られたのが記憶に新しい。

なしてあなたが謝ることあるのですか。謝るのはG君でしょ!などと心中色々思いつつも普通に挨拶したのも記憶に新しい。まあ、今では少々親しくなったので笑い話になっているけれど。

地元ではナースの出勤管理を今後誰がするか?ということで多少もめたらしい。

偉い立場のHさんが「今後、僕がやることになりましたのでよろしくお願いします。」と言っていたかと思いきや、
その次行ったときにはKさんが「Hさん、ずるいんですよ。『やっぱりおまえがやれ。』って押し付けて来たんです。」と言っていたり、
そうかと思うと突然G君から電話があり「○日は出れませんよね?」と言われて「うん、急に言ってもダメ。」と答えるとしょんぼりした声で「はい。」と言われて切られたり。

「要するに、皆、ナースさんもヘルパーさんたちもおっかないから押し付け合ってんですよ。」って他のオペさんが言ったりするのも良いんですが・・・ぜーーーんぶ、私には伝わってるんですけど・・。むしろ、この点が一番どういうことっすか?という感じ。

それはともかくKさんがかけて来て「いやー、すみません。今月末の○日って出れませんよね?」と。

ええ、ですから、一人でもクライアントさんからご予約があると出れないので、毎月この時期になるといっぱいで一日も空いていな・・・・・と答えつつ、ぎょぎょっ!とした。

スケジュール帳をいちおう眺めながら電話口で喋っていたのだけど、なんてことだ、その日だけ、こつーんと一日空いている。

嘘つけない性質なもんだから、ついつい喋りながら「あれ?なんだ、これっ?!なんで、ここだけ?!」とか言っちゃうわけである。

そんなわけで月に四日のところを一日増えて五日になってしまったのだが、物凄い喜ばれてしまって。

Kさんが電話切った後にもわざわざ事務のOちゃんからも改めてメールでお礼を言われた。

****************

そんなことがあってから、また久々に出勤した今日の訪問入浴。

毎回出勤する度に浦島太郎状態なのだけど、産休に入っておられた女性の上司さんがほっそりとスリムになって復帰しておられた。

それを見て、やった!と思った。この方がセンター長になったということだ。ぴりっ!とするぞ。

二年ほど前だったかな。

普段は物凄く大人しくて優しい感じの社員さんなのだが、筋を通さないオペさんに「なめてんんか、おまえ!!」と怒号していたことがあり、その時はみかりんと一緒に必死で笑いをこらえてた。

やっぱ女の方がこえーなー。で、きちんとするところきちんとするんだよなあ。

よくよく見まわしてみたら、炎上している人たちって真面目に仕事している人ばっかりなんだよね。

意志の疎通や連絡事項の食い違いが利用者様の安全を脅かすということを知っている人たちだ。

で、このAさんのお姿を見たとき、最初はどなただか分からないくらいだったのだけど、「あ、尾崎さん、おはようございます。Aです。戻って来ました。」とわざわざ声をかけて下さったので気が付いた。もしかしたら、スタッフが皆炎上していてG君だけの手に負えないから呼ばれたのかも知れないけど。

しかも、先日M市で同乗した先の上司のHさんなんぞは「皆の訴えを聴き過ぎて吐いてしまった。」と。まあ、これは「嘘言えよ。」と笑ってしまったのだけど。Aさんなら吐かずに管理するだろう。(笑)

****************

そんなことを思いつつ一日回って、利用様たちの笑顔が見れて、物凄くお久しぶりのOさんというオペさんやHさんというヘルパーさんと仕事をしたが、合間合間で最近の営業所の様子をお聴きした。

「いやあ、もう、つまんないですよ。こんなんじゃ楽しくない。」と三人の母であるHさんが言っていた。

まあ、そうなんだよね。楽しく仕事が出来るってのは、きちんとしているってのが大前提なんだよね。決してルーズな様相やなあなあな感じで楽しくなるわけじゃない。

が、Aさんが来られたのでこれからは大丈夫なのでは?と思う。

で、実はこの日、夜になって営業所に帰還した際、私の二の腕は、蚯蚓腫れでいっぱいだった。

年々認知症が強くなる一人の老女がいらして、その暴言と暴力にとうとうホームヘルパーさんも手をやいてしまうほどで。(でも、このヘルパーさん、物凄く良いヘルパーさんなの。)

そして先日からとうとうスタッフの腕や身体を抓るようになってしまったとは聞いていたのだけど。

もう少し若い頃からお風呂を利用なさっていたので、この方は元々”男禁”だった。

つまりはいくらタオルで隠して見えないようにして洗体するにしても男性は嫌なので、通常三人で作業するところを女性二人だけで作業をするというケースだった。

で、私の両腕に爪を立てて引っ掻いたり抓ったり、肉がそげるんじゃないか?というくらいのことをなさるのだけど、危ないので絶対に身体を支えている手を離すわけには行かない。

顔にお湯がかからないように洗髪中にタオルでハチマキする手も決して離せない。

「大丈夫ですよ。大丈夫。怖くないですよ。」と血を流しながらもひらすら静かに繰り返すしかなかった。

「逃げて下さい!交わして下さい!」とホームヘルパーさんが仰って下さるのだけど、放せないのよ、危ないから。

そして無事に入浴が終わり車に戻った後、「最近、いつもああですか?」と訊いてみたところ、日増しにひどくなっているとのことだった。

そうすると、もはやご本人の安全が危惧されるので三人作業に変更した方が良いよね。

「でも、Gさんに言っても話が進まなくて。」

ところが、営業所に戻ったところ、Aさんという女性センター長が「あら、ひどい!どうしたの、それ?」と私の腕を見て訊いて下さる。

この人は帰還する一人一人のスタッフの様子をチェックしているのでたちまち気が付く。

そこで事情を話したところ「わかりました。すぐに対処しますね。大丈夫?」と即座に手続きをして下さった。

その他、各チームの様子やら、先日あったという車両での良くない運転の模様の写真をデスクに並べては事情を聴いたり分析したりなさっている。

とどのつまり、よくよく傾聴する人なのだ。

腕のひっかき傷なんて全然たいしたこと無いのだけど、彼女が立ち回る様を見ていて、本当にきちんと仕事をしているなあと感心するのと同時にとても頼もしかった。

そうやって聴いてくれる人が一人存在すると、皆安心して炎上する必要もないのだろうなあ。

******************

ところで、不本意ながら私も炎上した一人とされていて、これは笑いながらなのだけど、ベテランのKさんに「要注意人物!」と冗談めかして言われて。

もう、おのずと目立たないようにしようと元々の規定の黒いパンツスタイルに地味なTシャツを着ていたのだけど。

今しがたタバコを吸って戻って来たKナースが「ああ!カラフルっ!」と私に向かって言う。

この人、休日を取れと言われたときに「じゃあ、おまえが日当払えよな!」とキレたナースさんである。多少激しいんだけど元気がよくて分かりやすく面白いのであれ以来お会いする度に話しているのだが。

どっこがカラフルなの?地味でしょ?!と言い返したところ、彼女の視線がすっと下に落ちた。

「ペディキュア。」

・・・・・。ああ。靴下濡れたんで脱いだんだった。

まっすぐ私の顔見て喋っていたのに。

あなたもナース。魚眼なのですね。

*******************

あれやこれやと何だか楽しいし、行けば必ず勉強になるのだけれど。

「来月はどうっすか?どうかいっぱい出て下さい!」とKさんが渡してくれた紙に、やはり四日間だけしか記さない私だった。

無理は禁物。

あいたたた、腰、痛い。

雨には打たれるし。

今日は両腕の傷がお風呂で沁みるだろうなあ。こんなんも、レイキ、効くかなあ。

*********************

で、やっと風呂に辿り着けると思って着替えを持って降りたそのとき。

姉妹が二人で入って長風呂しとる。

ごらあああ、おまえら!遊んどらんとさっさとあがらんか。お母さんは絶対今日は早く寝るんだぞ!

寝るぞ!寝る!

・・・・・・・・・・・・。お願いです。早くあがって下さい。もうダメです。

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2013年05月10日

こっちがボケとったよ

今月初の訪問入浴。

初めての営業所へ行く。

と言っても、このエリア自体は初めてではなく、この営業所があまりに駅から遠いところへあるせいか、以前はM駅までスタッフが車で迎えに来てくれたというだけ。

しかし、今は便利だよね。ほとんど障害レベルの方向音痴の私ですら携帯のMAPのナビで必ず辿り着ける。

しょっちゅう経路からずれるんだけど、その度に、ほれ、動いている丸印が道から逸れるので「おっとっとっ。またはみ出たか。」とすぐに気が付いて戻れる。まるで上空から歩いている自分を見ているかのようだ。

人生もこんなふうに最短を通って行けたら良いなと昔だったら思っただろうなあ。

誰かにナビして貰いたいなあとか。

のだけど、カウンセラーの場合はその人が逸れたら、むしろ一緒にそちらの方向へ行って同じ景色を眺めたり、その人だけの道を開拓する様子をそうして見るときもある。

はたまた見える場所ならばそこで待っていたりとか。

それがねえ、支配的だったり独善的だと決まった道しか通らなくて面白くないの。

おそらく今日もそれぞれの場所でそれぞれの人が自分の方法でそれぞれの道を歩んでいる。

********************

数か月前に地元の営業所から移動になった上司のH君が元気に働いていた。彼が居るだけで何だかおかしい。皆、笑っている。いや、実際には物凄く怖い人でもあるらしいんだけどね。今じゃ物凄く偉い人だし。

大きな営業所だったので印象を述べると「ええ、このエリアでは一番大きい拠点なんですよ。」と彼が言う。

慣れない利用者様たちだし慣れないエリアなので出発前に力を入れてカルテに目を通していたら、Hさんがすぐそこのドアを開けて「尾崎さん、尾崎さん。」と呼ぶので顔をあげると「タバコ吸うところはここです!」と言う。

あ、ああ、どうもありがとう。

そう返事をして再びカルテを必死で睨んでいたら、またそこのドアが開いて中から「あ、尾崎さん?タバコはここで吸えますよ?」と言う。

う、うん。ほんとにご親切にどうもありがと。

周辺ではヘルパーさんたちが書類書いたりタオルをセットしたり、はたまたひっきりなしに電話対応している方々の声が聴こえたりと賑やか。

何か真面目な営業所だと聴いていたし、仕事的にも渋いし濃いだとか。

しかし、正面にあるカルテを真っ直ぐ見ていると、横目に映るのよ!ドアがキーっと空いて隙間にHさんの顔が。

何だかおかしくなって、そして嬉しくなってその部屋に入って行くと、Hさんと、いつぞやうちのエリアに応援に来て下さったこともあるオペさんがタバコを吸っていたので笑いながら自分も吸う。

何だか、Hさんはどこ行っても楽しそうにしてるねーと言うと「皆、そう言うんですよ。」と吹き出している。

で、「あちらの仕事、忙しいですか?」と訊いてくれたのでそれに答えようとしたのだけど、間一髪置かず、「もう、やばいっすよ、俺!今月、彼女の誕生日なのに忘れるところだったんですよ!」と自分の話をなさるので笑った。

ああ、じゃあ、まだプレゼントは用意してないんだ。五月だからエメラルドだね!

「そうなんっすよ。エメラルドは高いんっすよ!」

今度の彼女は八月の子にしな。ペリドットはそんなにしないから!と訳の分からないことを言ってみると、「あ、なるほどー。」と言った後に「何て不吉なことを言うんですか。せっかく長く続いているのに!」と返って来たのでまた笑った。

そうそう。一緒に仕事するようになってから多分2年くらい経っているけど別れたとか出来たとか言う話をいつも聴かせてくれた。っていうか、ここの人たち、皆、全部喋るから面白い。

おっと、こんなことしている場合じゃない。と、一本吸い終わったので隣の部屋に戻って再び情報収集し始めての10分後。。。。

彼も忙しく働いて色んなところで指揮をしている様子だったが、ほんの10分後に「尾崎さん、尾崎さん。僕たちが出発するの、あと10分後なんですよ。」と。

はい、ありがとうございます。と答えたところ「だから、出発前にもう一本吸ってから行きましょう。」と言うのでずっこけて笑った。で、笑いつつもまた一緒に吸いに行く。

そんな様子だったので、もしかして今日は詰め詰めのコースで休憩する時間があまり無いのだろうと思っていた。ほら、”忙しくなるから今のうちに休んどけよ。”みたいなニュアンスなのかな?と。

しかし。

彼は”I'm so fast!”。おそらくは関東一、いや、もしかしたらこの業界日本一かも知れない。仕事の早い男だった。(最初の頃はその動きにビックリしたもん。)

なのできちんとサービスやケアをして利用者様や介護者様と色んなやり取りをしても時間があまりある。

なので、結局、一件終わるごとに一緒にタバコを吸っていた。

もう、このベテランのHさんか、一番最初の上司だったKさんという方、ああ、あともうお一方、やや年配のSさんというオペレーターさんの時のみ、まめに休憩が取れて疲れ方も全然違う。楽なんだよね。

こうして見てみると、まめに休憩取る方の方が良い仕事をしていて利用者様たちからの信頼も厚いのだなあと
この業界でも思い知る。

ただ一生懸命なだけってのは自己満足だ。

あと、やはり障害やご病気を持った方々をケアする世界なので、ご本人か、あるいは介護疲れのご家族かが、どこかしら切羽詰まっていたり辛い空気を抱えているお宅も多い。

ところが、良い意味で交わし方が上手くて、たちまち楽しい空気に換えてしまうのも彼らの得意技だなあと思う。優しさはそのままにFCが高いってのは、実質仕事が出来るということの余裕の上に成り立っているのだなあとつくづく感じた。

そんなことを思っていると運転しながら「尾崎さん、大変ですよ。」と言うので「え?私、何かミスしましたかっ!」とビックリしたのだが。

「いや、コンビニ(つまりは灰皿)が見当たらないんですよ。でも、ここ、営業所の近くなんで一旦帰ってそこで吸いましょう!」

・・・・・・・・・・。昔、スモーキング・ヴギなる歌があったなあ。

*******************

今日は初めて会うお年寄りの方々がよくよく「前に会ったことあるよね?」とか「あら、痩せたわねえ。」などと、あたかも前からの知り合いのように声をかけて下さる日だった。

色んな人に”いえ。。。初めてお会いするんですけど。。。”と答え、そんなことを不思議に思いつつ一日を終えた。

ここのところ、違う側面からのヒーリングを自分を通して試していたら、レイキの出方にまで変化があってビリビリと手が熱かった。

丁度先日、Aちゃんが、自分のところへ寄って来た白ちゃんを見て「あらあ、可愛い子がいるよ。」と言いつつ、お馴染の撫で方をしてくれていたとき、「あ、Aちゃん、手のひら、すごっ!」と言ってしまうほどまっ赤っ赤になって、いっぱいレイキが出ていたときみたい。

そう言えば、この少し前の場面でもあちらのヒーリングの世界に触れていたところだった。

「おおー。」と自分の手のひらを見たAちゃんはすぐさま白ちゃんにレイキをあててくれた。出ているのでもったいない!と思って使いたくなるんだよね。

で、私は、先月末のセミナーに行って以来、ここのところ、しばしば自宅でそういう状態になるので自分に充てていた。

とても良い感じで、無理しなくなるかなあ?余裕が出るかなあ?と思ったのだけど・・・。

今日、訪問入浴から帰ったら、いきなり断舎利を始めてしまって止まらない。

いくらHさんとのタッグだったと言っても重労働は重労働だ。それなりに疲れているし夜も遅いので止めておけば良いのに。

しかし、そんなことしている経過で、ふと思った。

今日、声をかけて「久しぶり。」とか「あら、しばらく。」などと仰っていた方たちの顔が浮かんで来て、”あ、認知症によるものじゃないわ。”と気が付いた。

きっと遥か昔、前世でも会っている!

何と、忘れていたのは、つまりボケているのは、むしろ私の方だった。

そのまま瞑想すると色々見え過ぎちゃうし、懐かしくて泣いちゃうかも知れないので、まあ、とりあえずは家事をしつつ、思った。

もしかしたら、もしかして。

人生のあらゆる重荷や要らないものを取り去った後で、人は大切なことを思い出し、そんな晩年を迎える人々というのが居るのかも知れない。

あるいは次のステージへ行くための準備として色んなことを思い出しているのか。

医学的な検知からは喪失だとジャッジされることが、実は物凄くポジティブな動きだってこともあるのだろうな。

それからお風呂に入りつつまた思い出す。

”うわあ、久しぶり。会えて嬉しいよ。今回はダメかと思った。”とか、色々と、その瞬間には意味が分からなかったあの方々の言葉を。

この世界を即物的に生きている私には、まだまだ何と表現して良いのか分からないけれど、自然に浮かんで来る言葉は”ありがとう。また出会ってくれてありがとう。また会えるまでコツコツと業をこなして行きます。ありがとう。”ということだった。

何かが滞りなく流れていて、その動きを止めるのは、いつでも目先の観念だ。

でも、その観念にはまって何かの役柄を演じているのも人生だ。一生懸命やっていれば次の仕事が自然に来る。

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2013年04月26日

もう流れに乗るのみ

結局、ビーフシチューも完売した。

次女くん、長女くんの順番で帰って来て「うまい。美味しいよ。あそこに負けてない!」と嬉しそうに食べてくれた。

もうその時点で夜も遅い時間になっていたので、早くお風呂に入りたくて、しかし、夫が帰って来る20分前に鶏に塩をふりたくて。。。。

「あんたも難儀な性格やなあ。」と言われ、ああ、そうだ、こういうことは止めよう!こだわり出すとキリがない!と思い直し、爺ちゃんがあがって来たのと同時に風呂へ直行。

なのだけど、ゆっくり浸かるということはせず、カラスの行水状態で、上がって来たら即座に携帯を見た。

よしよしよし!風呂と塩と両方実現したぞ!← バスソルト入れてゆっくり浸かるってのはどうしたの?実現してないから。

でもまあ、鶏も美味しく焼くことが出来たのと、滅多に牛を襲わない熊もビーフシチューにまで手を伸ばし美味い美味いと食べてくれたので大満足。

****************

さーて、風呂にも入ったし、メールカウンセリングでも始めるか。

そう思って受信トレーを開いたのだけど、画面を眺めて「・・・・・。」と無言になる。い、いっぱいあるな。

これ、朝まで集中力切らさずやり遂げる自信あり。ええ、やっつけ仕事じゃなくて魂ぶっこんで。

やってしまいたい。もうお待たせしたくない。

が、そうすると明日の訪問入浴がヘロヘロになる。

ええい、こんな日こそ訪問入浴の方から「明日、一台潰すことになったので休んでいただけますか?」っちゅう連絡が来ないだろうか?← なーんか、私っていつでもそうなんだけど、遊びでも仕事でも現場に行くまでが本当にやる気とかバイタリティの無い人間なんだわ。

ええ、何やるにしてもそうなんだけど始めるまでが世界一のナマケモノなんだわ。

始めると燃えるんだけどねえ。着火が遅い。

そんなこと思っていたところ携帯が鳴ったのでふと見ると、訪問入浴の営業所からの電話。来たああああー!レイキやっててよかったなあ!

しかし、電話に出て見ると、「ああ、すみません。来月のご予定をおさえておきたくて。来月来て下さる日にちをぜーーーんぶ教えて下さい。」と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。レイキは浄化を促し愛で満たしますが、こういったことには効きません。ブツブツ・・・。

えーとおー・・・とスケジュール帳を広げて四日間を申告したのだが。

あの、他に何か私に言うことありません?

・・・・・・・・・。無かった。電話は無情にも切れた。

しかし、それからしばらくして何を思ったのか再び連絡があり、「あの、明日、遠方のM市への応援をお願いしていましたが、Tナースにお願いしたので、かおるさん、地元営業所でOKです。よろしくお願いします。」。

え?なんで?

「いや、急な変更で誠に申し訳ありません。」

いやいや!楽な方に変更になって怖いんですけど。何で?

わーん、もしかしたらまた脅したと思われたのかも知れない。

「来て下さいね。寸前ですみませんね。」

行きますよ、行きますよ。本当に行きます。

もう何も言いません。

******************

翌朝、またまた久々に訪問入浴へと出勤したところ、私のチームは先日同乗した本社から移動になって来たばかりのオペさんと、もうお一方の女性ヘルパーさんも余所からの応援の方だった。

が、お二方とも社員さんでベテラン。

現場での作業やケアはプロ中のプロ。で、問題は、この土地の利用者様と道が分からないだけだ。

これが結構大変な話で、しかも工程を見ると、私も行ったことのないお宅が沢山あった。

しかし、他のチームを見ると、構成人員が皆地元民で出来ている。

思わず、「な、なんだ。その固いメンバーは。」と妬みつつ一言漏らすと、皆が「ねー?配慮の無いシフトですよねえ?!」と即座に火が付く。

当人は本日休みの模様だったが、いかんいかん。私が言うと個人的な愚痴に終わらず何かのエネルギーの方向性が出来てしまう。せっかく休んでいるのに今頃家で寒気がしているかも知れない。皆の怒りに火をつけてはいけない。黙って、黙って。

******************

出発してすぐ「いやあ、良かった。今日、来て下さって。」と初対面の時とは全然違うくだけた調子で笑いながら言うオペさん。

そう。あの「はじめまして。すみません。」の彼である。

あの時は、全く関係ないのに無用な気を遣わせてすみませんね。印象、最悪ですよね。

「いえいえ。」と大笑いしていて、一緒に仕事し始めると今や笑い話になっている。

ヘルパーさんは、今まで観た中で三本の指に入る切れ者の仕事ぶりだなあと思ったら、このオペさんと同期で、しかもお二方とも指導係をやっているとのことだった。道理で出来る。

そして、現場でのふとした場面でのこと。

この女性ヘルパーさんがある部分をある位置に置いてあるタオルにわざわざ置き換えて洗うのが目についた。

その他、他にも始めて見る動きというのがあった。しかも、そのやり方がとても理に適っていることばかり。

それでそのハキハキとしたヘルパーさんに「あの、この時はこちらを使うんですか?」とか「このタイミングでこれを確認するのが本当ですか?」と質問してみた。

しばし、大きな目で私を見ていたが「そうです。そうなんですよ。」と嬉しそうにその理由を語ってくれた。

私は本当に新鮮な驚きをおぼえて、「はっはあ・・・、なるほどー!」と答えて思わずボーーっとしてしまったが「いやあ、ありがとうございます。」とお礼を言った。

すると、良いタイミングで彼女と同期のオペの青年が「俺も知らなかった!」と言い、彼女は「はあ?!何言ってんの、あんた!」と言うので三人で大爆笑した。

本当に細かいマニュアルで、しかも、日々工夫されては新しく更新されて行くのでそういったこともあると思う。

会議などでは社員さん同志で喧嘩になっちゃうくらいだとか。(笑)熱いわ。

でも、その細かい部分の一つ一つが大きな仕事の流れを左右するので、とても大切なことだと思う。

車に戻ってから彼女が「いやあ、でもねえ・・・。」と彼女が言う。「ナースさんで、そういったことを質問してくれた人って初めてなんでビックリしました。そして『ありがとうございます』だなんて、凄いなあ、偉い人だなあ・・・。」。

え?そり、どんな感心の仕方?今までそれを出来ていなかったということですよ。ああ、恥ずかしい。そして、今日は本当に勉強になった。来て良かった。Kさんと一緒に乗ることで知ることが出来た。ああ、良かった。

すると彼女と仲の良い同期のオペさんが「俺も。」と言うので、またしても彼女から「ごらあ!」と激が飛び、また爆笑。

「あんた、ワッペンまで取ってんのに!」

それを聴いておおーーっ!と思う。この業界で言う勲章のようなもので、中々取れないものだと聴いたので。

「俺、ワッペン取ったのをだーーれにも言ってない。隠してる。」というので、これまた笑う。

よく学歴詐称なるものをする人がニュースになっているけれど、本当に頭の良い人は良い方じゃなくて悪い方に詐称したり出来ないふりするんだろうなあ。でも、出来るんで、既に皆にただもんじゃないってばれてるよ。

誰にも自慢しないで同期の彼女くらいが知っているというわけね。

で、彼女曰く「でもね、KさんもHさんもGさんも言ってたんですよ。ああー、Sさんも言ってたなあ、かおるさんのこと。」。

Gさんというのは今の長で、KさんとHさんは以前の長で、今やお二方ともかなり出世して偉くなっちゃった青年たち。Sさんてのは余所の長。

偉くなっても、皆利用者様本位の現場大好き人間だ。

何て?

「”かおるさんは完璧だよ。”って。」

前の座席から言われたのだけど、後部座席に居てコーヒーを飲んでいた私はブッ!と吹き出してしまい咳き込んだので汚い、汚い。あーあ、汚れちゃった。

「だ、大丈夫ですか?!」

どこが完璧なんですか。この通りですよ。

「ああ、でも、ナースさんたちって、私たちと違って指導係も付かず、教えても貰っていないのに色んなことを求められて大変ですよね。」

・・・・・・・・・・・。おそらくは、教えてあげようなんて気になれない高慢な雰囲気があるのでしょう。ええ、私に限っては。誠に申し訳ない。

でも、こういうわけなんで、同乗することがありましたら今後も是非色々と教えて下さい。

「いえいえ、そんな。」と彼女が言うと、「俺とかおるさんでこの人がいる営業所へ応援に行きまくりたいですよね。いっぱい教えて貰いたい。」と彼が言うのでまた怒られている。(笑)「同期だろ!」と。

そんなこんなで道も分からない土地なのにも関わらず、精鋭たちの力をお借りして滞りなく仕事が終わった。

おまけに今後、勉強になったことを見習って今までの自分のやり方を変えて行くという目標も出来た。

今日も利用者様の笑顔が見れて嬉しかったし。

******************

で、これだけ心が動いて感動したのに、家に帰るとだれぇ〜〜んっ・・・・。

あああああ、疲れたなあ!かったるいなあ〜!もう、ダメだ!・・・と別人になっている。

やる気なすなすモードへの切り替えも炎のように激しい。

のだけど、それが私なので、その時々、最大限に学んだり働いたり、そして最大限にだれながら生きている。

******************
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2013年04月17日

過剰な人々・・・だからこそ出来るのかも知れない

訪問入浴への出勤は今月4回の予定。

出た時にはつつがなく頑張りたいものである。

本日は小さな営業所でも三台稼働。沢山の方々がお風呂に入ることが出来る。

一件目に来訪した三つ葉ちゃん(仮名)は人工呼吸器をつけている女の子で耳も聞こえない。

でも、その手話の可愛らしいこと。20130416.JPG

来訪した際にはまだ早朝だったせいかスヤスヤ眠っていた。

お母さん曰く「昨夜は痰がなかなか取れなくて、しょっちゅう吸引していたので。」と仰る。

そうだったのかあ・・・。お母さんも三つ葉ちゃんも大変だったんだねえ。

そう言って寝ている彼女に体温計を挟んだところ、パチっ!と目が開いた。

わあ、びっくりした!おはよう。起こしちゃってごめんね。

そう言う私の言葉を唇の動きで理解した彼女の顔にパーーーっ!と笑みが広がって、手が伸びて来る。

ひっさしぶりだねえ。最後に会ったのは半年くらい前だったかなあ?

すると、お母さんが横から「かおるさん、飲んでる?」とグラスを傾けて口に運ぶジェスチャーをする。カラカラ笑いながらね。

ええ、飲んでますよ!お母さん、飲んでますか?と訊くと「もっちろんよー。」と仰るので笑う。

で、お互い「元気そうで良かった!」と笑い合う。このお母さん、私より一つだけ年下なのよね。

三つ葉ちゃんは人工呼吸器を着けてはいるものの、身体は自由に動くので、枕元の箱に手を伸ばして何か出したと思ったら、何と今日は手作りのヘアゴムをプレゼントしてくれた。

手先の器用な子で、たまに会う度にビーズで作ったマスコットや、こういったアクセサリーをプレゼントしてくれる。

ええ〜、またなの、三つ葉ちゃん。いつも会う度に何か貰ってばっかりで。

そう言うと、三つ葉ちゃんは、両手の親指と人差し指をくっつけて、自分の胸元でハート型を作ったり、両手を合わせて片方の頬にくっつけて首を傾げる。満面の笑顔で「好き好き、大好き。」と言う手話を一生懸命やってくれるのだ。

私も真似して同じ手話をやりつつ「私も大好き。三つ葉ちゃんが好き好き大好き。」とやり返す。

もう、貰ってばかりでどうして良いのか分からないので何にも持っていないはずのポケットをついつい探っちゃう。

すると、指先にコツンと何かが当たった。

あ、そだ。じゃあ、このブレスをあげよう。

いつも手首につけているパワーストーンのブレスを仕事中はポケットに入れているのだけど、その三本のうちの、まさかラリマーとラピスなどという強烈なものをあげるわけには行かない。

残るは水晶だけのやつと、マダガスカルディープローズクォーツとゴールドルチルクォーツのブレスの二本。

すると、三つ葉ちゃんの目が大きく見開いて一本のブレスを見つめる。

で、”天使、天使、天使の髪の毛”というようなことをジェスチャーする。

あら、よく分かるわねえ。凄いなあ。パワーストーンに詳しいの?

お母さん曰く、ゴールドルチルについて知っていたわけじゃないそうだ。そして、「ピンク♪ピンク♪」とマダガスカルディープローズクォーツの濃いピンクを見て喜んでいる。

彼女の手首には大きいものの、それをつけてあげるとバタバタして喜んだ。

「まあ、そんな良いもの、つり合いが取れませんからダメです。」と仰るお母さんだが、それはこちらのセリフ。

三つ葉ちゃんがこの呼吸困難の身体で、どんな思いでビーズのヘアゴムを作ってくれたんだか。

ブレスはまた作れば良いんです。

「あら、自分で作っていらっしゃるの?どこで?名刺か何か持ってない?宣伝してあげるわよ。」

いえいえ、そういう宣伝するような商売じゃないんです。ましてや、訪問入浴の方でそんなことしません。(笑)

それより三つ葉ちゃん、今度いつ会えるか分からないけれど、今度はサイズが合うように、もっと細くてもっと素敵なのを持って来るね。今まで沢山素敵なものくれてありがとう。

今日、一緒に回ったヘルパーさんはK市からの応援の子で、この子とも実に四か月ぶり以上の再会だったのだが、初めて見る三つ葉ちゃんのことを「何という可愛い子・・・」と感動していたので、「でっしょうーー?!」と答えてしまう。

私が威張ってどうする!と自分に突っ込んでいたら三つ葉ちゃんが笑い過ぎて、呼吸が少し苦しくなってしまった。ご、ごめん。

でも、本当に可愛いんだ。

*******************

今日のヘルパーさんがK市のKちゃんだったのは、オペさんがU市のまだ不慣れな青年だったから、”指導係として”と言うことで切れ者の彼女が任命されたからだそうだ。

しかし、そんなこととは余所に「何だ、今日のこのコースの工程は!」と怒っている彼女。

ええ、確かに渋いよね。これ、全部の家に時間通り間に合うわけないよね。

お昼がぐーんと空いている割には二時以降が詰め詰め。一件一件の距離も遠い。

しかし、それも利用者様たちのご希望時間の関係なので早くても遅くてもいけない。

というわけで、長く空いた昼休みを三人でファミレスで過ごすことになった。

食事したりコーヒー飲んだりしながら、Kちゃん曰く「希望時間云々じゃなくて、あいつの工程の作り方が下手くそなんですよ!」と、ここでも出たか、G君への苦情。

「聴きましたよ、先週のこと!」

・・・・・・・・・・・。何で、K営業所の君が知っているの?誰から聴いた?


「三鷹のSさんから。」

うわああああ!み、三鷹。立川で起こったことが・・・、いや、もとい、二人の間で起こったことが、上司のHさんやそのまた上司のKさんにまで飛び火して一大事になったというだけでも嫌だったのに、K市のこの子や遥か彼方のSさんも知っているとは。

しかも、たかだか中3〜4日挟んだだけで。

「『Gさんのせいでかおるさんが切れて辞めるところだった。』ってSさんから聴いたんですよ。もう、あいつ!って、皆、怒ってましたよ。」

切れてない、切れてない。皆は色んなことで切れているみたいだけど、私はそういうんじゃなくて、企業の体制と自分との、互いの求めるものが違うようなので仕方ないっすねって話で、辞めるのが一番簡単だろって思っただけの話で。もっと気軽に考えていたんだよ、ごめんなさいっ。

ナースだって今多いし、今までもっとあっさり消えたり止めたりして「はい、歓送迎会。」ってなノリだったじゃない。いったいどうしちゃったのですか。

「冗談じゃないですよ。あたしだって何度も辞めること考えたんだけど、一緒に頑張って来たじゃないですか。かおるさんは辞めちゃダメです。時々しか来ないってのは仕方ないけど!」

あと、今月末に異動して行った方と、新たに異動して来た方々との歓迎会兼追い出し会をやるという話の際にも少し騒ぎが。

その日はくしくも遠方で行われるとあるセミナーに出席する前日の夜だったので、「今回は1パス。」と答えたところ、「・・・・・・・・・。何、考えてんですか。一緒に飲まないなんて。」と言われた。

そ、そんな。そんなの皆、交互に出たり出なかったりしているじゃないですか。

「そうやって徐々にフェイドアウトしようって思ってるんでしょ?セミナーって本当ですか?」

本当ですよ!二日に渡って行われるセミナーで、遠いし、朝が早いし、当日の夜まであっちの仕事もしているから今回は1パスって言っているだけですよ。

そう言っている間に、遠くの方でバン!という音がした。

ああ、また、誰かが人のロッカーを開けている。

それにもうコリゴリですよ。先日の一日だけで本当に消耗した。摩耗した。道で知り合いに会っても元気に挨拶出来ないくらいの夜だった。

もう二度とあんなこと言わない。(少なくともしばらくは。)今度はもっとうまいタイミングで、ちゃんとした理由があるときに言う。

バン!とロッカーの閉まる音がする。こわっ。

********************

地獄の工程を終えて、三人でヘロヘロになって帰って来ると、他のチームもヘロヘロだった。

ああ、皆さん、お疲れさま。

喧噪の中、裏口のドアに真っ直ぐスタスタ歩いて外に出た。そこが喫煙所だから。

すると、少なくとも数か月は同じ営業所を出入りしているというのに、まだ一度も喋ったことのないナースさんがタバコを吸っていた。

この方、他県でも訪問入浴を長くやっていらっしゃったとかで、非常に出来るナースさんだと噂で聞いていた。

で、このナースさんが、少し前に「休んで下さい。」と言われて、管理者に向かって「じゃあ、おまえが日当払えよな。」とキレたというナースさん。

ああ、ほんとにもう、皆さん元気が良いことよ。

そう思いつつも、そういう人々、嫌いじゃないので思わず笑みが漏れてしまう。

すると「かおるさんですよね?」と微笑んで来られるので、「あなたがKさんですよね?」と笑い返す。

「キレたんですって?」

違います。それは誤解です。Kさんはキレたんですよね?

「はい。それは誤解じゃないです。ははは!」と笑った後、彼女が「M営業所のSさんって覚えています?」とふって来たので、「ああ、あの人凄いですよね。確か、私より一つか二つ年下なんですけど、40代でオペレーターをこなすって強靭な体力ですよね?20代のアスリート的な人しか出来ないよね?普通。でも、どっこにも力が入ってなくてこなれてるんですよね。」

「Sさんもね、かおるさんのこと大好きなんですよ。何度か一緒に乗ったとき、すっごい楽しかったんですって!」

Kさんのことはね、M市のIさんが「あの人、ものすっごい出来るナースさんだよ。」って褒めてましたよ。

「いやあ、初めて喋りましたよね!」

そうですね。やっと喋れましたね。

と盛り上がったのだが、ふとした瞬間、同時に肩を落とし「疲れたね。早く帰りましょう。」と同時にタバコをもみ消したのだった。

「今度はいつ来るんですか?」と訊かれて「確か、約10日後です。」と答える。

でも、台数があまったら、迷わず私に休みを下さい。ほら、Kナースが切れるから!

そう言って、皆、互いにキレキャラを押し付け合っているのだけど。

異動して来たばかりのベテランオペさん曰く、「ここ、皆、怖いです。」と笑っていた。

ほんとに元気の良い女性陣ばかりだなあ。

私が一番大人しいと思う。

いやあ、それにしても疲れた。

いっぱい食べて早く寝よう。

でも、利用者さんたちや介護者さんたち、スタッフの顔、色んな場面が浮かんで来て、疲れた疲れたと嘆きながらも笑いが漏れてしまう。

今日もありがとう。

可能な限り、少しでもお役に立てますように。

いつも勉強させてくれてありがとうございます。

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2013年03月25日

”らしさ”

この春、実に色んな夢を観る。

時々、一定期間、レイキヒーリングをやるときに、かつての習いたてのときのように、シンボルも何も使わない地点から一か所5分づつ丁寧にやって行くという手法に戻るのは本能か。

一番最初のこの時期に一番大きな浄化が起こった7〜8年前を思い出すからか。

まあ、とにかくこういった浄化を一段回目からやり直す時というのは、心の中で、そして脳の中で色んなことが起こっているらしい。

夢は覚醒しているときの意識が抑圧していることを、映像として出してくれる。とは言っても皆自分でやっていることなんだけどね。

それは遠い遠い夢。

とある一人の初老の方が、とある苦痛を伴う検査を前にして私に質問している。

「これで治るかのか?」と。

再三説明はなされていたけれど、その説明が今一つ下手くそだ。

だから、検査の同意書を取った後にもこういった質問が来るわけだ。

彼を含む多くの人が検査を治療だと間違えていたりする。

「こんだけ痛い思いや苦しい思いをすれば治るかのか?」

長いこと忘れていたけれど、私はこの方の瞳孔の奥の奥まで覚えている。目に焼き付いている。話し方も、色んな癖も、趣味も…人生観も。

これは治療じゃなくて検査なので、これで治るってことは無いんだよと正直に答えたら、断固拒否されてた。

皆が忌々しく思って居た。

言葉にする人も居たし、しない人も、流れ作業からはずれたその方と私のことを忌々しく思っていた。”どうして、もっと上手く丸め込まなかったの?”という非言語的なメッセージに取り囲まれたが、一人でこう思って居た。

馬鹿め と。

人の身体は誰のものでもない。

人の命は誰のものでもない。

その方が嫌がることは、了承無しにするべきではないんだと。

「だって、もうボケているじゃん。」という言葉にも同じく馬鹿めと思った。

ボケてんのはおまえらだ。

一番大切な尊厳ってものを忘れている。

********************

日ごろ、カウンセリングなんて仕事をしていると、傾聴しているうちに「ああ、だったらこうすれば良いのに。」と思うことは多々ある。

なまじ何千件、何万件と人間というもののエピソードを聴いていると、ある程度似た話も出るし、ある程度の客観や統計もはじき出されて来る。

なので余計に先が見えてしまい「こうすれば良いのに。」なんて思うことも増えて来る。

はたまた、これはカウンセリングではないけれど、とある暴力団出身の方が糖尿病が元で片足を切断して障害の補助を受けるようになったときのこと。

片足が使えないとは言えど、その方はほとんどのことを自分で出来る状態だった。

部屋には日本刀やモデルガンがあったし、あちらこちらが散らかっていて不潔だった。

褥瘡の処置のガーゼも、消毒の薬もタバコも、腎瘻から破棄した尿も全てがベッド周りに散乱していた。

入浴に行くスタッフに意地悪を言ったり、急いでいることを分かっていつつわざとゆっくり髭をそったりするし、何より、その汚れた部屋と異臭故に誰もが訪問することを喜ばなかった。

しかし、季節が流れて、その方の病状がさらに悪化し、とうとう両足を切断するわ、意識が一時的に昏睡に陥るということが起こった。

退院した後の彼の部屋は、ヘルパーさんが美しく整理整頓していたそうだ。

異臭もしない。

昔は部屋の隅に穴の開いたダンボールが置いてあった。

片足のときも充分不自由な思いだったので、おそらくは、そのダンボールに向けてモデルガンを連射して鬱憤を晴らしていたのだろう。

しかし、今はもう、そんなことも出来ないので、もちろんその箱も片づけられているそうだ。

「あそこ、綺麗になったよ。」と噂に聞く。

動けなくなって自分の思い通りにならなくなって、ある意味それは清潔になったということだろう。

手が届くところに何でもないと気がすまなかった彼が今はその手を伸ばす元気がないのなら、処理しやすいように整理整頓されているのは、そりゃあ気持ちが良いことだろう。

もちろん、これは普通の人にも言えることで、誰にでもあるその人特有のこだわりが無くなれば、とってもシンプルで綺麗に人生は運ばれていく。

しかし、もしも今の彼はそれを不服に思っているのだとしたら、それは彼の部屋じゃない。

そこは私の部屋でもないし他のナースやヘルパーの部屋でもない。彼の部屋、彼の人生なのに。

もしも今現在の彼が今の清潔になった部屋を気に入ってくれたなら問題ない。それはそれはとても良いことだろう。

でももしも、よしとしていなかったとしたら、それは決して「良かったわよね。」ってな話ではないだろう。

******************

白ちゃんが寝ているいつもの光景。

沢山眠れよとそう思う。

触られたくないときには遠くに寝て、甘えたいときには近くで眠る。

出来るだけ、そのままでいて欲しいと、そう思う。

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2013年03月08日

一日一日が歴史を作る

何と16日ぶりの訪問入浴。久々に行けたよ。

先月、裏起毛がついている黒いチノパンをゲットした私は非常に喜んでいた。ふっふっふっ、これならあの冷えに対抗出来るかも!と。

しかし・・・・・・・、もう春やないかいっ。あんなもん履いて行って暑かったわ。

ところで昨年、T営業所からA営業所が分断して生まれたので、T営業所の方が少し件数が減って楽になったかと思いきや、今度はN営業所とT営業所が合併したとのこと。

こうして、たまにしか行かないと常に浦島太郎状態なのだけど、ひたすら自分の仕事をやるべし。

そして今日は先月理学療法士の試験を受けたというオペレーターさんと一緒だった。結果が今月末に出るらしいのだけど、一生懸命働きながら勉強して来て本当に偉いなあ〜と思う。

昨年、たった2点ほど足りなくて落ちてしまった後、一年間本当に一生懸命働きつつ勉強する姿を観ていたので感無量。結果はまだだけど、本当に、本当に、彼は良く頑張った。

思えば出会った頃はまだそのくやしさで茫然自失状態だったのかも知れない。よく飲み、よく喋るようになった今の生き生きした姿を観てそう思う。

辛いときに新しい仕事を始めると、ついつい心が閉じちゃって通常よりも覚えにくいものだと思うのだけど、今こうして振り返ると、ほんとに仕事が出来る人なのね。

というか、辛いときにも出来るだけ心を開いて、出来ることを出来るだけやって来た結果なのだろう。

どうか、どうか、神様、今月末、彼の努力に良い結果を下さい。

なんてことを思っていたのだけど。

帰り道、意外なことを聴いた。

「試験前、無力感に襲われていたんですよねえ。俺、本当に理学療法士になりたいのかな?と何度も思っちゃって。」

その道を目指したのは病院ヘルパーをやっていた頃からのふとしたきっかけに過ぎなかったらしい。

うーん、じゃあ、本当は何やりたいんだろうね?

でも、もし今回の試験に受かっていたら運命じゃね?

そうは言ったものの、彼は「うーん・・・」と首をひねっていた。

何か分かんないけど何かが違うのね。

出会った頃は理学療法士一筋の様相だったけど、この一年、色んなことを見聞きし、色んな人と出会って、彼の中の何かが変容したのだろう。よくあることだ。

まだまだ若い30代。

でも、多分人は幾つになっても自由で、幾つになってもしっくり来ない限りは自分の気持ちと自問自答するのだろう。

何をやってもあなたがあなたらしく幸せでありますように。

********************

H営業所から応援に来て下さった若いヘルパーちゃんとも一緒だった。

時折、顔を見かけたり名前を聴いたりする度に「もしかして二年前に一緒に乗った子かなあ?」と思っていたのだけど、何分印象が違い過ぎた。

貫録があって、一部の人が「生意気なんですよ、あいつ。」と言っていた子。

ところが、今日話してみたところ、やっぱり同一人物だった。

「勤めてすぐの頃、一緒に乗ったんですよ。ほら、Oさんと一緒に。」と言われて「ああ、やっぱりそうだったんだ!」と笑い合った。

その頃は私が勤めて半年目くらいで彼女はまだわずか一か月くらいの頃。

出来ない、出来ないと言っている彼女にファミレスで「何言ってんの。一か月でそんなに出来てるって凄いよ!」と言う話をしていた。いや、まじそう思ったから。

で、二年ぶりくらいに一緒に乗ったら、当然のことながら、まあ、何と良く出来た子だこと。よく育っている。この二年、どうして過ごしていたか?ってことが一挙一動に現れる。

ほら、やっぱり出来る子だったんじゃん。あの時、既にその片鱗が見えてたもの。

「あの時は辛くて辛くて、すぐ辞めようと思っていたんだけど、ある日たった一日尾崎さんと乗ったとき、凄く褒めてくれたんですよ。で、扁桃腺のこと相談したら切るなって言ってた。(笑)」

うーん、褒めたことは覚えているけど扁桃腺のことは覚えていない。(笑)

それにしても、あの時はオドオドしていたのに今や堂々たるもの。

なるほどー、人は・・・とうか、特に男性オペは、こういう子のことを生意気と評価するのか。

生意気なんじゃなくて気が利いた子じゃないか。人が顔拭きタオルを一本用意するところをこの子は二本用意するし、急ぐところは急いでダラダラしないし、かと言って利用者様に緊張感を与えないように上手に天気の話なんかもする。

Fさん、凄いねー。あの時から予想出来たけど大きくなったんだねえ。今日は凄く回り易かった!

互いにお礼を連呼して「またよろしくお願いしますね!」と言い合って解散。

何か、素晴らしい人材を観ると、ああ、自分も頑張らないとなあ♪と思う。

色んな人と色んなところへ行くのだけど、年月をまたぐほど人との関わりが色んな形で後々まで影響するのだと言うことを知る。

一日一日を大切に生きたいなあと心から思う。

今日もありがとう。まだまだ未熟だけれど、一つ一つ学んで行こう。

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2013年02月18日

思わぬ再会 / 彼女の心尽くし

今月の初めの頃、オーストラリアからお越し下さったナースさん。

初対面なのにレイキの講座やらコンサルとは別の雑談でも盛り上がった。

海外で暮らす方々のほとんどがそうであるように、年に一回の帰国。

その間、充分に日本を楽しんで過ごされたそうだ。

沖縄でも銀座でも、食べ物とか酒とか、はたまた、美味しいものとか、やっぱり酒、酒、酒とか。

何がどんなふうに美味しかったとか、そんな話ですらド迫力&爆笑。

最初にお会いしてエピソードを惜しみなく聴かせていただいたときにも「辛いこともあれど、なーんて面白い人生を歩まれているんだ!」と感動したり爆笑したりしていたのだけど。

ところが、もうすぐオーストラリアにお帰りになるという寸前に今一度、今年もう一回お会いで出来る流れとなったので嬉しかった。

今日はセカンドDだったのだけど、やべえ、話しているといちいち共感できるし面白い。

で、あと、しっかり食べている人だ。身体にも脳にもしっかり栄養回ってますという感じ。

私はよくお昼を食べそこなうことがあり、クライアントさんがお越し下さる寸前まで慌てて何かを頬張っているなんてことが多々あるのだが、到着した彼女は「いやあー。昨日はあれとこれとあれとこれと、で、ワインも一本空けちゃったので二日酔いで!でも、今ここでお昼食べて良いっすかねっ?」と、豪華なシラス丼をパクパク食べだしたことにも大笑いした。タフネス。二日酔いでもそれですか。

白ちゃんがそのしらすを狙っていたので阻止したところ、また機嫌を損ねられて、夜までつんつんされていたけどね。

で、食べながらも、先日お聴きしたオーストラリアの医療事情も面白くて、ほんとに色々あったのだけど、そのうちの一つが、そこのガードマンの方々が元アメフト選手と筋肉隆々の方だったりするとか。あるいはその筋肉隆々が二人でやって来て守ってくれるとか。

良いよなあ、それ。と、羨ましかった。

日本の病院のガードマンさんの警備会社の方々は、アル中やガタイの良い男と私が戦っていてもドアの外で震えていた。

助けろよ。(まあ、結局勝つから良いけどよ。)

いつぞやは、帰り際、病院のタイムカードを押していたところ、例によって、ガードマンが「外にも物凄い怖い人が居て、ずっとこっちを見ているんです。尾崎さん、見て来て貰えませんか?」なんて言われたときには心底あきれた。

しかも、ガードマンの言うその”怖い人”というのが、私を迎えに来ていた夫だったという状況だったのでずっこけた。

その他にも色んなエピソードを聴いて、日本の医療はやらなくて良いことをやり過ぎて過敏になり過ぎているところがあったりするということも感じた。

まあ、色んな話はしたものの、本題、つまりは受講内容をしっかり持って帰った彼女。

帰り際「ああー、かおるさんがよく行っている焼き鳥屋も行きたかったなー。」という話も出たりして。

あ、ほんとですね。なんでもっと早く気が付かなかったんだろう。もっともセッションもてんこ盛りで話し合いたいことも沢山あったし、はたまた彼女も日本を満喫するのに忙しかったので仕方がない一面もあったは。

やべーなー、面白いなー。そなんだよなー・・・などといちいち腑に落ちる話をしこたましているうちに時間が来た。本当はもう一度フルポジションでトリートメントして差し上げたかったんですけど。

*******************

「ああ、この方がミカエルちゃん!」と帰り際に嬉しそうに声をかけるNさん。

そうなんですよ。 と笑う。

いつも海外から来た人を送り出すときには一抹の心配が付きまとってしまうこともあるのだが、この方の場合は、「また、明日ねー。」というノリでお別れした。

次に会える日が楽しみである。私もここで頑張って行こう。

******************

昨日、一人の人のために涙する一人の女性がいて、私はその誰かのためにせつない思いをしたり、そしたり泣いている彼女のことを思って涙した。

けれども彼女は知っていた。やって良いことと、やってはいけないことの判別を。

きっと全てのことは起こるべくタイミングで起こるべくして起こっている。

一つ一つ乗り越えた先に、きっと今の”何故?”の答えが見える。

これまでもずっとそうだったように。

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2013年02月15日

比較癖

訪問入浴への出勤日。

今月は6回出勤するとお約束したのに、こちらの都合もあいまって結局4回しか出れなかったなあ。でも、一日一日大事にして行こう。そのわずかな時間の積み重ねが2年後の今、こうなったのだから。

今日は先日ほど寒くもなく、そしてたったの6件の工程だった。

楽勝・・・・と思っていた。

こんなの、あの被災の日に北の海をイカダ同然の木の板に乗って何日も流されて、やっと陸地に着いた方のことを思えば何のその。

真っ暗な中、震える夜を過ごされた方々に比べれば暖かい、暖かい。

あと、ふいに思い出したのだけど、幼い頃、初めてミドリガメなる小さな亀の子を飼ったのは、厳寒の季節の釧路に住んでいた頃だった。

多分幼稚園くらいだったのか。

ちょいと母と出かけて帰って来たら亀の水槽が凍っていて、あれは本当に酷いことをした。

慌てて氷を溶かしても、いくら待っても、何時間見つめていても、亀は二度と動かなかった。いくら泣いても呼んでも動かなかった。

亀なんて逃げられなかったのだから。

そう言えば、一番最初に色々教えてくれた元センター長の青年が「僕のひいおじいちゃんは、戦地で凍死したと聴かされています。」というのを対宅で聴いたとき、衝撃だった。

常日頃から異国の地で非業の死を遂げた方々のことを思うことがあり、でもって、その方々は家族や国のためを思って満身創痍だったわけで。。。。それに比べればこんなもの、こんなもの・・・。

と、物凄いことを頭の中で次々と考えては、他人様のひいおじいちゃんになって当時の中国にいるつもりになったり、はたまたある時は北海のぐらぐら揺れるイカダの上で冷たい波の飛沫を浴びているところをリアルに想像したり、終いには、とうとうミドリガメになってしまう自分に、ふと突っ込みを入れている。

要するに、おまえ、辛いんやないかいっ。

辛いって言えや、いい加減に。

いや、そりゃ被災地の方々や中国で凍死したりガダルカナルで自らの体に蛆が湧くほどの逆境ではないしさ。ましてやあの可哀そうなミドリガメさんたちと比べれば天国なんだろうけど、普通に弱いんやないかい。

帰りの電車に乗ったところ、混雑する時間なのに席が空いていたので座ろうかと思ったが、いかんいかん、きっと眠りこけて東京まで行ってしまう。しかも、折り返して今度は高尾まで行っちゃうかも。

そう思っていつものようにドア側に張り付いて乗り換え駅のエスカレーターに乗ったのだが。

「ああ、もう一駅で我が家の駅だな。」と安心したのだろう。

ほんの10秒ほどの間だったと思うのだけど、はっ!と気が付くともうすぐエスカレーターが終わるところだったのでビックリよ。

夜勤明けや日勤の後、ご飯食べながらうつらうつらしたことはあるのだけど、エスカレーターで爆睡したのは生まれて初めてよ。ああ、ビックリした。しかも、夢まで見たし。

普通だったら絶対転んで大怪我必須のところを何故にちゃんと目が覚めるのか、自分でも不思議に思う。しぶとい人間に生まれてごめんよ、ミドリガメ。

そんな状況だからこそなのか。

余計にお爺ちゃんやお婆ちゃん、障害をお持ちの方が「あったかーい!」と特製の浴槽に浸かってくれている様を見ると、「良かったねえええええ!」と首の骨が折れるんじゃないか?って思うくらい物凄い勢いで何度もフルスピードで頷いてしまうのだ。

しかし。

ああ、もう、たったの6件だろうが、先日よりましな状況であろうが、とにかく自分も風呂入って暖まろう。

天候や気温の過酷さが今日ならば、明日からはまた心の過酷さと向き合う日々なのだから。

やりたいことを長くやり続けるためにもぬくぬくと過ごそう。

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2013年02月09日

良いことと悪いこと

あれは今年に入ってからのこと。

東京では滅多にない大雪が降った日のことだった。

何だってたまにしか行かない訪問入浴ナースの日が、よりにもよってこんな大雪か?!と驚愕したのは記憶に新しい。

その時、お風呂に入れて回ったお宅の行く先々で、利用者様やら介護者様たちが私たちの悲惨さを観て爆笑されていたのだが。

特に、老々介護という状態のお宅にお邪魔した際には非常に喜ばれていた。

お母様であるお婆ちゃんを介護なさっている息子さんの方も高齢なのだけど、この方、一部の人々に非常に人気者。(・・・。そうでない人々にはおそらく怖がられている。)

非常に神経質なところもあるけれど、非常に陽気なところもあり、いつもひょうひょうと介護なさっている。

にしても、このお父さんの介護は、ほんとに上手よ。始めて10年くらいになると仰るものの、着脱もオムツ交換も、部屋の湿度や温度の管理も、あらゆることの手つきがプロ並み。

「いやあ、10年もおっかさんを見ていればあたりまえのことよ。」と仰るのだけど、私なんて20年以上ナースやっているのに、お父さんより下手くそよ。

そんなことを、彼のおっかさんが寝ているベッドを二人で両側から挟んで一緒にケアしながら話しているもんで、一動作を終えると二人で「ふうっ。」と同時にため息をついて腰を伸ばした瞬間があった。

それがおかしくて笑ったのだけど、一緒にやる者同士は呼吸を合わせて動くので、こんなふうに同時に息を吐いたり全く同じ格好をしてしまうことなんてざらにある。

ナースの皆さんも、そして介護する側も皆同じことを仰るのだけど、息の合わない人と一緒にやるくらいなら、どんなに巨体の方相手でも一人で介護する方がよっぽど楽だと。

それで、まだまだこちらの世界ではひよっこの私が褒めて貰えるのは、「どこのお宅に行っても同じリズムでやっているね。」ということだった。

そりゃ、合わせているからだ。

自分より早くて上手な人には必死でついて行き、自分より慣れていない人とはペースを落として同じ動きをするだけ。

「それが難しいのよ。誰だって自分のペースがあるじゃない。」

いやいやいや、誰もが他人様と一緒にやるときに頑固に自分のやり方を通しているのだとしたら、そりゃやりにくくて疲れるわ。

これは介護の世界だけじゃなくて全てに共通して言えることだろうと思う。

で、話は戻るけれど、このお父さんと私はたまたま着脱やオムツの当て方などが同じやり方だったので、こうして色々会話しながら楽しくやらせていただけるわけで。

ところで、この大雪の日、高齢であるこのお父さんが「さーて。お風呂にも来てくれたことだし、これから食料品の買い出しにでも行くか。あそこ、安売りしてんだよな。」と仰る。

それで私は「ええええ!?」と大声をあげて驚愕してしまい「どうしても?どうしても行く?食料品、もう無いの?!」と訊いた次第。

すると、ベッドの向こう側、真正面に立ちつくした彼がきょとん!として私を観る。

余談だけど、この時分かった。誰かに似ているとずっと思っていたんだけど、大竹まことさんに雰囲気が似ているんだ。

「・・・。いや、まだあるけど、何で?」

あの、だから、今日は大雪。行動すべき日じゃありません。危ないって。

彼が転んで骨折でもしたら、このおっかさんはどうなってしまうんだ。

きょとん!とした顔が突然崩れて大爆笑に変わった。

何がおかしいんだろう。

「わはははは!ほんとだな!今日動き回るなんて正気の沙汰じゃない。俺はこれから昼寝でもするから、おまえたちは雪の中を働け。」と大爆笑。

ええ、まあ・・・・・、これも私の日ごろの行いのせいですから。

そう言うとフォローしてくれるどころか、「まあ、そういうことだな。はーはっはっはっ!」とさらに爆笑されていた。

でも、玄関を出るとき、もう一度一礼しようとして振り返ったときのあの一瞬の顔が忘れられない。

彼は物凄く真剣な顔で、そして、メガネをはずして目をこすりつつ「ありがとう。気を付けてな。」と言った。そして下を向いた。お辞儀するっていうよりは我慢できなくなって下を向いたという感じだった。

車に戻って次のお宅へ着くまでの間、貰い泣きしそうになるのをぐっとこらえていた。


あれから何日が経過したのだろう。いや、何十日?

本日は雪の予報はなかったので、ほっとしていたのも束の間。

出勤するために早朝、外に出るなり、「なんだ!こりはっ?!」と思う。

結局、その物凄く冷たい強風は、結局一日中吹き荒れていた。

こんな中でこんな仕事していて、よく皆生きてんな・・・と思ったのだが、やはりスタッフ全員が「ぎゃあああ!寒い!」と叫ぶ者あり、はたまた無口になって下を向くも者あり。

ほんとに凄い確率だよ。

そして、これも凄い確率なのだけど、またしても大竹まことさん似のお爺さんところへお邪魔したところ、出会い頭に笑われた。

「あんた、たまにしか来ないんでしょ?わははは!」

そーなんですよ、まったくもう。

でもねえ、この間もそうだったけど、こういう寒い日こそ、ご老人も障害をお持ちの方々も、本当に皆さん喜んで下さって、凄く良い顔してくれるんですよ。

だから、これは多分、私にとって、凄く良いことと凄く悪いこと。

つまりは、日ごろの行いで、凄く良いことと凄く悪いことをしているということなんですよ。← 多分真実。

そう切々と語れば語るほど、また大うけしていらっしゃった。

笑いながらおっかさんの体を横に向け、「そう言えば、この間な。」と仰る。

「柵するの忘れてて、横に向けた途端、おっかさんを向こう側に落っことした。」と言って涙を流して笑われている。「死んだかと思って慌てたよ。」。

笑っちゃいけないんだけど、涙流して笑われているので、つられて吹き出した。これがこの人の口からこんなふうに語られると我慢するのは至難の業。

それ、ご家族だから笑って言えるけど、私たちがやったら大変なことですよ。そう言いつつも、つられ笑いが止まらなかったので、必死でおっかさんに片手を縦にして謝ったのだけど、おっかさんまでゲラゲラ笑っている。

「要するに、俺も凄く良いことと凄く悪いことしているんだよ。何もしなきゃ何も起こらないが、必死のことには、どうしても良いことと悪いことが両方ついて来る。」

なるほどなー・・・と感心している頃、彼があざやかな手つきでおっかさんの酸素のチューブを綺麗に切ったテープで固定していた。

あの町もこの町も、色んな人々が生活をしている。

来る日も来る日もコツコツと、地味に地味に小さな積み重ねという愛を持って介護したりされたりしている。

そういうことを思うと、胸がじーーんとして感動したり、介護者様を尊敬してしまうのだけど。

そんな感動も束の間で。

「でも、あんた来ると、途端に空気が派手になって笑いが止まらなくなるんだよ。ほら、今日も基本無表情のおっかさんが笑っちゃった。」と気付けば笑いながら怒られていた。

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2013年01月19日

笑顔

ずいぶん前のこと。

まだ訪問入浴で新人ナースの部類だった頃、とある地区へ応援へ行った際、若くて美しい利用者様に出会った。

彼女は交通事故がきっかけで若くしてお体が不自由になった方だった。

後遺症のため体の節々が痛いため時折麻薬で痛みを抑えているという前情報をその地区のスタッフに教えていただいた。

「それからね。」と、当時、その親切なスタッフの方が言った。「この間もね、派遣の男性ナースが足を洗っているときに、ちょっとこする力が足りなかったらしいんだ。」と。

下半身の感覚が無いので強くこすっていても弱くこすられているように感じてしまう人が居る。でも、言われた通りに強くこすり過ぎると皮がむけてしまう。どちらにしろクレームになる。入ったばかりの頃でさえ、よく聴く類の話だった。

「でも、その時、彼女、そのナースに『馬鹿!下手くそ!』って怒鳴ったんだよ。それから出勤して来なくなっちゃってさあ・・・。だから、怒鳴られてもあんまり気にしないでね。」とわざわざ前もって教えてくれた。

慣れない頃だったので、そう言ったことを前情報として聴くとビビりまくりだったのだけど、お宅に着いたら”初めまして。”と自己紹介をしていつも通りに作業させていただいた。内心ドキドキしていたのだけど。

白くて薄くてデリケートそうな肌の女性だった。

どうしようかなー?強くこするのが好みだと聴いたけれど、これ以上は強くこすれないなあ〜と思っていたところ、案の定「もっと強くて良いよ。」と言われた。

ああ、やっぱりなあ。。。でも、これ以上だと綺麗なお肌が傷ついちゃいますとドキドキしながら伝えるべきことを伝えたら、一瞬彼女が無表情になったので、ますますドキドキ。

でも、『あ、そっかあ。』と普通に納得して下さったので、ものすごーくほっとして、汗がどーーっと背中を流れて行くのを感じた。

それから何となく笑顔になって下さって、凄く嬉しかった。

たまたま機嫌が良い日にあたったのかなあ〜?でも、ちゃんとこちらの意向を伝えれば、大抵はお話が通じるはずだよなあ〜と、そんなことを思って穏やかに入浴を続けていた。

しかし、次の瞬間、私は、彼女の肌の一点にどうしても落ちない黒い煤のようなものを見て、そこをしつこくこすっていた。

すると、彼女が「あ、それはね。汚れじゃなくて事故のときにこすれた痕なの。痛くはないんだけど、その痣だけが取れないのよ。」と説明してくれた。

それを聴いた瞬間、中腰になって一生懸命洗っていた私は、まるで感電したかのように後ろにひっくり返ってしまった。どたーーっ!と。

ただでさえ緊張していたのに、ドキドキしていたのに、本人が気にしているかも知れない痣をゴシゴシこすってしまったのだ。もう、本当に心底ビックリして、そして自分でもショックで。

自分がしたことにショックで「えええええ?!」と言いながらひっくり返った後、今度は、自分がひっくり返ってしまったことに驚いて、”早く立ち直らなければ!”と、慌てふためいて元の位置に戻るため、バタバタと四足で浴槽に、つまりは彼女の傍に戻って来た。

ほんの2〜3秒のことだったのだけど、その激しい動きに他の二人のスタッフも彼女自身も目をまん丸くして注目していたのだけど、浴槽のヘリに手をかけ、何とか立ちあがって、「ご、ごごごご、ごめんなさいっ!!!辛いことを思い出させてしまって!あああ、もう!殴っちゃってくださいっ!」と本気で悔いたのだが。

一瞬の沈黙の後、氷の女王と異名をとる彼女が、「ぎゃははははっ!」と爆笑した。その笑いは何故だか中々止まらないらしく、ずいぶん長いこと笑いながら「いいよ、いいよ。全然良いよ。気にしないで。」と言うのにも息継ぎが必要な様子だった。

こちらとしては嫌な汗をいっぱいかいて、ほんとに何てことしちゃったんだろう!?と自責の念でいっぱいなのに、そして、ひっくり返ってしまったことも恥ずかしくてしょうがないのに。

追ってスタッフも笑い出した。かなりベテランの方々だったのだが、「・・・。結構、体張るタイプなんだね。」と。

「もう、お腹が痛い。」と言われて、いかん!苦しませてしまっている!と叫んだら、また火に油を注いでしまったかのように爆笑されていた。

もう、ほんと、変なおばさんですみません・・・。と言ってもダメだった。

それから、ほんの半年に一回くらいお会いする機会があるのだけど、今や可愛い笑顔の彼女に会えるのが楽しみで仕方ない。

百聞は一見にしかず。

もう、そこの常勤になって毎週でも会いに行きたいという利用者様が沢山居る。

ので、色んな人のことを思い出しては、どうしてるかな?と思う今日この頃だった。

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初めて訪問入浴を経験するという大正生まれのお婆ちゃんのおうちに来訪したとき、家の奥から娘さんの大きな怒鳴り声が聴こえたときには、びびった。

「もう!もう!もーーうっっっ!どうして、そんなところで寝てるのっ?!あと、どうしてこんな変なものを食べちゃうのおおお!」という怒鳴り声。

お婆ちゃんは可愛い容貌の方だった。

私たちが来訪しても娘さんの怒りはおさまらず、鬼のような顔をしていた。

でも、私には、それが泣いている顔のように見えた。

やがて、三人で大きな浴槽を運び入れたり、配管を繋いだり、そして私はというと、血圧等を測ったあと、お話ししつつ手と足の爪を切ってさしあげていた。爪の間にも汚れがいっぱい詰まっていた。

そして、お風呂へ。

娘さんもお若くはないので、一人でお風呂に入れるのは困難だったのだろう。お体には垢が溜まっていた。

これも先日の雪の日のように、その年で一番寒い日のことだった。

最初は「何するの?止めて?」と抵抗していたお婆ちゃんが「あったかいねえ、気持ち良いねえ。」と言い出して、やがて私たちの知らない古い歌を歌い出した。

思わず皆、笑顔になってしまう。

娘さんが疲れて怒っているのに、申し訳ない!と途中で気づき、ふと娘さんの顔を観たら、何と、その娘さんは笑いながら泣いていた。

ポロポロ、ポロポロと泣きながら、笑顔になっていた。

お風呂を搬入して準備するところや、奥の部屋から抱きかかえて連れて来る様を初めて目にして、そして、私がお洋服を脱がせて体にタオルをかける様を観ていて、ついさっきまで「んまあ・・・。」と仰っていた。

物凄い速さでそれらのことが起こって行く様を見て、きっと色々な意味でビックリしたのだろう。

でも、何より、お母様が嬉しそうにお風呂で歌っている姿なんてものを見て、一瞬のうちに色んなことを感じられたのだろう。

何も訊かなかった。

でも、少しだけ、ほんの少しだけ分かる。

大変だったですね。

何でも口に入れてしまったり、寒いときにも冷たい床に転がってしまったり、排泄した後のオムツを勝手にはずされたり。

普通の人だったら、もう、どうして良いのか分からない。

本当は、誰だって人に優しくしたい。

きっと寝不足の日々が続いていたのだろう。しんどかったですね。

本当は誰もが、人を大事にしたい。自分のことも大事にしたい。

それから月日が経って、この方のお宅へは残念ながらあたることが無かった。

でも、聴いたところによると、お婆ちゃんはドンドンきれいになって、そして、認知症独特の行動も何故だかずいぶん減って、娘さんもニコニコと笑顔が多い人になったのだと。

ある日、その方が亡くなったという知らせを聴いた。

涙が出たけれど、そんなに悲しくはなかった。

お風呂に入れさせていただいて良かったなあ。一年以上もの間、ニコニコして少しでも幸せにお暮しになって良かったなあ〜と、つくづく感じつつご冥福をお祈りした。

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時々、人は笑うために生きているんだ というような言葉が頭をよぎる。

でも、その笑いの質が嘘では仕方がない。

怒ったり泣いたりしつつ、本当の感情の狭間に、本当の笑顔がある。

そういうとき、人の人生の質を思う。

長さというよりは、その質を。

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2013年01月15日

寝るな 寝たら死ぬぞ

先日、訪問入浴をやった際、「えーと、次はいつだったかな?」と見てみたところ、「おお〜、次は中三日か。割と近いぞ。忘れないようにしよう。」と思っていた。

その日も厳寒の日だったのだけど、体力的にも時間的にも割と余裕ぶっこいていて、楽しく入浴やら傷の処置やら介護や看護をさせていただいた。

将来理学療法士になるオペレーターさんが30代前半くらいの方で、それまでは病院でヘルパーさんとして働いていたという方だった。

医療の現場、特にナースやヘルパーさんに男性の方が居ると力持ちという点で非常に頼りになる。理論や理屈やらの知識、つまりは頭脳活動が多い病院という企業なのだけど、やはり力仕事も同じくらいに多かったので。

ので、大抵は力自慢の方が多く、この方も力持ちの部類だと思う。ガタイも良いし。

しかし昨年の5月、訪問入浴のオペレーターを始められた際には、やはり驚愕の表情が見てとれた。

オペやヘルパーさんたちほどのハードさではないのだけど、ナースの私ですら二年前はビックリしていたもん。

それで、夏を越え、秋を越え、冬がやって来た。

「雪の日なんかは嫌だなあ〜。」と先日彼が言っているのを聴いて「あ、そか!Oさんはまだ雪を体験していないんだね。」と言う話題が出ていた。

汗いっぱいかくので夏の労働の方が苦手な人かと思っていたのだけど、実は冬の方がダメで、「雪の日にこの仕事をするなんてとんでもない。想像を絶する。」と言うような感じだった。

それから毎晩のように、カウンセリングを終えた事務所で天気予報などを確認していたのは、この中三日を挟んで出勤する日を危惧してのことだったのだが、昨日あたりから「来た、来た、来たー!」と思わせる予報が出ていた。

全く持って、カウンセリングの日々、室内で仕事しているときの自分には、いったいぜんたいどうやってあの仕事をしているのか、皆目見当がつかないのである。体力ないし、寒いの苦手だし。

でも、出勤して患者様、利用者様たちにお会いすると物凄く楽しい。行ってみれば結局それなりに元気なのである。

昨年の大雪の日にもこの仕事にあたって困難な方の入浴をしていた日のことを思い出す。

何が辛いかと言うと、車の乗り降りをする際に即座にお宅に入れるわけではなく、車のバック誘導をしている間、階段の上り下りをしている間、強風が吹きすさぶこと。

そしてしょっちゅうお宅と車を行き来するので、靴なんて履いていられない仕事のため冬でもクロックスかサンダル。

クロックスはボアがついているやつなどを試みたこともあるのだけど、雨の日や雪の日にはびしょ濡れになって余計に寒い思いをする。

一緒にみかりんと回りつつ、大荷物を持っての移動中、寒風が吹きすさぶ度に「ふぎゃああああ!」と猫のような声で叫んでいたのを覚えている。そんだけ大声出しても風と共に声が車の往来の中に消えていく。

そして、今年もやって来た。大雪の日が。

幸いにも先日危惧しておられた青年はお休みだったようである。

しかし、この少ない出勤日にあたる私は相当な確率だと思う。神様はこういうときにも「やれ。行け。」と仰る。

今日は昨年のパターンより酷かった。

朝の体感温度は割と暖かだったのだけど、冷たい雨に打たれて、二件目のお宅あたりからみぞれに変わり、三件目のお宅を出たら銀世界が出来ていたので、三人とも「うぎゃあああ!」となる。

横なぐりの雪って何ですか。

しかし、笑う。

介護者様や利用者様たちが私たちが到着すると皆さん本当に面白がるのである。

「何で、悲壮感がないのかね。」

いやいや、物凄いしんどいんですど。靴下を三回も交換しましたけどね、毎回びしょ濡れで今やこの雪の中、三人とも裸足のゲン。

「わははは!大丈夫か?!」

だから!大丈夫じゃないですってば!


そして、コンビニで休憩する度に、三人で軒下に並んで銀世界を見つめつつタバコを吸っていたのだが、本日はとても若いN美ちゃんとセンター長のHさんと私。

強風だし、広告の垂れ幕がこいのぼりのようにばっさばさ言っていて、しかも、雪で視界が見えない。そして、裸足。体もびしょ濡れで頭もずぶ濡れで三匹の犬みたい。

しかし、「・・・・・・・・・・・。」と黙って煙草を吸っていたのだけど、突然衝動に駆られて、コンビニの駐車場で、手早く作った雪のボールをゴロゴロ転がして大きくしてみる。

こんな状況のときに来る人なんて少ないので、車も人もほとんどいなくて駐車場が白いケーキみたいになっていたから。なんかしたくなるじゃないですか。

すると、N美ちゃんが「あはははは!」と笑いながら、やはり素早くボールを作り、凄いスピードで追いついて来た。

良い大人が中腰の姿勢で疾走しながらどでかいボールを転がしている様は立派な馬鹿に見えたと思うのだが、それに付き合って来る人間が居るとは。

わずか一分で大きな玉になったので、N美ちゃんが作ったそのボールと私のこれとを合わせて、雪だるまが出来るなあと思ったのだが、私、まだ何も言っていないのに、N美ちゃんが黙って首を横に振る。

え?なんで?(どして通じるの?で、何で雪だるまじゃいけないの?)と大きな雪玉を持って立ちつくすことわずか三秒。

このとき、二人はあたかも原始人になったかのように言葉を発していなかったのだが、次の瞬間、N美ちゃんがHさんの方を一度振り返り、再び私の顔を見てニヤリと笑ったので”なるほど!そうか!そうしよう!”と思う。

次の瞬間、物凄く重くて両手でないと持てなくなった雪の玉を持ってHさんに向かって走り出す二人の女がいた。

何で分かったんだろうか。Hさんは「うわああああ!」と言って駐車場を逃げ回り出した。← わかるわ、そりゃ。

誰だって、こんな雪合戦、嫌だろう。こんなでかくて密度が高い雪玉ぶつけられたら腰骨折れるわ。

Hさんに逃げられたので、仕方なく私たちはお互いにぶつけ合い、隙を見つけてはHさんにも小玉をぶつけた。

終いにはHさんがN美ちゃんの後ろ襟の中に雪玉をボンと入れて「うぎゃっ!」とか。そこは一番冷たいのよ。信じられない。

大人気ない!長のくせに!と言っている私は自分の子供たちくらいの年齢の子たちとこんなことしている自分に気がついて我に返った。

のだけど・・・、結局、弱れば弱るほど、休憩時間の度に同じようなことをやっていた。

雪が積もって、その後、午後から半端に溶けてくれたので、素足を足首あたりまで氷水につけてジャブジャブ歩くシーンがあったり。

お宅へ着けば相変わらず、普段は病気で苦しんでいる方や悩んでいる方がゲラゲラ笑って下さる。

途中、ゆっくりした入浴シーンで一人が「なんだか・・・、眠くなって来た。」と言うのを聴くや否や、「寝るな!寝たら死ぬぞ!」と残りの二人が叫んでいたり。

それを見て、利用者様も介護者様も寸劇でも観ているかのように大爆笑なさっていたのだが。

まさか、素でやっているとは思わなかっただろう。

しかし、全員で七件。全員無事に入浴。遅延も全く無し。

終了時間、16時40分。ええっ?!何でこんなに速いの?!異例の速さじゃね?

寒い日だったので念入りに洗って暖まって貰ったし、もちろん皆さん厚着で着脱も大変だった。しかも、こまめに死闘とも言うべき雪合戦していたのに。そして、道も神経をギリギリにすり減らして走行しなければならない状態だったのに。

思うに、人間必死になると普段の何倍もの力を発揮するのだろうな。はたまた何かが力を貸してくれたのか。

まあ、とにかく意識をしっかり保つのに必死な一日だった。

******************

最後のお宅から営業所へ向かう車の中で携帯を観ると、案の定電車が止まっているというニュース。

しかし、いつもよりこんなに速いのに、そして、車を容易には出せない道路状況だったと言うのに、営業所の前で夫の車が待機していた。

「のろのろ気を付けて走ってたけど早めに着いた。迎えに来たよ。猫にご飯をあげて暖房のタイマーもつけて来たから大丈夫。早く帰ろう。えっ?うわ?何で裸足?!」と。

あら、そんなの全然心配要らなかったのに。

そう言った私だったが、車に乗って数分でまともな暖房にあたって眠りに落ち、この夜は熱い鍋を食べて眠る。

後日、思うのだろう。

何で、あれが出来たんだろ?あれは誰だったんだろ?恐ろしい・・・と。

でも、やっぱり行けて良かったなあ。

だってもう14日だってのに、未だに年末からお風呂に入れていなかった人も居たのだ。

入りたくて入りたくて仕方がないけれど具合が悪くて入れない方々が。

そして、そんな息子さんのために年老いたお母様が頭だけでも洗ってあげた後、腰を痛めてそれ以来何日も痛くて夜も眠れないという方とか。

お風呂と、お風呂にまつわるあれこれ。

喜んでいただけて本当に嬉しかった。

そして、健康って何てありがたいのだろう、奉仕に頭や身体を使わせていただけるって、何てありがたいことなのだろうと、つくづくそう感じた。

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2013年01月11日

愛の歌

今年二回目の訪問入浴へ。

昨年はおよそ二か月くらいの間、他の部署へ応援人員として出向いていたので、今年になって二回続けてホームグランドに出れるのが新鮮。

お久しぶりの利用者様たちもお元気だった。

初日は一日9件で、朝っぱらから「ひえええっ。」と思ったが、何かをやり遂げてみると自信がつくもので。

今朝の出勤前には「9件でも10件でも来い。全員丁寧に綺麗にして、しかも楽しんで貰うんだ。」と思っていたのだが、たったの6件だった。

一度負荷がかかった状態に慣れると、人間、強い。

新人の頃は5件くらいでげっそりしていたのに、「良いんですか、こんなんで。」と思ってしまうくらいだった。

***************

恥ずかしながら、今日、生まれて初めてカナリアなる鳥を観た。

初めて出会う利用者様であるお爺ちゃんが、入浴前と入浴後に鮮やかにストマのパウチ交換をなさるので感心しているところだった。ストマというのは人工肛門のことで、パウチというのはそこに下げている袋のことだ。

労作時の呼吸状態が荒れて苦しそうなので、「こちらがお邪魔したときくらいやらせていただきますよ。」と申し出たのだけど、息を乱しながらも「いやいやいや。自分のことはなるだけ自分でやらなくちゃね。」と言って笑顔で交換なさる手つきを観て、あまりに上手なので感心してしまった。

私の倍くらいの年齢なのに、矍鑠としていて素敵。

「人間は出来るだけ努力。でも、無理してるわけじゃないよ。これが毎日の僕の仕事なんだよ。」と仰る姿が美しい。

つくづく感心しながらお洋服の着脱の介助をしていると、何だか、視界の端でチラチラ小さなものが動くので、ふとベランダの方を見てみると、そこに鳥かごがぶら下がっていて、鮮やかなオレンジ色の小鳥が、まっすぐに私を見据えていた。

え?何?インコ?何でこっちを観ているの?飼い主様のところに知らない人間が居るからかしら?

そう思っている私が無意識に首を傾げたら、その鳥が同じ角度に首を傾ける。

え?もしかして、今、真似した?

偶然だろうと思って、反対に首を傾けると同じように真似をする。

面白いので、右、左、右、右とやっても綺麗に真似をする。しかも、フェイントをかけてもひっかからない。全く同じスピードで同じ方向に首を傾げるのでビックリ。← 人んちに来て何をやっとるのか、このナースは。

さすがに途中でお爺ちゃんにばれたので、ゲラゲラ笑われた。

賢いですねえ。人間風情の私のことなんてお見通しって感じ。

そう言うと、また大声で笑われていた。

あれはインコですか?

「いや、カナリアだよ。あんな小さいのに8千円もするんだ。」って・・・値段は訊いてませんから!とまずは吹き出してしまったが、その直後に「えええ、カナリア?」と驚くことにも忙しい。お爺ちゃん、このリアクションにも爆笑されていた。こちら、素なんですけど。

カナリアって、こんなに綺麗なオレンジ色なの?まさに、オーラソーマのボトルのオレンジ&オレンジ。初めて知った。それとも色んな色の子がいるのかな。。。

あの「歌を忘れたカナリアは〜♪」のカナリアですよね?どんな声で鳴くのかな?

その時だった。

私がそう言った直後に途端に鳴きだした。私の目を見据えたまま。

いや、鳴いているというよりは、まさに歌っていた。喉と嘴が目にも止まらぬスピードで振動しているのが見える。何とも素晴らしい高音だ。

うわあ、楽器みたいに振動している!何て綺麗な声!と一瞬茫然としたところ、そのお爺ちゃんが「ほう、あんた、ここからあの小刻みな震えが見えるの?近くで見るとかろうじて分かるくらいの小さな動きで物凄く早いんだけどね。」と仰る。

ええ、目が良いので離れていても見えるんだけど、なんか、凄い子ですね。まっすぐこっちを観て歌ってる。なんか、私の目を見て歌ってくれているみたいなんですけど・・・。遠いのに、しかも、ベランダの戸も閉まっているのに、ここまで聞こえて来る。

こちららを見据えて歌を聴かせているところも独特の雰囲気で凄いのだけど、まあ、そのカナリアのまるまる太っていることと言ったら。

お腹もほっぺたもパンパンの丸々で、そのおかげで成鳥なのに雛みたいに可愛い。その上で歌っているものだから、余計に胸と喉が膨らんでいるのだろう。丁度オペラ歌手のようなものだ。

とっても誇らしげだった。

そして、パタッと歌い止めたとき、思わず鳥に向かって深々とお辞儀をしてしまった人間がここに一人。

アンコール!と言ったらまた歌ってくれそうだったのだけど、もう時間がない。

その時、「去年・・・。」とお爺ちゃんが言った。

え?

「去年、16年飼っていた犬が死んだんだ。もう、寂しくて寂しくてね。でも、90じゃもう犬は飼えないと思ってた。あと、あの子はあの子だから、他の犬で代わりになるわけじゃないしね。そしたら、ある日、婆さんが、このカナリアを買って来たんだよ。」

・・・・。そうだったんですか。

「そしたら、まあ、見ての通り、軽い気持ちで買ったものの、可愛いい上に賢い。そして、優しい。」

その犬の話をし始めたあたりから、またベランダから美しい声が聞こえだした。

今度はお爺ちゃんに聴かせてくれているのだろう。

「小さいから・・・と思っていたのだけど・・・やっぱり、この子の存在も大きいなあ。」

カナリアは必死で歌いかけている。ほんとだ。確かに優しい子だ。

色々なことに感心して、立ち去り難いくらいだったのだけど、とりあえず「お疲れさまでした。またよろしくお願いします。」とご挨拶をして3人で玄関に向かうとき、トットットッ!と追いかけて来る足音がした。

お爺ちゃんとお婆ちゃんの二人暮らしで、二人とも歩くのはとても遅い。

それが物凄く早いテンポの足音なので驚いて振り返ると、誰も居ない。

気のせいかと思ってまた前を向くと、またトットットッ!。

ああ、そうかあ・・・と、今度は確信を持って振り返る。物凄く体重の軽い足音。

最後は病気で亡くなったと聴いたけど、そうなのね。一番元気な頃の姿で好きなだけ、ここんちのお爺ちゃんとお婆ちゃんを護っているのね。

しっぽをブンブン振る気配がしている。

”ありがとね!また来てね!”

玄関を閉めて車に向かう途中、カナリアの声に合わせて、「オン!オン!オン!」と言う犬の鳴き声が聴こえていた。

そうか。一匹と一羽は、いつも共に合唱しているんだ。

好きなだけ、お爺ちゃんとお婆ちゃんの住むこの家で。

***************

オレンジは、心の傷やショックを癒す色。

ある日、来る日も来る日も打ちひしがれていたお爺ちゃんが居た。ご自身の重大な病のことよりも、ずっと家族である愛犬との別れの方がショックだったのだろう。

そこにそれを心配するお婆ちゃんが居た。

自分も悲しいのに、伴侶が悲しむ様子がもっと辛くて。

見ていられなくなったお婆ちゃんは「そうだ。鳥ならば・・。」と出かけて行った。

オレンジ色のカナリアを選んだのは、偶然か、直感か。

あるいは、出かけて行くお婆ちゃんにテクテクついて行って、ひそかにナビしていた存在があったのかも知れない。

その小さな家には、二人にとって世界で一番素敵なオーケストラが存在していた。たった一匹と一羽の、それはそれは壮大な。
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2013年01月06日

朝の窮地&復活

今年の仕事初め。

初日は訪問入浴から・・・・と思っていたのだけど、結局、昨日カウンセリングが入ってしまい、そちらからのスタートと相成った。

お腹いっぱい休んで、もはや断る理由がなかったし。

そして、終了後、つくづく引き受けて良かったなあ〜と、いつものことながら感じた。

そう言えば、もしも昨日、訪問入浴の方を請け負っていたとしたら二日連続であちらに居るということになっていたし、昨日のカウンセリングもお受けすることが出来なかった。

つくづく良く出来ている。

********************

と思っていたのだけど、昨日、カウンセリングからスタートして、本日は早朝から訪問入浴に出るため早起きしたところ、何かおかしいなあ?と違和感を感じる。気が付いて見れば体が怠くてめっちゃ喉が痛い。

子供の頃からレイキを始める30代後半までは、しょっちゅう喉を腫らしていて、一旦腫れるとやっかいなことに高熱を出して数日寝込む。

抗生剤で叩かないとダメな状況の繰り返しだった。(もう、ほんと、子供の頃からうんざりしていた。)

それで、今朝は喉が腫れて首が太く見えるくらいになっている自分の顔を久々に観て「やべ。久々に来た。」と朝っぱらから、かなり焦った。

どうしよう。私一人が行かないだけで車一台分潰すことになってしまう。そうすると多分6〜7人くらいの利用者様がお風呂に入れない。

おそらくは皆さん、今日は今年初めてのお風呂で、長い人になると10日くらい入れずに辛い思いをなさっている。だから、凄く凄く楽しみにして下さっている。

短い間に色んなことが頭を駆け巡った。

昨日もナースの当日欠勤が一人出て、一台潰れているはず。

ということは、昨日の利用者様のうち大多数が今日に振り替えられているから一台につき7〜8件に増えているかも知れない・・・、利用者さんたちもお辛いけれど、スタッフも、みーんな、みーんな、本当ーーに困るなあ!と、もう、頭の中でグルグル。しかし、起き上がれない。

そんな不毛なグルグル思考の中、焦りつつベッドの中でじっとしていると、無意識に両手で喉を包んでいる自分に気が付いた。

あ。

待てよ、待てよ。

何か、前にも似たようなことがあったよなあ〜と段々思い出して来る。

数年前、とあるセミナーに連日出席している最中、やはり、あれも冬の寒い時期だった。

欠席すると単位が取れないし何十万も払っているセミナーだったので無理やり出て行ったものの、やはり喉が痛くて講座に身が入らなかった。

しかし、テーブルが高めの位置にあったため、あたかも頬杖をつくかのように喉に手をあてていたところ、その講座の最中のたった30分でみるみる痛みが引いて行った。

しかも、次の休み時間にはすっかり喉の腫れが引いていたという衝撃的なことがあったのだ。

パニックのときほど考え込むし、不思議なことにレイキを忘れる。

しかも、なまじ医学の知識があるために、「抗生剤、抗生剤、抗生剤をどうやって貰いに行こうか?」と考えてしまうのだ。

でも、数年あまり、普通の状態のときに自己ヒーリングを積み重ねて来たので、こうして頭で不毛なパニックを起こしながらも自然に自分で手当てするようになっていた。

もしも普段やっていなかったら生まれない、良い意味での身体の癖がついた。

”あの時も確かこれくらい腫れていたよなあ。もうダメだと頭では考えていたよなあ。でも、やっぱり無理だろうなあ。”

そんなことを思いつつも、両手がビリビリして来る。もう、患部に当てていないで離してしまったら、今度は手の方が痛くなるほどビリビリ流れている。

”どうせ余裕を持って一時間も早く起きているんだから、しばらくこうして見よう。そして、やっぱりダメだったら仕方ない。”

と、やや思考が変わって来ている間も、あんまりにも手ごたえがあるんで、終いには”あ、こりゃ効くわ。”とさらに変化して行く。

さらに”それでダメだったらすぐ病院行かなきゃね。”と再びネガティブなんだかポジティブなんだか分からない方向へ揺れるのだけど、しばらくすると”あ、ほんとに平気になって来た。”とまた体と共に思考が変化する。どちらが先なんだか、もはや分からないけどね。

結局、嘘のように痛みが取れて腫れが引いた。

一部始終観ていた夫に「何、それ。」と言われるんだけど、理屈を勉強したはずの私ですら未だに「何、これ。」って訊き返したくなるんだわ。

知識と体験の差。

持っているものを使うか?使わないか?の差は大きい。

不思議だけど不思議じゃない。

いやあ、しかし、年末年始、稼業&嫁業にいそしんだとは言え、結局酒飲んで遊んでいた感も大いにあるわけで。

その上で勤務に穴空けて皆に迷惑をかけたとしたら、本当に寝覚めの悪い思いをするとこだったので、良かった、良かった。

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訪問入浴の初出勤は、ホームグランドである立川へ。

どの車も9件のお宅を回る運びとなっていた。

”な、なぬっ?!9件?!”と、一瞬ひるんだのだけど、何故だか今日はそんなに寒さを感じなかった。

で、尚更思った。こりゃあ、本当に休まなくて良かったと。

そして、案の定、色んな営業所で昨日から今日にかけてスタッフの当日欠勤が相次いでいて、皆アップアップしている状態とのことだった。

寒かったもんねえ。皆、体調崩しても無理もないわ。

ので、本当に出て来れて良かった。

しかも、一件一件のお宅を回りだすと、まあ、本当に皆さん予想通り待ち望んでいて下さって・・・、年始のご挨拶をする度に、何かがグっ!と込み上げて涙が出そうだった。

うちの近所にお住まいの主婦さん。まだまだ若い働きざかりの旦那様が倒れてからと言うもの、介護にいそしんでおられる。うちの娘たちと同じような年頃の娘さんたち二人が痰の吸引まで覚えて、一家全員で協力し合って笑顔で介護されている。

「あらまあ!秋くらいから会ってなかったんじゃないの?!」と出迎えて下さって、私なんぞと向い合せで一緒に旦那様の着脱やオムツ交換をさせて下さる。

遠い昔に亡くなった私の祖父を彷彿とさせるお爺さんは、車いすからベッドへの移動が非常にあざやかに上達されていてビックリした。「あったりまえさあっ!ずいぶん練習したぜ!」と、普通のご老人よりもずっと筋肉隆々な上半身になってそれを誇っていらっしゃる。

難病で入退院を繰り返している方が、往診に来たお医者さんに凄く腹を立てていて、それを聴いているうちにニヤリ!と笑い出して下さった。最初は怒っていたのに、何故だか途中から吹き出して「あのデブ医者め。」と自分で言って自分で笑われていたのに、私の神妙な顔がおかしいからだと。

そして、Bちゃんという元族の青年はとっても優しい。涙が出るほど優しくて、面白くて、家で飼っている小犬に虐待されて悩んでいるという話を聴かせてくれるのだが、これがまた上手に笑いをとるので三人ともこらえきれない。寝たきりだと言うのに、私たちなんぞよりずっとポジティブだ。

T君も凄い。一人でボタン付けが出来るようになったんだね。歩いているなんて凄い。

その他、介護者様を含め、総勢何十人もの人々に色んなものをいただいて帰って来た一日だった。

今日はオペもヘルパーさんも男性だったのだけど、二人とも寒い寒いと一日中震えていた。

でも、何故だか、寒くない。9件も連続で動いていたからかしら。

それとも胸が熱かったからなのかしら。それともレイキのせいかしら。

というわけで、結局一日中元気に過ごし、しかも9件なのに物凄く早く終わった。

これはベテランかつ作業最速の某オペレーターの青年がペースを引っ張ってくれていたせいもあると思うのだけど、そのペースについていったT君と私も偉いということにしよう。

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しかし、帰り道、風が冷たくて顔が痛い。

ひええええ。やっぱり物凄く寒い一日だったんだ!

濡れた体から急激に体温が下がって行くのをひしひしと感じた。

やばい。やばいよ。体温が下がると免疫がガターンと落ちるんだから。

今度こそ短いレイキでは間に合わなくなる。

急いで帰って暖まろうと思った帰り道だった。

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某センター長が仕事の合間合間で度々「やっぱ、新年会、やった方が良いですよねえ?」と尋ねて来るから面白い。

いやいや、やりたくないなら無理にやらなくても良いんじゃないっすか?と笑いながら答える。

私らは数人とちょいちょい飲んでいるし、多分彼も上層部の方々と飲んでいるはず。

が、全体での会を先導するのが嫌というか苦手なんだろうなあ。

「そうなんですよ。」

何か目に見えない依頼を感じたのだが、先にやらなきゃならないことが山ほどあるので、とりあえず今日のところは流してみたりして。

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ノロやら風邪やらが流行る最中、依頼人さんたちが寝込んでいるというニュースがちらほら。

お風呂からあがったら、自己ヒーリニグがてら遠隔を飛ばすべし。

何だって、恐怖の訪問入浴の日だというのに、こんなに手がビリビリで力があまってんだか。

でも、普段自己ヒーリングしていない場合だと余計にぐわーっと熱発するかも知れない。

ただ、その分早く治るし後はスッキリすると思う。

という私の思惑とは別に、大いなる流れが言っている。

色々危惧しなくても、なるように なる。

流れに乗って進め。

やりたいことをやりたいようにやれ と。

そして、その傍ら、自分の異変や窮地にはいち早く気付き、自分でケアしてやれと。

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自分のケアで思い出したのだけど。

以前、鬱を患った友達に「あなただけは、私の作り笑いに気が付いて欲しい。本当は辛いんだから、騙されないで欲しい。」と言われたことがあった。

若かった私は額面通りに受け止め、必死で気を付けていたのだけど、結局何度も責められたり恨まれたり妬まれたりしていた。

しかし、今だったらこう言う。

「その前に作り笑いを止めてくれ。」と。

自分で自分を欺いているのに、人にその管理を丸投げしてしまうなんて。

自分でやろうとしないことを人を被せるのだとしたら、それはいつまで経っても被害者の脚本だ。

後に残るのは恨みと言い訳と批判と体裁ばかり。

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posted by かおる at 06:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 看護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月28日

いちばんらっきー&はっぴー♪(入浴介助部門)

数年前、フェリシモなる通販に”毎日続く気持ちのはしわたし箸”なる商品があった。

可愛いのでリンクしようと思ったのだけど、今はもう販売されていないみたい。

色とりどりの箸に短い一言でメッセージが書かれてあって、例えば、グリーンの箸の片方に”あしたは”と書かれてあれば、もう一本には”頑張ってね”と書かれてある。

その他、色々なカラーの箸には、二本合わせると”いつも ありがとう”とか”きょうは どうだった?”等のメッセージが二本一組で出来上がるようになっている。

最近ではわざと違う色同士の二本を晩餐の際に手に取って遊んでいるというこのくだらなさ。

で、この疲れが溜まった年末である昨夜、無作為にガっ!と二本取ると”あしたは らっきー♪”と書いてある。

たちまち「嘘言え!」と言って箸立てに戻してしまう不機嫌な私。

何故ならば、今日が極寒の中の訪問入浴だと分かっていたから。

そして再び二本取ると”いちばん はっぴー♪”となっていた。

「だから!そんなはずないだろう?!」と言う私は、既に前の晩から行きたくない病にかかっている。

私は仕事でも遊びでも行けば行ったで物凄く楽しむのだけど、基本はおうち大好きの引きこもり&ナマケモノなので、実は一年365日、ほとんど毎日”やる気がない病”に罹患している。

なもんで、ひねくれた気持ちで、ええいっ!とまた元に戻して勢いよく取り直したところ、・・・・・、しまった、三本取ってしまった。

”あしたは いちばん らっきー♪”となっている。

どうしてまたそんな嘘を!

寒くてぶーるぶる!のへっとへと!だろう?!重いし!寒いし!くだびれ損だろう!

すると、お義母さんが、心配半分、恐れ半分で「あんた、誰と喋っとん?」と言うので「・・・・。箸。」と答えた次第。

どうして良いのか分からなかったのだろう。黙って立ち去られた。

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本日は、やはり寒かった。

コンビニで休憩している際、太陽が真上に上る時間帯だってのに、地面に氷が張っているってどういうことよ?!

やっぱ、ハッピーじゃないじゃん。しかも、遠方だしさあ。

しかし、お爺ちゃんやお婆ちゃんをお風呂に入れたり、重い荷物持って階段をフーフー言いつつあがったり、傷の処置したりお話聴いたり、お洋服を着せたりオムツをあてたりしているうちに、ほんとーーにいつも思うんだけど、いつの間にか楽しくなっている。結局、好きなんだなあ。と思いつつ、お薬、塗り塗り。

まだ三回くらいしかお会いしたことのない介護者様と年末のあいさつを交わし合うだけでもじんわり暖かくなって来ちゃう。

オペの青年と「お互い、三年目の冬ですね。」と言い合うのは、彼が新卒で入った頃、私もまた一か月ほど遅れてこの仕事についたから。

新卒と言えば、まだ運転もおぼつかないし、対人関係や接遇もうまく行かない頃だった。

ところが、その彼が大きく成長して今やよく喋る。素晴らしい管理者に出世している。

当初からシニカルな突っ込みに着目していたのだけど、諸先輩方に「あいつ、頭良くて一言一言むかっとすること言うよな。何考えてんのか分かんねーなー。」などと言われていたが、その部分が良い感じに開花していて、今や周りは爆笑の渦。

よく、そういうことに気付くな!?という状態。

何も知らなかった頃から一日一日を過ごし、そして山ほどの人々と交流する中で、人の心理を解して行った彼の軌跡が見える。

で、3人だけの車内というのは、しばしばオフレコな会話がなされるのだが、なるべく人の悪口は言いたくないものである。

しかし、実は、私、「いつかあいつに個人的にキレそう。」と思うスタッフが居た。

が、もちろん言わなかった。それ相応の立場がある人だから。

それなのに、前の二人が私が黙って一人で感じていたことを、全く持ってそっくり同じに、素晴らしい毒舌で語るものだから、笑いをこらえきれなくなった。

「え?尾崎さんもキレそうだったの?俺なんて既に何回もキレましたよ。」と何年も先輩の人のことを言う。

いや、ほんとにキレても仕方ないと思う人なんだわ。

しかも、これまた私も思っていたのだけど、今日同乗している三人って、三者三様の変わり者だなあと。

それも黙っていたのに、前の二人が「いやあ、全てが違う私たちに共感し合えることがあるなんて!」と目を大きく広げている様がミラーに映るので、また大笑いした。

はたまた、頭が良くて優秀で真面目で固いし、と言うことで二年くらいまではいけ好かないやつと思っていた彼が、先日飲んだ際、営業所に自宅の鍵を忘れて、往復2時間もかかる距離を取りに行って、自宅に着いたら、今度は営業所の鍵を持って来たことに気が付いて夜通し行ったり来たりしていたとか、「疲労と飢えと凍死の恐怖にさらされた。」とか、物凄く真剣に言うのでそれも爆笑していた。

いやあ、つまんないやつ!って昔は思ってたけど、物凄く面白いんだね!と言うと、「いやあ、怖くて静かで嫌なやつ!って思ってたですけど、やっぱ、おかしすぎる!」と返って来るし、前の座席のヘルパーさんは、訊いてもいないのに、延々と、しかも、非常に刻銘に自分ちのハムスターの話をしていた。

今日は難しくてハラハラなお宅もあったのだけど、結局のところ、比較的楽で楽しく、そしてやはりよく笑った一日だった。

これで今年の訪問入浴はおしまい。

よく頑張った。

あちらの皆様は何と31日まで頑張るとのこと。本当に見上げた人々。

離れたところから、やっぱり心を込めて、”良いお年を。黒ハート

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今日もありがとうございました。

良い一日でありますように。

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posted by かおる at 06:00| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 看護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする